一口にガラスといっても、断熱性に優れたものや防犯性が高いものなど、さまざまな機能を付加したガラスがあります。
このうち、赤外線（IR）を遮る性能に優れているものがIRカットガラスです。

IRカットガラスは暑さ対策に効果的で、内部の温度の上昇を抑制する効果があります。
ただ、時間とともにIRカット効果が落ちていくため、定期的な交換が求められます。

IRカットガラスとは？

IRカットガラスは、赤外線を遮断する働きを持つガラスのことをいいます。
主に自動車で利用されており、真夏の強い日差しによる車内温度の上昇を抑える働きがあります。
さまざまなメーカーが販売していますので、夏の暑さや日差しでお悩みなら検討してみるとよいでしょう。

IRカットガラスの種類

IRカットガラスには、大きく分けて3つの種類があります。

・中間膜にIRカット効果のある膜を入れたもの
・表面にIRカット効果があるコーティングを施したもの
・ガラスにIRカット効果がある材料を配合したもの

中間膜を備えたIRカットガラスは、2枚のガラスを張り合わせ、間にIRカット効果のあるフィルムを挟み込んでいます。
製品によっては、日焼けの原因となる紫外線（UV）もカット可能です。

表面にコーティングを施したものは、比較的ポピュラーなIRカットガラスといえます。
なお、ガラス表面にIRカット効果があるフィルムを貼れば、コーティングを施したガラスと同等の効果が期待できます。

このほか、ガラスの組成にIRカット効果がある混ぜ込んだものもあります。

IRカットガラスの効果

IRカットガラスは、大きく分けて3つの効果があります。
以下で挙げる効果に魅力を感じた方は、交換を検討してみてはいかがでしょうか。

赤外線による温度上昇を抑える

IRカットガラスは、赤外線による内部の温度上昇を抑制する働きがあります。
ガラスを通った赤外線は熱を生み、部屋などの空間の温度を上昇させてしまいます。
そのため、密閉された車内の温度を高める原因の一つでもあるのです。

IRカットガラスは赤外線を遮り、温度の上昇を和らげてくれます。
完全に遮断することはできませんが、影響を最小限に抑えられるでしょう。

冷房効率の向上

IRカットガラスによって赤外線がカットされることで、エアコンなど冷房の効率もアップします。
消費する電力量も抑制できますので、自動車なら燃費の向上も可能になるでしょう。
車の状態にもよりますが、少なからず冷房の効率や燃費アップに寄与します。

肌への影響抑制

IRカットガラスを取り入れることで、ジリジリとした痛みを軽減可能です。
製品によってはUVもカットするため、肌へ与えるダメージや影響も抑えられます。
強い日差しが肌をジリジリと焼く不快感が減るので、快適性もアップするでしょう。

IRカットガラスの寿命

IRカットガラスは、年月とともに少しずつ赤外線を遮る効果が落ちていきます。
そのうち赤外線をカットできなくなりますので、寿命が来たら交換を検討しましょう。

寿命の目安は5年

IRカットガラスの寿命は製品によって異なりますが、一般的には5年程度と言われています。
これは他のガラスでも同じですが、徐々に経年劣化していきますので、ずっと使えるわけではない、と考えておきましょう。

もちろん5年でガラスが使えなくなったり、強度が下がったりするわけではありません。
ただ、赤外線をカットする効果は低下してしまいますので、通常のガラスと大差がなくなります。
気付いた頃には、ほとんど赤外線カット効果がなくなっている可能性もあるので注意しましょう。

5年経ったら交換がおすすめ

もし赤外線カット効果を重視するなら、5年程度での交換をおすすめします。
5年はあくまで目安に過ぎませんが、先に述べたとおり、5年経つ頃には赤外線カット効果は薄れています。
なるべく早めにガラスを交換したほうがよいでしょう。

費用的にガラスの全交換が難しい場合、フィルムの張り替えで済ませる手段もあります。
ただし、費用はそれなりにかかりますので、予算と相談して決めましょう。