鍵が開かないときの対処として「開錠」と「解錠」という言葉が使用されますが、その違いを明確に理解している人は意外と少ないかもしれません。
この記事では、これらの用語の違いについて詳しく説明し、さらに、業者に依頼する際の注意点についても解説します。

開錠と解錠の違いとは

「開錠」と「解錠」は、どちらも「かいじょう」と読み、鍵を開ける行為を意味しています。
それぞれの違いは、鍵を開けるまでの手順です。

開錠は、あらゆる手段を用いても鍵を開けることを指します。
緊急性が高い場合や従来の技術では対応できない場合に、鍵を壊してでも開けるのが特徴です。

一方、解錠は鍵を壊さずに開ける方法です。
専用の道具を使用してピッキングやサムターン回し、バンピングなどの手法を用いて施錠された鍵を開けます。

一般的な鍵で特別な状況でなければ、業者は解錠で対応することが多いです。

開錠・解錠のメリット・デメリット

鍵を紛失したり、シリンダーが故障したりなどのトラブルにより、業者に鍵開けを依頼するケースがあります。
開錠と解錠にはそれぞれメリットやデメリットがあるので、状況に応じて選ぶことが大切です。

開錠のメリット

鍵を開けるためには手段を選ばないため、解錠よりも比較的早く鍵を開けられるのがメリットです。
安全上の理由で即座に扉を開ける必要がある場合や、高度なセキュリティの鍵で解錠が難しい場合などは、専用工具を使って鍵を壊した方がスピーディーに解決できます。

とくに防犯性の低い鍵は壊しやすいため、開錠が早く行えます。

開錠のデメリット

鍵を壊して開錠する場合、鍵が使い物にならなくなるため、元通りに戻すための費用が必要になります。
そのため、解錠に比べて費用が高くなるのがデメリットです。

鍵を壊す過程では、鍵だけでなくドアやガラスなどが損傷を受ける可能性もあるため、予想外の出費が発生するリスクも考慮しておく必要があります。

解錠のメリット

車のインロックのように鍵が手元にないけれど見つかる可能性がある場合や、鍵穴自体にさびや汚れなどの問題がない場合は、できるだけ解錠を選択するのがおすすめです。
解錠のメリットは、鍵を開けた後もその鍵を使えるため、鍵を壊すよりも費用が安く済みます。

特に、南京錠やピンシリンダーなどのシンプルな仕組みの鍵開けなら、鍵開け業者がピッキングやバンピングなどの方法で素早く解錠できます。

解錠のデメリット

鍵穴の汚れやさびによって開かない場合や、ディスクシリンダーやロータリーディスクタンブラー錠などの防犯性の高い鍵の場合は、解錠が難しく時間がかかることがデメリットです。
解錠に時間がかかる場合、待ち時間が増えるだけでなく追加で費用が発生する可能性があります。

安否確認などスピーディーな対応を求める場合には不向きです。
さらに、鍵の状態によっては、工具を使って鍵穴を壊すしか開ける方法がない場合がある点も考慮しておきましょう。

開錠・解錠を業者へ依頼する時の注意点    

業者に鍵開けを依頼する際には、開錠と解錠のどちらを希望するのか明確に伝えることが重要です。
鍵を壊すか否かという大きな違いがあるため、どちらの方法を希望するのかはっきりと伝えましょう。

業者によっては壊して開ける開錠にしか対応できない場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
また、賃貸物件に住んでいる場合は、勝手に鍵を破壊することでトラブルを引き起こす可能性があります。
鍵を紛失したらすぐに管理会社か大家さんに連絡し、指示を仰ぐことが大切です。

鍵開けの費用は業者やトラブルの程度により大きく異なるため、複数の業者から見積もりを取ることが大切です。
価格だけでなく、サービス内容や信頼性も含め比較検討しましょう。

まとめ

「開錠」と「解錠」は、鍵を開けるという同じ目的を表す言葉ですが、鍵を壊すか壊さないかという手段が異なります。
業者に依頼する際は、後々のトラブルを避けるためにも、この点をはっきりと伝えることが重要です。