車を擦った時のコンパウンドを使った修理方法

車を運転していると、駐車場や狭い道路で壁や他の車にうっかり擦ってしまうことがあります。車体にできた擦り傷は放置すると美観を損ねるだけでなく、塗装が剥がれて錆びの原因にもなります。こうした軽い傷であれば、コンパウンドを使って簡単に修理できることがあります。この記事では、車を擦ったときに使えるコンパウンドによる修理方法とその手順について詳しく説明します。

コンパウンドとは？

コンパウンドは、塗装表面の細かい傷を磨いて目立たなくするために使用される研磨剤です。車体表面の塗装層のほんの一部を削り取ることで、傷を滑らかにし、見た目を改善する効果があります。コンパウンドは傷の深さに応じて、粗さが異なるタイプがあり、以下のように分類されます。

• 粗目コンパウンド：深めの傷や塗装の剥がれに使いますが、磨きすぎると塗装にダメージを与えることがあります。
• 中目コンパウンド：浅い傷や中程度の擦り傷に使用される標準的なコンパウンド。
• 細目コンパウンド：軽い擦り傷や表面のツヤ出し、仕上げに使います。

コンパウンドで傷を消す手順

車の擦り傷をコンパウンドで修理する際は、正しい手順で作業することが大切です。ここでは、コンパウンドを使った傷消しの基本的な手順を紹介します。

1. 擦った部分をきれいに洗う

コンパウンドを使う前に、まずは擦り傷部分をしっかりと洗います。汚れや砂が残ったままコンパウンドで磨くと、逆に傷を深めてしまう可能性があるため、以下の手順で洗車を行いましょう。

• 手順：
  1. 傷の部分に水をかけ、柔らかいスポンジやクロスで優しく洗います。
  2. 洗車用シャンプーを使って、汚れやほこりをしっかりと落とします。
  3. 洗った後は、水で十分にすすぎ、乾いた布で拭き取ります。

2. コンパウンドで磨く

傷が浅く、塗装が剥がれていない場合、コンパウンドを使って磨くだけで目立たなくなることがあります。以下の手順でコンパウンドを使用します。

• 手順：

  1. コンパウンドを適量、柔らかい布やスポンジに取ります。
  2. 傷の部分にコンパウンドを円を描くように優しく擦ります。強く押しすぎないように注意してください。
  3. 少しずつ磨いていくと、表面が滑らかになり、傷が徐々に目立たなくなります。
  4. 磨き終わったら、乾いた柔らかい布で余分なコンパウンドを拭き取ります。

• ポイント：

  • 強く磨きすぎると、塗装自体を削りすぎてしまうことがあるため、少しずつ様子を見ながら作業しましょう。
  • 粗目、中目、細目のコンパウンドを順番に使うことで、仕上がりがより自然になります。

3. 磨き後の仕上げ

コンパウンドで磨いた後は、塗装面が元の光沢を失っていることがあります。そのため、仕上げとしてワックスやコーティング剤を使用し、表面を保護し、光沢を取り戻しましょう。

• 手順：
  1. コンパウンドで磨き終わった部分にワックスを薄く塗ります。
  2. 乾いた布で優しく拭き取り、塗装面全体に均等に塗り広げます。
  3. ワックスが乾いたら、柔らかいクロスで磨き、塗装面に光沢を出します。

4. 深い傷や塗装剥がれがある場合の対処

コンパウンドだけでは消せない深い傷や塗装剥がれがある場合、タッチアップペイントを併用して修理する必要があります。タッチアップペイントは、塗装が剥がれて下地が露出している部分に、塗料を塗り直すことで傷をカバーする方法です。

• 手順：

  1. まず、塗装が剥がれた部分を洗浄し、乾燥させます。
  2. 車の色に合ったタッチアップペイントを塗ります。塗りすぎないように薄く、複数回に分けて塗り重ねます。
  3. ペイントが完全に乾燥したら、コンパウンドで軽く磨き、塗装面を整えます。
  4. 仕上げにワックスやコーティングを施して、塗装を保護します。

• 費用の目安：

  • タッチアップペイントの価格は1,500円〜3,000円程度です。

コンパウンドの選び方

コンパウンドには、さまざまなメーカーや粗さの製品があります。傷の深さや修理範囲に応じて、適切なコンパウンドを選ぶことが重要です。

• 粗目コンパウンド：深めの傷や大きな擦り傷を修復する際に使用します。最初に粗目で傷を削り、その後細かいコンパウンドで仕上げます。
• 中目コンパウンド：中程度の傷や、粗目で削った後の仕上げに使用します。使いやすく、広範囲に適しています。
• 細目コンパウンド：軽い傷や表面のツヤ出しに最適です。細かい傷を目立たなくするために使用し、最終仕上げとしても使います。

コンパウンド使用時の注意点

コンパウンドは、正しい方法で使用すれば非常に効果的ですが、いくつかの注意点を守ることで失敗を避けられます。

• 強く磨かない：強い力で磨くと、塗装自体が削れすぎてしまい、逆に目立つダメージを与えることがあります。優しく磨くことが大切です。
• 作業範囲を限定する：コンパウンドで磨く範囲を必要最小限にとどめましょう。広い範囲で磨きすぎると、塗装の厚みが均一でなくなることがあります。
• 頻繁に使わない：コンパウンドは塗装を削るため、頻繁に使用すると塗装が薄くなり、車の保護機能が低下します。

プロに依頼する場合の費用

軽い擦り傷ならコンパウンドでのDIY修理が効果的ですが、自分では対応できない深い傷や広範囲のダメージがある場合、プロに修理を依頼することも選択肢の一つです。特に大きな凹みや塗装の大規模な剥がれは、専門業者に任せる方が安心です。

• 費用の目安：
  • 軽い擦り傷の修理：5,000円〜2万円程度
  • 大きなへこみや塗装剥がれの修理：3万円〜10万円程度

まとめ

車を擦った際、コンパウンドを使った修理は、表面の軽い傷を簡単に目立たなくするための有効な方法です。正しい手順でコンパウンドを使えば、DIYで傷を目立たなくし、車の外観を維持することが可能です。深い傷や塗装が剥がれた場合は、タッチアップペイントを併用するか、専門業者に依頼して修理するのがベストです。