キッチンの排水口は、非常に詰まりやすい性質があります。そこで、定期的に詰まりを予防・解消する必要がありますが、使用する洗剤選びを誤ると逆効果になるので要注意です。

この記事では、キッチン詰まりの正体、詰まり解消に特化した洗剤の使い方と注意点について解説していきます。

キッチンが詰まる原因は何？

固形物を流した記憶が一度もないのに、キッチンが詰まったという声は少なくありません。こうした場合は固形物ではなく、排水管に汚れが堆積していると考えられます。

部屋の掃除をサボると汚れが落ちにくくなり、結果的にこまめに掃除をする人よりも、掃除に時間と労力を費やすことになります。これは、キッチンの排水管の清掃にも言えることです。

詰まる原因の多くは油

動物性脂肪のラードは、高温では液体の状態ですが、冷えてくると固まって固形になります。これと同じような現象がキッチンの排水管内でも起こっているのです。

私達は食材を調理するとき、油を使用することが多いでしょう。食べ終わった皿にも油が付着しており、皿を洗うときに油を落とし、それを排水口に流しています。

こうした油は、排水管内を進むにつれて温度が低くなり、やがて固まって管内に付着してしまうのです。そして表面がべたべたになると、そこに洗剤や細かい食材の残りなどが付着し、さらに管を細くしていくわけです。

キッチンの流れが悪い時の洗剤の使い方

洗剤は排水管の詰まりを取り除くと思われがちですが、普通の洗剤では逆効果になります。そこで、排水管洗浄に特化したパイプクリーナーの出番です。アルカリ剤の水酸化ナトリウムを含むため、油汚れ・ぬめりなどの酸性の汚れに対して効果を発揮します。

液体のパイプクリーナーの使い方

キッチンの排水口に目安量を投入してください。詰まりを解消する場合は、詰まり・ニオイの予防、ぬめりの除去と比べて使用量が多くなります。

注いでから指定の時間放置し、最後に水で洗い流して完了です。十分な効果を発揮させるコツは、必要量を投入すること、放置時間を守ることです。

使用量が少ないと頑固な汚れに勝つことができません。また、放置時間が短すぎても、汚れが十分に落ちないので注意しましょう。

逆に放置時間が長すぎると、除去された汚れが蓄積し、それが管内で詰まりを引き起こす可能性があります。そのため、説明書に記載されている使い方を必ず守ってください。

粉末のパイプクリーナーもある

こちらは液体タイプより洗浄力が強いですが、多くは業務用に指定されており、一般の方は簡単には入手できません。粉末は指定量をキッチンの排水口のまわりに撒いて、それから温水を適量流し、薬剤を溶かしながら排水管まで成分を届けていきます。

それから指定の時間放置し、最後に大量の水を流し込んで完了です。

キッチンの詰まりに洗剤を使う際の注意点

頑固なキッチンの詰まりを解消するための洗剤は、人体にも相応の影響があります。皮膚や粘膜に触れると強い刺激を感じるため、特にパイプクリーナーなどの刺激性の強い洗剤は、素手で触れないようにしましょう。

また薬剤の成分を吸入してしまう可能性もあるので、特に業務用の洗剤を使用するときは、口と鼻も保護しておく必要があります。マスクやゴーグルを着用し、さらに換気をして空気の流れが滞らないようにしてください。

正しく使用することが鉄則

取扱説明書に記載されている通りに使用しましょう。間違った使い方をすると、逆に詰まりを重症化させる可能性があります。

例えば、液剤を投入して必要な時間放置したら、そこで水を流す必要があります。ここで水を流すタイミングを遅らせると、せっかく溶けた汚れが再度固まってしまうのです。

また効果をより高めようとして、指定量を超えて使用した場合は、排水管を傷める可能性があります。最悪のケースでは管を変形させてしまい、交換を余儀なくされることもあります。

他の洗剤と混合しないこと

パイプクリーナーは必ずそれ単体で使用し、他の洗剤と混合しないようにしましょう。洗剤の相性によっては塩素ガスが発生し、人体にダメージを与えます。粘膜や気管、肺などに悪影響を及ぼすので注意が必要です。

まとめ

キッチンの排水管詰まりは、主に油によって引き起こされます。油汚れにはアルカリ剤の洗剤が効果的で、詰まりが解消すればニオイも消失します。

洗剤を選ぶときは、必ずキッチンに使用できるか、排水管の汚れに特化したものか確認しておきましょう。適切な洗剤を選び、正しく使うことが何より大切です。