日本全国に生息するヤマトシロアリは、木造建築にとって最大の敵です。
シロアリ被害は、床や柱などの木材を食害し、建物の構造体部分を損傷させます。

被害が進行すると、建物の倒壊にもつながる恐れがあり、深刻な被害をもたらします。
そこで本記事では、ヤマトシロアリの生態、被害、駆除方法について詳しく解説します。

ヤマトシロアリの生態・特徴

ヤマトシロアリは、日本の住宅を脅かす主要な害虫の一つです。
ヤマトシロアリが引き起こす被害は見た目以上に深刻です。

ここでは、ヤマトシロアリの生態と特徴について詳しく解説します。

羽アリと兵隊アリの特徴

ヤマトシロアリの社会には、様々な役割を持つアリがいます。
その中でも特に目立つのが羽アリと兵隊アリです。

羽アリは、主に繁殖を担い、暖かい季節に大量に現れることがあります。
これはシロアリが新たな繁殖地を求めているサインです。

一方、兵隊アリはその名の通り、コロニーを守る役割です。
兵隊アリは侵入者に対して攻撃的な態度を取り、巣を守ります。

湿った木材の中に巣を作る

ヤマトシロアリは特に湿った木材を好み、その中に巣を作ります。
この習性は家屋にとって大きな脅威です。

特に、雨漏りや水漏れがある場所では、シロアリが巣を作りやすくなります。
巣を作ることで、木材はさらに脆弱になり、最終的には重大な構造的問題を引き起こすことになります。

4～5月になると羽アリが出現する

羽アリが大量に出現する時期は、特に4～5月の温暖な時期です。
これは、シロアリが新たな繁殖地を探しているサインであり、見過ごすことはできません。

この時期に羽アリを発見した場合、既に家のどこかにシロアリの巣がある可能性が高いため、迅速な対応が必要です。

ヤマトシロアリを見つけた時の対処法

ヤマトシロアリを家の中で見つけたとき、落ち着いて行動することが重要です。
ここでは、発見後の効果的な対処法を詳しく紹介します。

薬剤を散布する

ヤマトシロアリの発見直後に考えられる最も一般的な対処法の一つが、薬剤散布です。
市販されているシロアリ用の殺虫剤を使用して、被害を受けたエリアやその周辺に散布します。

この方法は、使用する薬剤の種類や、その安全性については十分注意が必要です。
特に、ペットや小さな子供がいる家庭では、無害な自然由来の成分を含む製品を選ぶことをお勧めします。

毒餌を設置する

シロアリの根絶に効果的なもう一つの方法は、毒餌の設置です。
シロアリが餌として毒を巣に持ち帰り、コロニー内で共有することにより、徐々に個体数を減少させていきます。

毒餌法は、一般的にプロの業者によって行われます。
ですが、正しい設置方法を学べば、DIYで行うことも可能です。

しかし、この方法は時間がかかるため、直接散布法と併用することをお勧めします。

危険あり！ヤマトシロアリの被害事例

ヤマトシロアリは見えないところで私たちの家を蝕み続けます。
その被害は表面的なものから、家の構造を脅かす深刻なものまで様々です。

ここでは、ヤマトシロアリによる被害の一部を紹介します。

床下にある家の土への食害

家の基盤となる床下は、ヤマトシロアリにとって絶好の生息場所です。
ヤマトシロアリは土台や支柱をじわじわと食害し、家の構造的強度を弱めます。

床下の検査を怠ると、見た目では分からない深刻な被害が進行していることもあります。

お風呂まわりの材木への食害

お風呂場の周辺は、湿度が高く、ヤマトシロアリが好む環境です。
ドアの枠や床材がヤマトシロアリの餌食となり、見た目には分かりにくい内部からの食害により、構造の腐敗を進めます。

これにより、ドアが正常に閉まらなくなったりするなど、日常生活に支障をきたすこともあります。

断熱材への食害

現代の住宅では、断熱材が広く利用されていますが、これもまたヤマトシロアリのターゲットです。
ヤマトシロアリは断熱材の中を通路や巣として利用し、その過程で断熱性能を低下させます。

これにより、冷暖房の効率が悪くなることも少なくありません。

天井裏の材木への食害

ヤマトシロアリの被害が進行すると、彼らは床下だけでなく、壁や天井裏にも侵入します。
特に天井裏は、外からの検査が難しく、被害に気づかないまま進行することが多い部分です。

天井裏の材木が食害されると、最終的には屋根にまで影響が及び、大規模な修繕が必要になることもあります。

ヤマトシロアリの出現は見逃すのは危険！

ヤマトシロアリが自宅に出現すると、家財が劣化する可能性が高まります。
そのため、自宅で見つけたら早急に駆除する必要があります。

シロアリ駆除の中には自分でできることがあるので、ヤマトシロアリを発見した際はぜひ試してみてください。