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キャブレター車のエンジンがかからない原因と対処法

キャブレター車(通称「キャブ車」)は、燃料噴射を電子制御するインジェクション車とは異なり、メカニカルな構造で燃料を気化する仕組みを持っています。このため、長年の使用や気温の変化により、燃料供給や始動にトラブルが起こりやすい傾向があります。本記事では、キャブ車のエンジンがかからない主な原因と、それぞれの対処法を紹介します。

キャブ車のエンジンがかからない主な原因

1. 燃料がキャブレターに届いていない

燃料タンクからキャブレターに燃料が供給されないと、エンジンは始動できません。燃料ポンプの不良や燃料フィルターの詰まりが原因となることがあります。

対処法

  • 燃料ポンプが正常に作動しているか確認します。ポンプの音がしない場合は交換が必要です。
  • 燃料フィルターが詰まっている場合、新しいフィルターに交換しましょう。
  • 燃料タンク内のガソリンが古いと、不純物が詰まっている可能性があるため、ガソリンの交換も検討します。

2. チョークの使い方が適切でない

キャブ車はエンジン始動時にチョークを使って空気の量を絞り、燃料の濃度を上げる必要があります。冬場やエンジンが冷えている時、チョークを使わないとエンジンがかかりにくくなります。

対処法

  • 始動前にチョークを引く(またはレバーを操作)ことで、燃料の濃度を高めます。
  • エンジンがかかった後は、徐々にチョークを戻し、アイドリングが安定するか確認しましょう。
  • チョークが作動していない場合、ワイヤーが劣化している可能性があるため交換が必要です。

3. プラグの劣化やカブり

プラグが劣化したり、ガソリンで濡れてしまう「プラグのカブり」が起こると、正常に点火できなくなります。これはキャブ車にありがちなトラブルです。

対処法

  • プラグを取り外し、状態を確認します。濡れている場合は乾かすか、新しいプラグに交換しましょう。
  • プラグの隙間(ギャップ)が広がっている場合、適切な間隔(通常0.6~0.8mm)に調整します。

4. キャブレターの詰まり

キャブレター内のジェット(燃料噴射口)が詰まっていると、燃料が正しく気化されず、エンジンがかかりにくくなります。古いガソリンがキャブに残っていると、時間が経つとガム状に固まり、詰まりの原因になります。

対処法

  • キャブレタークリーナーを使って内部の汚れを除去します。
  • 長期間使用していない場合、キャブレターを分解して清掃する必要があります。自力で難しい場合は、整備工場に依頼しましょう。

5. 燃料が古くなっている

ガソリンは時間が経つと劣化し、エンジンの始動性を悪化させます。特にキャブ車はインジェクション車に比べて古い燃料の影響を受けやすいです。

対処法

  • 古いガソリンを抜き、新しいガソリンを補給します。
  • タンク内の水分や不純物を除去するため、燃料添加剤を使うのも効果的です。

6. バッテリーが弱っている

キャブ車でも、セルモーターを回すためにはバッテリーが必要です。バッテリーの電圧が低いと、セルモーターが正常に動かず、エンジンがかかりません。

対処法

  • バッテリーが弱っている場合は充電するか、ジャンプスタートを試します。
  • 交換の目安は2~3年です。長期間使用している場合、新しいバッテリーに交換しましょう。

エンジンがかからないときの応急処置

  1. エンジンオイルの確認
     エンジンがかからない原因として、オイル切れが疑われることもあります。オイルが不足している場合は、補充してから再始動を試みましょう。

  2. アクセルを踏まずにセルを回す
     プラグがカブりやすい場合、アクセルを踏まずにセルを回すことで、燃料が過剰供給されるのを防ぎます。

  3. 押しがけ(マニュアル車の場合)
     マニュアル車の場合、押しがけでエンジンを始動できることがあります。2速に入れてクラッチを踏み、車を押しながらクラッチを一気に離します。

キャブ車を長持ちさせるための3つのポイント

  • 定期的なキャブレター清掃
    キャブ車は燃料が詰まりやすいため、1年に一度はキャブレターの内部を清掃するのが理想です。

  • ガソリンの管理
    長期間車を使わない場合、タンク内のガソリンを抜くか、燃料添加剤を入れて劣化を防ぎましょう。

  • 定期点火プラグの交換
    プラグは消耗品なので、2万~3万kmごとに交換するのが推奨されています。調子の悪いプラグは燃費や始動性に影響します。

まとめ

キャブ車のエンジンがかからない原因には、燃料供給の問題、プラグのカブり、チョークの不適切な使用、キャブレターの詰まりなどが考えられます。まずは、燃料系統やプラグの状態を確認し、必要に応じて清掃や交換を行いましょう。また、キャブ車は気温や湿度の影響を受けやすいため、定期的なメンテナンスが欠かせません。どうしてもエンジンがかからない場合は、整備工場に相談するのが安心です。

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