新築住宅では、建築段階からシロアリ対策を講じることで、将来的な被害を防ぐことができます。シロアリは湿気の多い環境や木材を好むため、適切な処置を施しておくことで、家の耐久性を守り、安心して暮らせる住環境を作ることができます。本記事では、新築時にできるシロアリ対策と注意点を詳しく解説します。

新築時にシロアリ対策を行う重要性

シロアリは木材を食害し、建物の構造に深刻なダメージを与える害虫です。新築時にしっかりとした対策を施すことで、以下のようなメリットが得られます。

• シロアリ被害のリスクを大幅に低減。
• 後の補修費用を抑えられる。
• 安全で快適な住環境を維持できる。

新築住宅では、建築工事の段階でシロアリ対策を組み込むことが最も効果的です。

新築住宅での具体的なシロアリ対策

1. 防蟻処理を施した木材を使用する

防蟻処理済みの木材は、シロアリが好む成分を除去したり、薬剤を浸透させることでシロアリの侵入を防ぎます。

• 加圧注入処理木材
  専用設備を使って薬剤を木材の内部まで圧力で注入したものです。長期間の防蟻効果があります。
• 天然の防蟻成分を含む木材
  ヒノキやヒバなどの天然防虫効果を持つ木材を選ぶのも有効です。

2. 基礎部分の防蟻対策

基礎部分はシロアリが侵入しやすいポイントです。以下の方法で対策を講じます。

• ベタ基礎の採用
  コンクリートを一面に打設するベタ基礎は、シロアリの侵入を物理的に防ぐ効果があります。
• 防蟻シートの使用
  基礎のコンクリートと木材の間に防蟻シートを敷くことで、シロアリが木材に到達するのを防ぎます。
• 基礎パッキン工法
  基礎と土台の間に樹脂製のパッキンを挟むことで通気性を確保し、湿気を軽減します。

3. 土壌処理

建築前に地盤や基礎周辺の土壌に防蟻薬剤を散布する方法です。薬剤が土壌に浸透し、シロアリが建物に近づくのを防ぎます。土壌処理は新築時に行うことで、より広範囲に効果を及ぼせます。

4. 通気性の確保

シロアリは湿気の多い場所を好むため、通気性を確保することが重要です。

• 床下換気口や換気扇を設置して、湿気を取り除きます。
• 床下の防湿シートを使用して地面からの湿気を遮断します。

5. 防蟻塗料の使用

木材に防蟻塗料を塗布することで、シロアリが木材を食害するのを防ぎます。塗料を塗る際は、木材の表面だけでなく接続部分や隙間にも均一に塗布することが大切です。

新築時に注意するポイント

信頼できる業者を選ぶ

防蟻処理を行う際は、実績のある業者に依頼しましょう。不適切な施工は防蟻効果を十分に発揮できず、シロアリ被害を防げない可能性があります。

使用する材料を確認する

防蟻処理済みの木材や防蟻薬剤の種類を確認し、効果の持続期間や環境への影響も考慮して選びます。環境に優しい薬剤を選びたい場合は、業者に相談してみましょう。

定期的な点検を計画する

新築時に防蟻対策を行った場合でも、数年ごとに点検や再処理を行うことが推奨されます。特に、薬剤処理の効果が薄れる時期に合わせて適切なメンテナンスを行いましょう。

シロアリ対策の費用

新築時のシロアリ対策の費用は、建物の規模や施工方法によって異なります。一般的な目安として、以下の費用が発生します。

• 防蟻処理木材の費用: 1㎡あたり2,000円～5,000円程度
• 土壌処理: 1㎡あたり1,500円～3,000円程度
• 防蟻シート: 1㎡あたり500円～1,000円程度

初期費用はかかりますが、後の修繕費を抑えることを考えれば十分な投資といえます。

まとめ

新築時にシロアリ対策を徹底することで、住宅の安全性と耐久性を長期間にわたって維持できます。防蟻処理木材や土壌処理、基礎部分の対策などを組み合わせて、シロアリの侵入を未然に防ぎましょう。また、定期的な点検とメンテナンスを行うことで、効果を持続させることができます。新築住宅を守るために、計画段階からシロアリ対策を考慮することが大切です。