シロアリ対策にはさまざまな方法がありますが、コンクリートは物理的なバリアを作るうえで非常に効果的です。適切に施工されたコンクリートは、シロアリの侵入を大幅に抑えることができます。本記事では、コンクリートを使用したシロアリ対策のメリットや具体的な方法、注意点について詳しく解説します。

シロアリがコンクリートを嫌う理由

1. 物理的な障壁
   コンクリートは硬く、隙間が少ないため、シロアリが侵入するのを防ぎます。

2. 湿気を遮断する
   適切に施工されたコンクリートは地面からの湿気を防ぎ、シロアリが好む環境を作りにくくします。

3. 餌となる木材に到達しにくい
   建物の基礎部分をコンクリートで覆うことで、シロアリが木材に到達するリスクを減らせます。

コンクリートを使用したシロアリ対策の具体的な方法

1. ベタ基礎の採用

ベタ基礎とは、建物全体の底面をコンクリートで覆う基礎構造のことです。

• 効果:
  • 地面からの湿気を遮断する。
  • シロアリの侵入経路を物理的に遮る。
• 施工ポイント:
  • コンクリートの厚さを十分に確保する（通常100～150mm）。
  • ひび割れを防ぐため、適切な鉄筋を配置する。

2. コンクリート基礎の隙間修復

シロアリはコンクリート自体を食べることはできませんが、基礎に生じたひび割れや隙間を通って侵入することがあります。

• 修復方法:
  • エポキシ樹脂やモルタルを使ってひび割れを埋める。
  • 隙間が広い場合は、補修用のコンクリートを流し込む。

3. 基礎周辺のコンクリート施工

建物の基礎周辺にコンクリートを施工して、シロアリが建物に近づきにくい環境を作ります。

• 施工方法:
  • 基礎から1～2メートル程度の範囲にコンクリートを敷設する。
  • スロープや排水溝を作り、水はけを良くする。

4. コンクリートと防蟻シートの併用

コンクリートだけでは完全にシロアリを防げない場合があります。そのため、防蟻シートと併用することでさらなる効果を期待できます。

• 設置場所:
  • 基礎と木材の接触部分に防蟻シートを敷設する。
  • 地面に直接敷いて、コンクリートと併用する。

5. 床下の防湿コンクリート施工

床下の湿気を抑えるため、地面に防湿コンクリートを施工します。

• 効果:
  • 湿気を遮断し、シロアリの発生を防ぐ。
• 施工方法:
  • 地面を平らにならし、防湿シートを敷いてからコンクリートを流し込みます。

コンクリート施工時の注意点

1. ひび割れの防止

コンクリートは硬化後にひび割れが発生することがあります。これがシロアリの侵入経路になるため、施工時には十分な強度と厚みを確保し、鉄筋を適切に配置することが重要です。

2. コンクリートだけに頼らない

コンクリートは効果的なバリアとなりますが、完全なシロアリ対策には他の方法と併用することが必要です。特に、防蟻剤の散布や木材の防蟻処理を併せて行うことで、より高い効果が得られます。

3. 水はけの確保

コンクリート施工後に水が溜まると、湿気が溜まりやすくなります。排水設備を整え、雨水や地面からの湿気を防ぎましょう。

コンクリート施工の費用相場

コンクリートを使用したシロアリ対策の費用は以下が目安です。

• ベタ基礎の施工: 1㎡あたり10,000～15,000円程度
• 基礎周辺のコンクリート施工: 1㎡あたり3,000～8,000円程度
• 床下防湿コンクリート施工: 1㎡あたり5,000～10,000円程度

施工内容や建物の規模によって費用は変動しますので、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。

定期的な点検とメンテナンス

• 基礎のひび割れ確認: 年1回程度、基礎の状態を点検し、ひび割れがあれば早めに修復します。
• コンクリートの汚れや破損: 防蟻効果を損なわないよう、基礎周辺を清潔に保ちます。

コンクリートを活用した総合的な3つのシロアリ対策

コンクリート施工はシロアリ対策の重要な一環ですが、他の方法と併用することで、より確実に被害を防ぐことが可能です。

• 防蟻剤の塗布や散布: 基礎部分や木材に薬剤を塗布して、シロアリの侵入を防ぎます。
• 床下換気の強化: 換気扇や通気口を設けて湿気を取り除きます。
• 定期点検の実施: 専門業者による点検で早期発見と対策を心がけましょう。

まとめ

コンクリートはシロアリ対策において効果的な物理バリアを提供します。特にベタ基礎や防湿コンクリート、基礎周辺のコンクリート施工は、シロアリの侵入リスクを大幅に低減します。ただし、コンクリートだけに頼らず、防蟻処理や湿気対策を併用することで、より確実な防除が可能になります。定期的な点検とメンテナンスを行い、大切な住まいをシロアリから守りましょう。