廃車時の還付金手続き方法と受け取る際の注意点

車を廃車にする際、場合によっては還付金を受け取ることができます。還付金は、主に自動車税や自動車重量税、自賠責保険料の未経過分が戻ってくるもので、車を早めに廃車することで支払った費用の一部が返金される仕組みです。ただし、還付金を受け取るためには、適切な手続きを行う必要があります。本記事では、廃車に伴う還付金の種類や手続きの流れ、受け取る際の注意点について詳しく解説します。

廃車時に受け取れる還付金の種類

廃車手続き後に受け取れる還付金は、以下の3つが代表的です。それぞれの還付金が適用される条件や手続きの流れを詳しく見ていきましょう。

1. 自動車税の還付金

自動車税は毎年4月1日時点の所有者に対して課税され、1年分をまとめて支払うものです。しかし、途中で車を廃車（永久抹消登録）した場合、廃車した月の翌月以降の自動車税が還付されます。一時抹消登録では還付されないので注意しましょう。

• 還付される条件：自動車税の還付は、車の「永久抹消登録」を行った場合に適用されます。一時抹消登録の場合は、車が一時的に使用されないだけなので、還付はありません。

• 還付金額の計算方法：還付金は、廃車の翌月から年度末（3月）までの未使用期間分が対象となります。例えば、6月に廃車した場合、7月から翌年3月までの9か月分の自動車税が還付されます。

2. 自動車重量税の還付金

自動車重量税は車検時に支払う税金で、車両の重さに応じて課税されます。新車登録時や車検更新時に支払う税金で、廃車にした場合、車検期間が残っていればその未経過分が還付されます。

• 還付される条件：自動車重量税の還付を受けるためには、永久抹消登録を行う必要があります。事故などで車が全損し、車が使用できなくなった場合も還付の対象となりますが、単なる一時抹消登録では還付されません。

• 還付金額の計算方法：還付額は、車検の残り期間に基づいて計算されます。残りの車検有効期間が1ヶ月未満の場合は還付されませんが、残り期間が1ヶ月以上ある場合、その月数に応じた金額が還付されます。

3. 自賠責保険の未経過分の返金

自賠責保険は、車を所有している間、必ず加入する義務がある保険です。廃車後に自賠責保険を解約すると、未使用期間分の保険料が返金されます。

• 還付される条件：自賠責保険の還付は、車の永久抹消登録または一時抹消登録が完了している場合に適用されます。廃車手続き後、保険会社に解約を申請することで未経過分の返金を受けることができます。

• 還付金額の計算方法：還付額は、廃車手続きが完了した日以降の自賠責保険の残存期間に応じて計算されます。未経過期間が1ヶ月未満の場合、還付はありません。

還付金の手続き方法

還付金を受け取るためには、それぞれの手続きが必要です。自動車税、自動車重量税、自賠責保険の還付手続きを以下の流れで進めましょう。

1. 自動車税の還付手続き

自動車税の還付手続きは、自動的に行われる場合が多いですが、抹消登録の申請内容に不備があったり、住所変更をしている場合は注意が必要です。

• 手続き場所：自動車税の還付は、運輸支局での廃車手続きが完了した後、所有者の住所に自動的に還付通知が送られてきます。通常、還付手続きを特別に行う必要はありません。

• 受け取り方法：還付金は、登録されている口座に振り込まれるか、郵便為替で送付されます。登録情報が古い場合は、住所変更や口座情報の更新を事前に行っておくことが大切です。

2. 自動車重量税の還付手続き

自動車重量税の還付手続きは、通常廃車手続きと同時に行われます。手続き自体は運輸支局で行われますが、還付を受けるには事前に必要書類を用意しておく必要があります。

• 手続き場所：運輸支局で廃車手続きを行う際に、重量税の還付申請を同時に行います。申請書は運輸支局で配布されており、必要事項を記入して提出します。

• 必要書類：車検証、解体証明書、還付申請書などが必要です。さらに、還付金の振込先となる銀行口座情報を記載する欄があるため、口座情報を用意しておきましょう。

3. 自賠責保険の解約手続き

自賠責保険の還付を受けるには、保険会社に直接連絡して解約手続きを行います。廃車が完了してから忘れずに手続きを進めましょう。

• 手続き場所：自賠責保険に加入している保険会社に連絡し、解約手続きを依頼します。手続きは保険会社の支店やオンラインで行うことができます。

• 必要書類：自賠責保険証明書、廃車証明書（永久抹消登録証明書）、印鑑、還付金の振込先口座情報が必要です。保険会社によって必要書類が異なる場合があるため、事前に確認しておきましょう。

還付金受け取りの際3つの注意点

還付金を確実に受け取るためには、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。

1. 住所変更がある場合は注意

自動車税や重量税の還付通知は、車検証に登録されている住所に送られます。引っ越しなどで住所が変わっている場合は、事前に管轄の税事務所や運輸支局に住所変更の手続きを行っておく必要があります。そうしないと、還付通知が届かない場合があります。

2. 還付金を受け取れる期間に注意

自賠責保険や重量税の還付金は、申請から数か月後に振り込まれますが、申請しないまま放置すると還付を受け取る権利が失われる場合もあります。特に自賠責保険の解約手続きは、早めに行うことが重要です。

3. ナンバープレート返却の忘れに注意

廃車手続きを進める際にナンバープレートを返却しないと、還付金を受け取ることができません。特に、一時抹消登録ではナンバープレートをそのまま保持することができるため、永久抹消登録での返却を忘れないようにしましょう。

まとめ

廃車に伴う還付金は、自動車税、自動車重量税、自賠責保険などが対象となります。永久抹消登録を行った際には、それぞれの還付金を受け取る手続きを忘れずに行いましょう。還付金をスムーズに受け取るためには、書類の準備や保険会社への連絡などが重要です。また、住所変更やナンバープレートの返却などの注意点も把握しておくことで、トラブルなく還付金を受け取ることができます。