木造住宅はシロアリの侵入や被害が最も懸念される住宅タイプです。シロアリは木材を主に食べるため、木造建築物が特にそのターゲットになりやすいのです。シロアリによる被害が進行すると、家屋の構造に深刻なダメージを与え、最悪の場合、建物の倒壊を引き起こすこともあります。そのため、シロアリの予防と早期発見は、木造住宅を長期間健全に保つためには欠かせません。

今回は、木造住宅におけるシロアリ対策について、効果的な予防方法と駆除方法を詳しく解説します。

1. シロアリの特徴と木造住宅への影響

シロアリは湿気を好み、木材を食害します。木造住宅においてシロアリの影響を受ける場所としては、基礎部分や床下、柱や梁などの構造材が最も多く、湿気がこもりやすい場所を好む特徴があります。シロアリは、見た目にはわからない隙間や暗い場所に巣を作り、そこから家屋の木材を食害します。シロアリによる被害はしばしば気づかれにくく、気づいた時にはかなり進行してしまっていることもあります。

そのため、木造住宅では定期的な点検と適切な対策が非常に重要です。

2. 木造住宅におけるシロアリ対策

2.1 基礎の隙間を塞ぐ

シロアリは土の中から侵入してくるため、木造住宅の基礎部分に隙間があるとそこから侵入する恐れがあります。基礎周辺を確認して、目に見える隙間や亀裂があれば、しっかりと塞ぐことが重要です。具体的には以下の対策を行います。

• コンクリート基礎のひび割れ補修：コンクリート基礎にひび割れがある場合、そこから水分や湿気が漏れるだけでなく、シロアリが入り込む隙間になり得ます。ひび割れを補修し、シロアリが侵入しないようにします。
• 基礎周辺の隙間を埋める：配管や排水口周りの隙間にシロアリが入り込むことがあるため、シーリング材を使って隙間を封じます。

2.2 湿気対策を行う

シロアリは湿気が多い場所を好みます。特に木造住宅では、湿気がこもりやすい床下や壁の隙間がシロアリの巣作りに最適な場所になります。そのため、湿気管理はシロアリ対策の基礎です。

• 床下の換気を良くする：床下が湿気でこもりやすい場合、換気を促進するために換気口を設けたり、換気扇を使用して湿気を外に逃がします。
• 除湿機の設置：湿気の多い季節（梅雨や夏）の前には、床下や湿気のこもりやすい場所に除湿機を設置し、湿度を管理します。

2.3 木材の処理

木材にシロアリが侵入するのを防ぐためには、木材の表面に処理を施すことが有効です。シロアリ専用の防虫剤や防腐剤を木材に塗布することで、シロアリの侵入を防ぎます。

• シロアリ防止薬剤の使用：ホームセンターなどで販売されているシロアリ防止薬剤を、木材に直接塗布する方法が一般的です。特に木造住宅では、柱や梁に薬剤を塗布することをおすすめします。
• 木材の定期的なチェック：特に湿気がたまりやすい場所にある木材（床材や家具）については、定期的にチェックを行い、異常があればすぐに対応します。

2.4 シロアリ忌避剤の使用

シロアリを寄せ付けないために、家の周りにシロアリ忌避剤をまく方法もあります。これにより、シロアリが家屋に近づかなくなります。忌避剤は、土壌に浸透し、シロアリが通り過ぎる際にその成分に触れることで、家屋への侵入を防ぎます。

• 土壌処理：家屋の周囲にシロアリ忌避剤を撒くことで、シロアリが土を通じて家屋に侵入するのを防ぎます。
• 定期的な再施工：シロアリ忌避剤は時間の経過とともに効果が薄れるため、定期的に撒き直すことが重要です。

2.5 シロアリの駆除

もしシロアリが既に侵入している場合は、駆除を行う必要があります。シロアリの駆除にはいくつかの方法がありますが、最も効果的なのは専門業者に依頼することです。業者はシロアリの巣を特定し、根本的な駆除を行ってくれます。

• シロアリ駆除業者に依頼する：シロアリが確認された場合や自分での駆除が難しい場合は、専門業者に依頼しましょう。業者は薬剤の噴霧や、場合によっては床下に直接薬剤を注入するなどの方法で駆除します。
• 自分での駆除方法：もし少量のシロアリ被害であれば、市販のシロアリ駆除薬剤を使用して駆除することも可能です。ただし、確実な駆除には専門家の手を借りるのが理想です。

3. まとめ

木造住宅はシロアリの侵入を受けやすい構造のため、予防と早期発見がとても重要です。湿気管理や基礎の隙間塞ぎ、木材への防止薬剤の使用など、できる対策を日頃から実施することで、シロアリの侵入リスクを減らすことができます。また、シロアリ被害が進行している場合は、早急に専門業者に依頼して駆除を行い、再発防止策を講じることが必要です。シロアリ対策をしっかりと行うことで、木造住宅を長期間健康に保つことができます。