車のエンジンがかからない・セルが回らない原因と対策

エンジンがかからない場合、セルモーターが回るかどうかで原因が異なります。セルが全く回らない場合は、バッテリーや電気系統のトラブルが疑われます。本記事では、エンジンがかからず、セルモーターも回らない原因とその対処法について詳しく解説します。

セルが回らないときの主な原因

バッテリーの劣化や放電

セルモーターが回らない場合、最も多い原因がバッテリーの劣化や放電です。電力が不足していると、セルモーターが動かず、エンジンを始動できません。

症状：インジケーターランプが暗い、もしくは点灯しない。キーを回しても無反応。
対策：バッテリー電圧を確認し、12.4V以下であれば充電や交換を検討しましょう。救援車を使ってジャンプスタートするのも有効です。

バッテリー端子のゆるみや腐食

バッテリーが正常でも、端子部分が緩んだりサビや腐食で接触不良を起こしていると電流が流れず、セルモーターが回りません。

症状：エンジンが不安定にかかる、セルが一瞬動いて止まる。
対策：バッテリーの端子を確認し、腐食がある場合はワイヤーブラシで清掃しましょう。端子が緩んでいたら、しっかり締め直してください。

スターターモーターの故障

スターターモーターは、エンジンを始動させるためにクランクシャフトを回転させる部品です。経年劣化や内部部品の摩耗により、故障することがあります。

症状：キーを回しても無音、もしくはカチッという音がするだけでセルが回らない。
対策：スターターモーターを叩くと一時的に回復することもありますが、根本的な解決には交換が必要です。整備工場で点検を受けましょう。

イグニッションスイッチの不良

イグニッションスイッチが故障すると、キーを回しても電流がスターターモーターに届かないため、セルが回らなくなります。

症状：キーを何度か回すとまれにセルが回るが、動かないことが多い。
対策：イグニッションスイッチの交換が必要になるため、専門店での修理を検討しましょう。

イモビライザーの誤作動

車に搭載されているイモビライザー（盗難防止装置）が正常に解除されない場合、セルモーターへの通電がブロックされます。

症状：キーやエンジンスタートボタンが無反応で、イモビライザーの警告灯が点灯する。
対策：スペアキーを試したり、再度ドアのロックを解除し直してから始動してください。それでも解決しない場合はメーカーに問い合わせましょう。

ヒューズの断線

スターターモーターや電気系統を守るためのヒューズが断線していると、セルモーターへの電流が遮断されます。

症状：インジケーターが点かず、完全に無反応。
対策：ヒューズボックスを確認し、切れているヒューズがあれば同じ規格のものに交換しましょう。

シフトレバーの位置不良（オートマ車の場合）

オートマ車では、シフトレバーが「P（パーキング）」または「N（ニュートラル）」にないとエンジンが始動しない設計になっています。

症状：セルが回らず、メーターにシフトレバーの警告が表示される。
対策：シフトレバーを「P」か「N」にしっかり入れ直し、もう一度エンジンをかけてみましょう。

セルが回らないときの応急処置

ジャンプスタートで応急対応する

バッテリーが原因の場合、救援車を使ってジャンプスタートを試みるとエンジンがかかることがあります。

救援車とバッテリー上がりの車を近づけ、ジャンプケーブルを接続します。
救援車のエンジンをかけ、数分待ってから上がった車のエンジンをかけます。

スターターモーターを軽く叩く

スターターモーターの内部接点が不良の場合、軽く叩くことで一時的に動くことがあります。エンジンルーム内のスターターモーターを見つけ、金属棒などを使って軽く叩いてから始動を試みましょう。

セルが回らない状態を防ぐための予防策

定期的にバッテリーを点検する：電圧チェックを行い、寿命が近い場合は早めに交換しましょう。
端子の清掃をこまめに行う：バッテリー端子にサビが付かないよう、年に数回点検と清掃を行いましょう。
スターターモーターの寿命に注意：スターターモーターは5〜7年が寿命とされているため、異常を感じたら早めに点検・交換を行いましょう。
ヒューズの状態を確認する：定期点検の際にヒューズボックスをチェックし、断線がないか確認します。
電装品の使い方に注意する：エンジン停止中に電装品を長時間使うと、バッテリーが上がる原因になります。

まとめ

セルモーターが回らない場合、原因としてバッテリーの劣化、スターターモーターの故障、イモビライザーの誤作動、ヒューズの断線などが考えられます。まずはバッテリーや端子の状態を確認し、ジャンプスタートで応急処置を試みましょう。原因が分からない場合は、整備工場での点検をおすすめします。日頃からのメンテナンスを心がけることで、エンジントラブルを未然に防ぐことができます。