シロアリ対策の一環として、防蟻シートを使用する方法があります。防蟻シートは、建物の基礎や床下、土壌部分に敷設することで、シロアリの侵入を物理的に遮断し、被害を未然に防ぐ効果が期待できます。この記事では、防蟻シートの特徴や使い方、選び方、設置時の注意点について詳しく解説します。

防蟻シートの効果と特徴

1. シロアリの侵入を物理的に防ぐ

防蟻シートは高い耐久性を持ち、シロアリが食い破ることができない素材で作られています。これにより、基礎や床下からの侵入を物理的に防ぎます。

2. 防湿効果も兼ね備える

多くの防蟻シートは湿気を遮断する効果もあるため、床下の湿度を抑えることでシロアリが好む環境を作りにくくします。

3. 長期間の効果が期待できる

適切に施工された防蟻シートは、数十年にわたりその効果を発揮するため、メンテナンスの手間を大幅に減らせます。

防蟻シートの使用箇所

1. 建物の基礎部分

基礎と土台の間に防蟻シートを挟むことで、地面からのシロアリの侵入を防ぎます。

2. 床下の地面

床下全体にシートを敷設することで、湿気の上昇とシロアリの侵入を同時に防ぐことができます。

3. 建物周囲の土壌

外周部分に防蟻シートを敷設することで、建物外からの侵入を防ぎます。

防蟻シートの種類

1. 樹脂製防蟻シート

耐久性が高く、シロアリが物理的に侵入できない素材で作られています。防湿効果も備えており、床下の湿気対策にも適しています。

2. 金属製防蟻シート

ステンレスやアルミニウムを使用したものが多く、物理的な強度が非常に高いのが特徴です。ただし、樹脂製に比べて高価です。

3. 化学薬剤加工シート

樹脂や不織布に防蟻薬剤を染み込ませたシートで、シロアリを忌避する効果があります。

防蟻シートの設置方法

1. 新築時の施工

防蟻シートの設置は、新築時の基礎工事や土台設置時に行うのが最も効果的です。建物全体を覆うようにシートを敷き詰め、地面からのシロアリ侵入を防ぎます。

2. 既存住宅での施工

既存住宅でも、床下に防蟻シートを敷くことで対策可能です。専門業者に依頼して床下調査を行い、シートを適切に敷設してもらいます。

3. DIYでの設置

小規模な施工であれば、防蟻シートを自分で敷設することも可能です。以下の手順を参考にしてください。

• 床下の清掃を行い、ゴミや湿気を取り除く。
• 防蟻シートを隙間なく敷き詰め、端をテープで固定する。
• 重ねる部分を20～30cmほど確保し、テープで密閉する。

防蟻シートを選ぶ際のポイント

1. 耐久性

長期間効果を維持できる素材を選びましょう。特に地面に敷設する場合は、耐久性が高いものが適しています。

2. 防湿性能

防湿効果があるシートを選ぶことで、湿気対策も同時に行えます。

3. 施工のしやすさ

シートの厚みや重さを確認し、施工がスムーズに行えるものを選ぶと良いでしょう。

4. コスト

防蟻シートは種類によって価格が異なります。施工範囲や目的に合わせて、予算内で最適なものを選びましょう。

防蟻シートの費用目安

• 樹脂製防蟻シート: 1㎡あたり500～1,500円程度
• 金属製防蟻シート: 1㎡あたり1,500～3,000円程度
• 化学薬剤加工シート: 1㎡あたり1,000～2,500円程度

施工費用を含めると、床下全体の施工で10万～30万円程度が一般的です。

防蟻シート設置時3つの注意点

1. 隙間を作らない

防蟻シートは、隙間なく敷設することで効果を発揮します。施工時に隙間ができないよう注意しましょう。

2. 他の対策と併用する

防蟻シートだけでなく、防蟻剤の塗布や湿気対策を併用することで、より効果的なシロアリ対策が可能です。

3. 定期的な点検

防蟻シートの効果を維持するためには、定期的に点検を行い、破損や劣化がないか確認しましょう。

まとめ

防蟻シートはシロアリ対策において非常に有効なツールです。基礎部分や床下、建物周囲に適切に敷設することで、物理的なバリアとしてシロアリの侵入を防ぐことができます。また、防湿効果を兼ね備えているため、湿気対策としても優れています。防蟻シートを使用する際は、他の対策と組み合わせて総合的なシロアリ防除を行い、大切な住まいを長期間守りましょう。