廃車とスクラップの違いとは？手続き方法を解説

車を処分する際、「廃車」と「スクラップ」という言葉をよく耳にしますが、これらの違いについて明確に理解している人は少ないかもしれません。本記事では、廃車とスクラップの違いを詳しく解説し、それぞれの手続き方法や注意点について紹介します。

廃車とスクラップの違い

廃車とは？

廃車とは、車両の登録を抹消し、公的に車の所有権や使用を終了させる手続きのことです。廃車には「一時抹消登録」と「永久抹消登録」の2種類があり、車を今後使用するかどうかで手続きが異なります。

一時抹消登録
車を一時的に使用しない場合に行う手続き。再登録すれば再び使用できます。
用途：長期間保管する場合や、海外輸出を予定している場合。
永久抹消登録
車を完全に解体・処分する際に行う手続き。一度抹消すると再登録はできません。
用途：車が老朽化した場合や修理不能になった場合。

スクラップとは？

スクラップとは、車両を解体して素材や部品をリサイクルすることを指します。車をスクラップにすること自体には法律的な手続きは含まれませんが、解体業者での解体証明書が「永久抹消登録」に必要です。

解体の流れ
車両を解体業者に引き渡し、金属や部品を分別してリサイクルします。
スクラップの目的
環境負荷を軽減し、リサイクル可能な資源を有効活用すること。

廃車とスクラップの関係

廃車手続きとスクラップ処分は、車を完全に処分する際にはセットで行われることが一般的です。

スクラップ処分
車両を解体業者で処分します。この際、業者から「解体証明書」が発行されます。
永久抹消登録
解体証明書をもとに、運輸支局で車両の登録を抹消します。この手続きで正式に車両の所有権が終了します。

廃車とスクラップの手続きの違い

廃車の手続き

廃車手続きは、車両の登録を抹消するために必要です。運輸支局や市区町村の窓口で手続きが行われます。

必要書類
車検証、ナンバープレート、リサイクル券、印鑑（認印）、解体証明書（永久抹消登録の場合）。
手続き窓口
車両の種類や排気量によって異なります。
- 軽自動車：軽自動車検査協会
- 普通車：運輸支局
- 原付：市区町村役場

スクラップの手続き

スクラップ処分自体に公的な手続きは不要です。認可を受けた解体業者に車を引き渡すことで完了します。

必要事項
車両の引き渡しと解体費用の支払い（場合によっては無料やプラス査定になることも）。
解体後に発行される解体証明書は廃車手続きで必要です。
選ぶポイント
解体費用やサービス内容が業者によって異なるため、複数の業者を比較するのが良いでしょう。

廃車とスクラップの費用の違い

廃車にかかる費用

廃車手続きの費用は主に運輸支局での手数料や、代行手数料が発生します。

手続き費用の目安
- 自分で手続き：350円（抹消登録手数料）
- 業者に依頼：5,000円〜20,000円

スクラップにかかる費用

解体費用や運搬費用が発生しますが、車両の状態や業者の条件によっては無料になることもあります。

費用の目安
- 解体費用：5,000円〜20,000円
- 運搬費用：5,000円〜15,000円
ポイント
部品のリサイクル価値が高い場合、買取価格がプラスになるケースもあります。

廃車とスクラップをスムーズに進めるポイント

信頼できる業者を選ぶ
認可を受けた解体業者を利用することで、不正処分のリスクを防ぎ、適切にスクラップ処分を行えます。
書類を正確に揃える
廃車手続きでは書類不備が手続きの遅延につながるため、事前に必要書類を確認しましょう。
還付金を確認する
廃車後に自動車税や重量税、自賠責保険料の還付を受けられる場合があります。申請を忘れずに行いましょう。

注意点

スクラップだけでは廃車手続きは完了しない
車両を解体しただけでは所有権は残ったままです。運輸支局での抹消登録が必要です。
リサイクル料金の確認を忘れない
リサイクル料金が未払いの場合、解体時に追加費用が発生することがあります。
車内の確認を徹底する
車内に私物が残っていないか確認してください。一度スクラップ処分されると取り戻せません。

まとめ

廃車とは、車両の登録を抹消する手続きであり、スクラップとは車を解体してリサイクルする処分のことを指します。この2つはセットで行われることが一般的であり、解体証明書をもとに永久抹消登録を行うことで車両の所有権が終了します。信頼できる業者を選び、書類を正確に準備することでスムーズに手続きを進めることができます。税金や保険料の還付申請も忘れずに行い、無駄のない車処分を目指しましょう。