シリコンスプレーは潤滑作用があるため、鍵穴に使おうと考える方が多いようです。
しかし、鍵穴への使用は想定されていないので、使い続けるとトラブルを引き起こす可能性が高いです。

ここではシリコンスプレーの特徴、鍵穴に使用できる専用スプレー、スプレーがない場合の代替案などについて説明しています。

鍵穴のシリコンスプレーとは？

シリコンスプレーにはシリコンオイルが含まれており、潤滑油や錆止めとしてよく活用されています。
動きが鈍くなったクローゼット、カーテンレールなどによく使用されており、DIYに欠かせないアイテムの一つです。

即効性があるため、鍵穴が入りにくい、回りにくいという状況で使用する人も少なくありません。
しかし、シリコンスプレーは鍵穴用ではないため、使用を続けるとさらに鍵穴が回りにくくなります。

鍵穴のシリコンスプレーは存在しない？

鍵穴にシリコンスプレーを使用したら、鍵の抜き差しが格段に楽になったという話は少なくありません。
シリコン成分には金属の摩擦を滑らかにする働きがあるためですが、鍵穴に関しては長い目で見ると逆効果になります。

鍵穴のシリコンスプレーと呼ばれるものは、シリコン素材を含まない鍵穴専用スプレーや鍵穴潤滑剤などを指しています。
鍵の潤滑目的でスプレーを購入するときは、商品概要の用途欄で鍵穴に使用できるか確認しておきましょう。

鍵穴用スプレーのランキングサイトで紹介されている商品なら、どれを選んでも間違いはありません。

鍵穴にシリコンスプレーを使うとどうなる？

鍵穴に特化したスプレーではないため、使い続けると動作不良を引き起こします。
鍵が以前より回りにくくなる、抜き差しするときに重たくなる、などの症状が生じるのです。

例えば、半固体・半流動性を備えた潤滑油のグリスは、ほこりや異物と混じることで頑固な汚れになります。
シリコンスプレーもグリスほどではありませんが、それと似た性質を持っているのです。

シリコンスプレーを使い続けると？

シリコンオイルと汚れが混じって固まると、鍵穴が少しずつ狭くなっていきます。
スプレーした直後は作動が滑らかになりますが、時間の経過に伴って以前よりも症状が悪化します。

ここで絶対にやってはいけないのが、再びシリコンスプレーを使用してしまうことです。
最悪のケースでは鍵がまったく回らなくなり、鍵の修理業者を呼ばないと開錠ができなくなる可能性があります。

鍵穴の汚れを除去するには

鍵穴の内部に詰まったほこりを洗浄・除去するには、パーツクリーナーが役立ちます。
パーツクリーナーはシリコンスプレーと相反する性能を持ったケミカルです。

これを鍵穴にスプレーして、垂れてきた液剤をウエスなどで拭き取りましょう。

鍵穴にシリコンスプレー以外に使えるものとは？

鍵穴専用と記載されたスプレーを使用すれば間違いありません。
こちらは鍵穴に汚れを吸着させることなく、潤滑作用を発揮できるものです。

鍵穴専用商品は先端のノズルが、鍵穴に挿入しやすい設計になっています。
価格は一般的な潤滑剤よりも高く、また内容量が少ないですが、鍵穴にだけ使用することを考えれば十分な量です。

鍵穴に使えるスプレーがない場合は？

鍵の側面に鉛筆をこすりつけると、鍵が回りやすくなります。
鉛筆の芯には黒鉛が含まれており、これはグラファイトや石墨などとも呼ばれています。

黒鉛には油分が含まれませんが、潤滑機能があるため鍵穴に使用できるのです。
鍵の回りが極めて悪くなっている場合は、鉛筆の芯だけを削って鍵穴に少量入れて、それから鍵を回してみる方法がおすすめです。

定期的なメンテナンスを

鍵穴は急に回らなくなることは滅多にありません。
少しずつ動きが鈍くなっていくので、それを実感したタイミングで対策をしましょう。

鍵が回りにくい状態を放置しておくと、鍵を回すために鍵穴と鍵に負担をかけることになります。
鍵穴の汚れを除去するためには、エアダスターや掃除機などが役立ちます。

まとめ

シリコンスプレーは鍵穴には使用できません。
潤滑剤としての働きは期待できる一方で、あくまでも一時的な効果に留まります。

使い続けると鍵穴を壊す原因になるため、必ず鍵穴用のスプレーを使用してください。
家庭にあるアイテムでは、鉛筆が潤滑剤として役立ちます。