シロアリは建物の基礎部分を通じて家屋内部に侵入し、木材を食害することで住宅の耐久性を損ないます。基礎部分は、シロアリ対策において重要なエリアであり、効果的な防御を施すことで被害を未然に防ぐことが可能です。この記事では、住宅基礎部分のシロアリ対策の具体的な方法や注意点について解説します。

シロアリが基礎部分を好む理由

1. 湿気が多い
   基礎部分は地面に接しているため、湿気が溜まりやすく、シロアリが生息するのに適した環境です。

2. 侵入しやすい隙間がある
   コンクリート基礎に小さなひび割れや隙間があると、シロアリがその隙間から侵入します。

3. 木材との接触がある
   基礎部分に接触している木材が未処理である場合、シロアリにとっては格好の餌となります。

基礎部分で行うシロアリ対策

1. ベタ基礎の採用

ベタ基礎は、建物全体の底面にコンクリートを敷き詰める構造で、シロアリの侵入を物理的に防ぎます。

• 効果: 地面と建物の間にコンクリートの障壁を作り、シロアリが侵入できない環境を作ります。
• 注意点: 施工時にひび割れを防ぐため、適切な厚みと強度が必要です。

2. 防蟻シートの設置

防蟻シートは、基礎と土台の間に設置する物理的なバリアで、シロアリの侵入を防ぎます。

• 設置箇所: コンクリート基礎の上部と木材が接触する部分。
• 特徴: シートにはシロアリが嫌う成分が含まれており、長期間効果を発揮します。

3. 土壌処理

基礎の施工前や建物の周囲に防蟻薬剤を散布する方法です。

• 効果: 土壌そのものをシロアリの住みにくい環境にする。
• 施工方法: 土壌全体に均一に薬剤を散布し、コンクリートを打設する前に防蟻層を形成します。

4. 防蟻処理済み木材の使用

基礎部分に接触する木材には、防蟻処理済みの木材を使用することが推奨されます。

• 効果: シロアリが木材を食べるのを防ぎます。
• 処理方法: 加圧注入処理や防蟻塗料の塗布が一般的です。

5. 基礎周辺の環境整備

• 植栽の管理: 基礎部分に隣接して植栽がある場合は、適度に間隔を空け、土壌を乾燥させます。
• 木材や不要物を置かない: 使用していない木材や段ボールを基礎付近に置くと、シロアリの誘引源となります。
• 水はけを改善する: 雨水が基礎に溜まらないよう、排水設備を整えます。

6. ひび割れの修復

基礎部分にひび割れがあると、シロアリがその隙間から侵入する可能性があります。

• 修復方法: エポキシ樹脂やモルタルを使用してひび割れを埋めます。
• 注意点: 定期的に基礎の状態を点検し、新たなひび割れを発見したら早急に修復します。

7. 床下換気の強化

床下に換気口を設けたり、換気扇を設置して湿気を取り除きます。

• 効果: 湿度を下げることで、シロアリが生息しにくい環境を作ります。
• 注意点: 通気口が塞がれていないか定期的に確認します。

基礎部分のシロアリ対策費用の目安

• ベタ基礎の施工費用: 1㎡あたり10,000～15,000円程度
• 防蟻シートの設置: 1㎡あたり500～1,500円程度
• 土壌処理の施工費用: 1㎡あたり1,500～3,000円程度
• 防蟻処理済み木材の使用費用: 通常の木材より20～30％高価

費用は建物の規模や施工内容によって異なるため、見積もりを複数業者から取ることをおすすめします。

基礎部分の点検とメンテナンス

1. 定期点検
   専門業者に依頼して、基礎部分や床下の状態を年に1回程度点検してもらいましょう。

2. 薬剤の再処理
   防蟻薬剤の効果は数年で薄れるため、5年を目安に再処理を行います。

3. 基礎の清掃
   基礎周辺に木片や落ち葉が溜まっている場合は、適宜取り除きましょう。

業者に依頼する際の3つのポイント

• 施工実績が豊富か確認: シロアリ対策を専門とする業者を選ぶことで、適切な施工を受けられます。
• 保証内容の確認: 施工後の保証期間や対応内容を明確に確認しましょう。
• 見積もりの比較: 複数の業者から見積もりを取り、費用や施工内容を比較することが重要です。

まとめ

住宅基礎部分のシロアリ対策は、建物を長期間安全に保つために欠かせません。ベタ基礎や防蟻シート、土壌処理などを組み合わせることで、効果的にシロアリの侵入を防ぐことができます。また、定期的な点検や環境整備を行うことで、被害を未然に防ぐことが可能です。専門業者に相談し、適切な対策を講じて大切な住まいを守りましょう。