からくり錠は、長い歴史を持つ錠前の一種です。
日本では江戸時代頃に発展したとされており、古いながらも高い防犯性を備えています。

本記事で解説する主な内容は以下のとおりです。

・からくり錠の特徴
・からくり錠など錠前の歴史
・時代とともに発展している錠前について

からくり錠の特徴や歴史について紹介します。
また、現代の錠前の凄さも解説しますので、興味がある方はぜひご覧ください。

からくり錠とは？

からくり錠は、主に江戸時代頃に作られた錠前のことをいいます。
文字通りからくりが施されており、中には高度な解錠技術を必要とするものもあるほどです。

現在は骨董品として珍重されていますが、防犯性の高さは現代に通じるものがあります。
ただ、解錠難易度は非常に高いため、壊さずに開けられるのは一部のプロのみでしょう。

精巧な作りで防犯性が高い

からくり錠は非常に精巧な作りをしており、一般的な錠前と比較しても防犯性が高めです。
さまざまな種類がありますが、そのほとんどは精巧かつ複雑に作られています。

例えば鍵穴を隠しているものや、解錠に複数本の鍵を用いるものなどがあります。
他にも多彩なバリエーションがあり、高度な技術が取り入れられているのが特徴です。

容易には解錠できない

からくり錠は構造が複雑なため、簡単には解錠することができません。
江戸時代からすでに数百年経過していますが、当時の技術力の高さには目を見張るものがあります。

そのため、鍵開けのプロなど専門的な解錠技術がなければ、きれいに解錠することは困難です。
ただし、鍵開けのプロであっても苦戦するほどですので、知識・技術がないと解錠はほぼ不可能でしょう。

からくり錠だけではない！錠前の歴史

日本では江戸時代頃に発展したからくり錠ですが、世界には他にもさまざまな錠前があります。
また、錠前そのものの歴史も古く、現在から数千年前には存在したといわれています。

紀元前数千年には鍵が存在した

錠前のルーツとされる鍵が誕生したのは古代エジプト時代です。
現在から約6,000年前には、木製の錠前が使用されていました。

当時の錠前は、いわゆるカンヌキ錠に近い構造で、ピンの構造もあったそうです。
シンプルな構造ですが、ピンが合わないと解錠できないため、防犯性はかなり高かったと考えられます。

その後錠前はヨーロッパを中心に発展を続け、金属のウォード錠やタンブラー錠などが誕生しました。

中国から日本に「海老錠」が伝わった

古代エジプト時代に誕生した錠前ですが、日本では海老錠（えびじょう）と呼ばれる鍵が用いられてました。
飛鳥〜奈良時代にかけて中国から伝来したもので、ツルの部分を扉に引っ掛けて使用します。

しかし、当時の庶民が暮らす家では、そもそも鍵をかける習慣がなかったそうです。
海老錠は、豪族や貴族など上位階級の人々が財産を守るために使われるのみにとどまったとされています。

進化し続ける錠前！

非常に長い歴史を持っている錠前ですが、当時から様変わりしているといっても過言ではありません。
特に最新技術を駆使した鍵が多数生まれており、中には物理的な鍵を必要としない錠前もあります。

時代とともに防犯性が高まっている

昔と比べて防犯意識が高まった現代では、時代とともに錠前の防犯性も高まっています。
その代表例として挙げられるのがディンプルキーでしょう。

ディンプルキーは表面にランダムな凹みがあり、数億〜数兆ものパターンがあります。
製品によって異なるものの、他の鍵と比べて防犯性が高めです。

このほか、専用カードを用いるカードキーなど、昔にはなかったものも登場しています。

テクノロジーを駆使した錠前も

また、技術の発展に伴ってITなどのテクノロジーを活かした錠前も登場しています。
代表的なものは以下のとおりですが、いずれも防犯性が高く、一部は物理的な鍵も必要ありません。

・リモコンキー・スマートキー
・暗証番号式の錠前
・指紋など生体認証

スマートキーや生体認証など、いずれも技術の発展とともに誕生した鍵の種類です。
いずれも高度な防犯性を持ちながらも、解錠自体は容易という特徴があります。

まとめ

江戸時代に発展したからくり錠は、さまざまなギミックを施して解錠を困難にしています。
非常に防犯性が高く、現代の鍵開けのプロですら解錠が困難なものも少なくありません。

一方で錠前は時代とともに発展しており、物理的な鍵が不要な錠前も登場しています。
今後も技術の発展に伴って、さまざまな錠前が生まれることでしょう。