「グレモン錠」という名前はあまり耳慣れないかもしれませんが、実は住宅用の錠前として広く利用されているタイプです。
この記事では、グレモン錠の特徴や種類、導入するメリットについて紹介します。

グレモン錠の特徴をおさえて、交換先の鍵として検討してみてください。

グレモン錠とはどんな鍵？

グレモン錠は、レバーハンドルと錠前が連動しているタイプの錠前です。
レバーハンドルがロックの役割も果たすため、一般的な鍵とは異なりシリンダーがありません。

鍵を差し込んで回す必要がなく、施錠する際にはレバーを回すだけで済みます。
そのシンプルな構造と高い気密性や頑丈さから、住宅の窓だけでなく工場やビル、機械室や音楽教室などでも広く活用されています。

とくに衝撃や防音性が求められる環境では、信頼される錠前です。

グレモン錠の種類とは？

グレモン錠にはさまざまな種類があります。
安全対策をより確実にするためや、交換を具体的に検討するために、主要なタイプについて把握しておくことが重要です。

ロッドコントローラー

通常は1つの鍵に対し1つの場所でしか機能しないようになっていますが、ロッドコントローラーは、ほかのグレモン錠と連動させることで遠隔操作を可能にします。
たとえば、体育館の窓や天井近くの窓など手の届かない場所や数が多い窓は、直接施錠・解錠するのが難しいです。

このような場合にロッドコントローラーを利用すれば、1つの場所での操作だけで全ての窓をまとめて開閉できます。
さらに、開閉と同時にロックすることも可能です。

錠前取り付け式

グレモン錠は利便性が高く、操作もシンプルですが、シリンダーがないため防犯面に不安を感じることもあります。
この不安を解消するために有効なのが錠前取り付け式です。

このタイプは、グレモン錠に加えて別の種類の鍵を追加で取り付けられるのが特徴です。
これにより、グレモン錠の利便性を維持しつつ、防犯性を向上させることができます。

防犯が重要な場所では、錠前取り付け式のグレモン錠を選択することがおすすめです。

クレセント錠

住宅のアルミサッシ用の窓に取り付けられるグレモン錠の一種がクレセント錠です。
指を添えて動かすつまみ部分と、半円形の金具が一体化しており、その金具が三日月形(クレセント)をしていることから名前が付けられました。

窓の接面を引き寄せて施錠する構造であり、これにより部屋の密閉性が高まります。
その結果、遮音性が向上し、室内の気温を一定に保つ効果も期待できます。

ただし、防犯面では不安があるため、補助錠を取り付けるのがおすすめです。

グレモン錠を導入するメリット

グレモン錠を使用すると、レバーハンドルで扉を強くロックできるため、部屋の密閉性が向上します。
これにより防音性や遮音性、防振性が向上し、大きな音や継続的な機械音にも効果的に対応できるのがメリットです。

また、グレモン錠は頑丈で単純な構造なので、耐久性が高く壊れにくいというメリットもあります。
アンティークなデザインのものを取り付ければ、インテリアとしてもおしゃれな空間を演出できる点も魅力です。

ただし、グレモン錠のデメリットとしては、防犯性の低さが挙げられる点も考慮しておくことが大切です。
レバーハンドルの操作だけで開閉が可能なため、窓の錠の周囲の窓ガラスを破られると、鍵が簡単に開いてしまう可能性があります。

また、シンプルな構造ゆえに、窓を揺さぶるなどの衝撃を与えると、錠が外れて解錠される可能性もあります。

まとめ

グレモン錠はシンプルな構造でありながら、部屋の密閉性を高め、防音性を向上させます。
しかし、防犯性が低いため、玄関ドアに使用する際は追加のシリンダー錠が必要です。

導入する際には、メリットだけでなくデメリットも把握したうえで検討しましょう。