廃車で税金が返金される場合の仕組みと手続き方法

車を廃車にすると、未使用期間分の自動車税や重量税が返金されることがあります。この返金制度を利用するには、適切な手続きを行う必要があります。この記事では、廃車時に返金される税金の種類、返金額の計算方法、手続きの流れについて解説します。

廃車で返金される税金の種類

1. 自動車税（種別割）

自動車税は毎年4月1日時点の所有者に課される税金です。廃車した時点から未使用分の月割りで返金されます。

返金条件

永久抹消登録または輸出抹消登録を行った場合のみ返金対象。
一時抹消登録では返金対象外。

返金額の計算例

年間税額: 39,500円（普通車1,500ccの場合）
廃車月: 6月（翌月7月以降が未使用期間）
未使用期間: 9か月
計算式: 39,500円 ÷ 12 × 9 = 29,625円（返金額）

2. 自動車重量税

重量税は車検時に前払いする税金で、廃車した場合に未使用分が返金されます。

返金条件

永久抹消登録を行った場合のみ返金対象。
一時抹消登録では返金されません。

返金額の計算例

前払い重量税: 24,600円（2年間分）
廃車月: 車検残存期間が6か月
計算式: 24,600円 ÷ 24 × 6 = 6,150円（返金額）

3. 軽自動車税

軽自動車税は月割りの返金制度がありません。年度途中で廃車しても、税金は返金されません。

4. 自賠責保険

自賠責保険は税金ではありませんが、廃車後に未使用分の保険料が返金されます。

返金条件

保険期間が残っている場合、保険会社に解約申請を行う。

返金額の計算例

保険料: 27,500円（24か月分）
残存期間: 10か月
計算式: 27,500円 ÷ 24 × 10 = 11,458円（返金額）

税金返金の手続き方法

自動車税・重量税の場合

永久抹消登録を行う
運輸支局で車を解体した証明（解体証明書）を提出し、永久抹消登録を実施します。
還付通知を受け取る
自動車税は都道府県税事務所から、重量税は運輸支局での手続き後に通知が届きます。
還付金を受け取る
還付通知に基づき、指定口座に未使用分が振り込まれます。

自賠責保険の場合

廃車証明書を取得
永久抹消登録後に発行される証明書が必要です。
保険会社に解約申請を行う
廃車証明書と保険証券を提出し、未使用分の返金手続きを進めます。
返金を受け取る
解約後、未使用期間分が返金されます。

税金返金を受け取る際の3つの注意点

1. 返金対象は名義人のみ

税金や保険料の返金は、車の名義人に対して行われます。名義変更や住所変更がある場合は、事前に修正手続きを済ませておきましょう。

2. 還付までの期間

自動車税: 手続き完了後、1〜2か月程度。
重量税: 約2か月以内。
自賠責保険: 解約後、1〜2週間程度。

3. 軽自動車の税金は返金されない

軽自動車税は返金制度がありません。廃車手続きが年度内に完了しても、その年度分の税金は還付されないため注意が必要です。

よくある質問

廃車手続きを代行した場合、還付金はどうなる？

代行業者を利用した場合でも、還付金は車の名義人に直接支払われます。ただし、代行料金が差し引かれる場合があるため事前に確認してください。

廃車手続きが遅れると還付額はどうなる？

還付額は月割りで計算されるため、廃車手続きが遅れるほど返金額は少なくなります。早めの手続きを心がけましょう。

還付金が受け取れない場合はどうすればいい？

還付通知が届かない場合や振り込みが確認できない場合は、都道府県税事務所または運輸支局に問い合わせてください。

まとめ

車を廃車すると、自動車税や重量税、自賠責保険の未使用分が返金される可能性があります。ただし、永久抹消登録が条件となるため、解体証明書の提出や適切な手続きが必要です。軽自動車税には返金制度がないことも注意しましょう。スムーズな返金を受け取るために、手続きの流れを理解し、早めに準備を進めることが大切です。