畳は日本の伝統的な床材で、天然素材を使用しているため、シロアリの被害に遭いやすい特徴があります。特に床下が湿気の多い環境にある場合、畳を含む建物全体がシロアリの被害を受ける可能性が高まります。本記事では、畳をシロアリから守るための予防策や駆除方法、注意点について解説します。

畳がシロアリ被害を受ける原因

1. 天然素材の使用
   畳表に使用されるイ草や、畳床に使用される藁（わら）は、シロアリにとって格好の餌となります。

2. 湿気の多い環境
   床下が湿気を含んでいる場合、畳が湿りやすくなり、シロアリが住み着く環境を作り出します。

3. 床下からの侵入
   シロアリは地面から床下を通り、畳や他の木材部分に侵入します。

畳のシロアリ対策

1. 湿気対策を徹底する

湿気を取り除くことで、シロアリが繁殖しにくい環境を作ります。

• 床下換気の強化
  通気口の設置や床下換気扇を使用して、床下の湿気を排出します。
• 防湿シートの設置
  床下に防湿シートを敷くことで、地面からの湿気を遮断します。
• 畳の定期乾燥
  畳を定期的に上げて乾燥させることで、湿気を取り除きます。晴れた日に風通しの良い場所で陰干しするのが効果的です。

2. 防蟻処理を行う

シロアリが畳に侵入するのを防ぐために、防蟻処理を行います。

• 防蟻剤の塗布
  畳の裏面や床下に防蟻剤を散布します。天然成分を使用した防蟻剤もあり、人体に優しいものを選ぶと良いでしょう。
• 畳の防蟻加工
  防蟻加工された畳を選ぶことで、シロアリ被害のリスクを減らせます。防虫効果のある畳床を採用するのも一つの方法です。

3. 畳の定期点検

シロアリ被害の兆候を早期に発見するため、定期的に畳の状態を確認します。

• 確認するポイント
  • 畳が異常に柔らかくなっていないか。
  • 畳表に筋状の穴や食害の痕跡がないか。
  • 畳を持ち上げた際にシロアリや蟻道（シロアリが作る土のトンネル）がないか。

4. 床下環境の見直し

畳だけでなく、床下全体の環境を整えることも重要です。

• 木材の防蟻処理
  床下の木材に防蟻剤を塗布して、シロアリの侵入を防ぎます。
• 基礎部分の補修
  基礎にひび割れがある場合、そこからシロアリが侵入することがあるため、早急に補修しましょう。

5. シロアリ忌避効果のあるアイテムを活用

• シロアリ忌避剤
  市販の忌避剤を畳の裏面や床下に散布します。
• 天然素材の利用
  ヒノキやクローブの香りがシロアリを遠ざける効果があるとされています。木酢液やアロマオイルを使用するのも一つの方法です。

シロアリ被害を受けた畳の対処法

1. 被害部分の確認
   被害を受けた畳は、早急に取り外して状態を確認します。シロアリが畳だけでなく床下や周囲の木材に被害を広げている可能性があるため、慎重にチェックします。

2. 専門業者に相談
   被害が進行している場合や、シロアリの巣が確認された場合は専門業者に依頼して駆除を行いましょう。プロの駆除業者は床下や建物全体を調査し、適切な対処を行います。

3. 畳の交換
   被害が大きい場合、畳を新しいものに交換します。その際、防蟻加工された畳を選ぶことで再発防止につながります。

畳のシロアリ対策費用の目安

• 防蟻剤散布: 1㎡あたり1,500～3,000円程度
• 床下換気扇の設置: 1台あたり3万～10万円程度
• 防蟻加工畳の購入: 1畳あたり10,000～20,000円程度
• 専門業者によるシロアリ駆除: 被害状況によるが、5万～30万円程度が一般的

日常的な注意点

• 畳の下に湿気が溜まりやすいカーペットやマットを敷かない。
• 雨漏りや水漏れを早期に修理する。
• 畳を長期間放置せず、定期的に上げて風通しを良くする。

まとめ

畳をシロアリから守るためには、湿気対策や防蟻処理、定期点検を組み合わせた予防策が重要です。特に床下の環境を整えることで、シロアリの侵入を大幅に防ぐことが可能です。被害が発生した場合は早めに専門業者に相談し、適切な駆除や修繕を行いましょう。日常的なメンテナンスを心がけて、大切な畳を長持ちさせる工夫を取り入れてください。