車を擦ったときの応急処置方法とその後の対処法

車を運転していて、縁石や壁、他の車などにうっかり擦ってしまうことはよくあります。小さな擦り傷であれば放置してしまうこともあるかもしれませんが、早めの応急処置を行うことで、傷の広がりや塗装の劣化を防ぐことができます。この記事では、車を擦ったときに行うべき応急処置の方法と、その後の修理や対処法について解説します。

擦ってしまった際の初期対応

車を擦ってしまったら、まずは冷静になり、損傷箇所や程度を確認することが大切です。応急処置を行う前に、事故の際に取るべき基本的なステップを確認しておきましょう。

損傷の確認

擦った箇所や傷の程度を確認し、すぐに修理が必要なほどの深い傷がないか、あるいは車両に異常がないかを確認します。

• 塗装が剥がれただけかどうか：表面の塗装が軽く剥がれているだけであれば、応急処置で目立たなくすることが可能です。塗装が深く傷ついている場合や、金属が見えている場合は早急に対応が必要です。
• 車体のへこみや割れ：擦り傷に加えてバンパーやボディがへこんでいる場合は、板金修理が必要になることもあります。

安全な場所に移動

事故直後は、まず車を安全な場所に移動させ、他の交通に影響を与えないようにします。狭い道や駐車場で擦った場合、他の車両に迷惑をかけないためにも、安全な位置で確認を行いましょう。

応急処置の方法

軽い擦り傷や塗装剥がれなら、自分で応急処置を行うことが可能です。早めに対応することで、錆やさらに大きなダメージを防げます。

1. 洗車で汚れを落とす

擦り傷がある部分には、砂や泥、ゴミが付着していることがあります。これを放置すると、後の処理が難しくなりますので、まずは汚れをきれいに落としましょう。

• 手順：
  1. 擦り傷の周囲をきれいな水でしっかりと洗います。
  2. 柔らかいスポンジやクロスを使って、傷に付いた汚れを優しく拭き取ります。
  3. 水分を拭き取って乾燥させ、次の処置に備えます。

2. コンパウンドで軽い擦り傷を磨く

コンパウンドは、軽い擦り傷や塗装面の汚れを磨いて消すために使用します。コンパウンドを使えば、表面の浅い傷を滑らかにし、目立たなくすることができます。

• 手順：
  1. 洗車後、傷がある部分に少量のコンパウンドを柔らかい布に取り、円を描くように優しく磨きます。
  2. 強くこすりすぎると塗装自体を傷つけてしまうため、優しく磨きましょう。
  3. 磨いた後、乾いた布で余分なコンパウンドを拭き取り、仕上げます。

3. タッチアップペイントで塗装を補修する

タッチアップペイントは、塗装が剥がれた部分を応急処置するために使います。車のカラーコードに合ったタッチアップペイントを選ぶことで、傷を目立たなくできます。

• 手順：
  1. 傷が乾いた状態で、タッチアップペイントを少量、綿棒や筆で塗ります。
  2. 厚く塗りすぎないように注意し、薄く均等に塗り広げます。
  3. 乾燥させた後、コンパウンドで軽く磨き、仕上げます。

4. ワックスやコーティングで保護する

応急処置が終わったら、仕上げにワックスやカーコーティングを施すことで、傷口を保護し、さらに目立たなくすることができます。

• 手順：
  1. タッチアップペイントが完全に乾燥した後、ワックスやコーティング剤を柔らかい布に取り、丁寧に塗ります。
  2. 特に傷の部分を中心に、全体を保護するように均等に塗り広げましょう。
  3. ワックスが乾いたら、乾いた布で表面を磨き、光沢を出します。

応急処置後の対応と修理の必要性

応急処置が完了した後も、状況によってはさらなる修理が必要な場合があります。特に深い傷やへこみがある場合は、専門の修理業者に依頼することを検討しましょう。

プロによる板金塗装

塗装が大きく剥がれていたり、車体にへこみがある場合は、応急処置では限界があるため、板金塗装やパーツ交換が必要です。プロに依頼すれば、傷やへこみを元通りに修復することができます。

• 費用の目安：部分的な塗装補修であれば1万円〜5万円程度、へこみが大きい場合は5万円〜10万円程度が相場です。

修理が必要かどうかの判断

応急処置をした後でも、以下のような症状がある場合は、修理工場で点検を受けた方が良いでしょう。

• 塗装が完全に剥がれている場合：金属部分が露出していると、錆びやすくなるため、早めの修理が必要です。
• 大きなへこみや割れがある場合：バンパーやボディに大きなへこみや割れがあると、構造的な問題が生じることもあります。
• 走行中に異音がする場合：擦った影響で車体下部に損傷がある場合、走行中に異音が出ることがあります。早急な点検が必要です。

応急処置後に保険を使うかどうかの判断

損傷が大きく、修理費用が高額になる場合は、車両保険を利用することも検討しましょう。ただし、保険を利用すると翌年の保険料が上がる可能性があるため、軽微な損傷であれば自己負担での修理を検討する方が良い場合もあります。

• 保険を使う目安：修理費用が10万円以上の場合は保険を使う方が良いでしょう。修理費が少額であれば、自己負担の方が長期的には得になることがあります。

まとめ

車を擦った際の応急処置は、早めに行うことで損傷の拡大を防ぎ、修理費用を抑えることが可能です。軽度な擦り傷であれば、コンパウンドやタッチアップペイントで対応できますが、深い傷やへこみがある場合はプロに修理を依頼するのが最善です。応急処置後も、車両に異常が見られる場合は早めに点検を受け、安全な走行を維持しましょう。