バッテリーが原因で車検に通らないケースと対策

車検では、車両の安全性や法規制に基づいた基準が満たされているかを確認します。通常、バッテリーの劣化や不具合が直接の理由で車検に不合格になることはありませんが、バッテリーの状態が悪いと、間接的に車検に通らない原因になる可能性があります。この記事では、バッテリーの不具合が車検に与える影響とその対策について解説します。

バッテリー不良が車検に影響するポイント

1. エンジンがかからない場合

車検ではエンジンの始動が必要です。バッテリーが劣化してエンジンがかからない場合、検査そのものが進められず、車検に通らない可能性があります。

車検時にエンジンをかけられないと、整備士による排ガス検査や電装品の点検が行えません
バッテリー上がりで再検査が必要になると、追加の費用や手間がかかります

2. 電装品が正常に作動しない場合

車のバッテリーは、ヘッドライト、ウインカー、ホーン、ワイパーなどの電装品にも電力を供給します。バッテリーの不具合があると、これらの動作が不安定になり、車検での確認項目に影響します。

ヘッドライトが暗い、ウインカーが点滅しないなどの不具合は不合格の対象です
ワイパーやホーンの動作不良も検査基準に抵触します

3. アイドリングストップ機能の不調

アイドリングストップ機能搭載車のバッテリーは、通常のバッテリーよりも頻繁に充放電を行います。バッテリーが劣化してアイドリングストップが正常に作動しない場合、車検時に点検項目で問題になる可能性があります。

4. バッテリー端子の腐食や接触不良

車検では、エンジンルーム内の点検も行われ、バッテリー端子に腐食や白い粉が付着していると、接触不良が起きていると判断されることがあります。

端子の腐食は、電気供給の不安定さやエンジン始動の不具合につながります
点検時に腐食が見つかった場合は、再清掃や整備が必要になることもあります

車検に通るため4つのバッテリー管理方法

1. 車検前に電圧を測定する

車検前にバッテリーの状態を確認するため、バッテリーチェッカーを使って電圧を測定します。エンジン停止時の電圧が12.5V以上であれば正常ですが、12Vを下回っている場合は交換を検討しましょう。

バッテリーが2年以上使用されている場合、劣化している可能性が高いです
電圧が不安定な場合、整備工場で点検を依頼するのも効果的です

2. メンテナンス充電器で事前充電する

車検直前にバッテリーの状態が不安な場合は、メンテナンス充電器で充電しておくと良いでしょう。これにより、エンジン始動時のトラブルを防げます。

普段あまり乗らない場合も、充電器でバッテリーの寿命を延ばせます
特に冬場はバッテリーが放電しやすいため、事前充電が効果的です

3. バッテリーの端子を清掃する

車検前にバッテリー端子をターミナルクリーナーで清掃し、接触不良を防ぎます。清掃後にグリスを塗布すると、再腐食を防げます。

端子の汚れや腐食は、バッテリー性能を低下させる原因になります
清掃後のグリスは電流の流れをスムーズにし、安定した電力供給を保ちます

4. バッテリー交換を検討する

車検前にバッテリーの状態が悪いと感じたら、早めの交換を検討するのが無難です。車検後すぐにバッテリー上がりを起こすと、追加の整備や費用が発生します。

車種に合った適正なバッテリーを選ぶことが大切です
車検時の整備でバッテリー交換を依頼すると、工賃が割安になる場合があります

バッテリー交換にかかる費用の目安

軽自動車：7,000～15,000円
普通車（ガソリン車）：10,000～25,000円
アイドリングストップ車：20,000～40,000円
ハイブリッド車の補機バッテリー：30,000～80,000円

車検時にディーラーや整備工場で交換すると、純正品を使用するため費用がやや高めになります。ネットでバッテリーを購入し、持ち込み交換を依頼することで費用を抑えることも可能です。

まとめ

バッテリー自体が車検不合格の直接原因になることはありませんが、エンジンがかからない、電装品が正常に動作しないといった不具合があると車検に通らない可能性があります。車検前にはバッテリーの状態をしっかり点検し、必要に応じて交換や充電を行いましょう。また、バッテリー端子の清掃やメンテナンスを行うことで、車検をスムーズに通過し、安心して車を使い続けられます。