シロアリの被害は徐々に進行していき、やがて家屋全体を蝕んでいきます。
家屋をシロアリから守り、また駆除のコストを抑える意味でも、早めの対策が必要です。

この記事では、シロアリの発見方法と初期被害の特徴、被害を放置してはいけない理由などについて説明していきます。

シロアリ被害の初期症状にはどのような特徴がある？

自宅に羽アリが発生するようになったら要注意です。
それと同時に、柱や壁・ドアなどに初期症状が現れることが多いので、部屋に異常がないか確かめておきましょう。

自宅に羽アリが発生する

羽アリの種類はシロアリとクロアリに大別されます。
シロアリの場合は、体がずんどうでくびれが見られません。

また、触角が数珠のような形状をしており、クロアリと比較すると明らかに特徴が異なります。
おびただしい数の羽アリが発生するのもシロアリの特徴で、殺虫剤で撃退してもキリがありません。

見えている個体はごく一部で、ほとんどは壁や床下に潜んでいるのです。
いずれにしても、市販の殺虫剤で全滅させられる規模ではありません。

柱や壁に異常が見られる

これらを叩いたときに、空洞音がしたら要注意です。
木の内部を見なくても、手で叩くだけで木の密度が低下しているのがわかります。

また、床が侵食されるとキシミが発生し、歩いたときに床からキシキシと音がしたり沈んだりします。

ドアや戸を閉めるときに違和感が生じる

以前よりも明らかに閉まりにくく、閉めるのに力を入れる必要があるなど、ドアや戸に問題が発生してきたら要注意です。
また、しっかりと閉めたはずなのに隙間が生じるなど、建て付けに問題が発生します。

こうした症状は、シロアリが床材を侵食して歪むことで起こるものです。

自宅に潜むシロアリの発見方法

蟻道や羽アリの羽などは、最もわかりやすいシロアリの発見方法です。
これらは偶然的に生じることはないので、シロアリがいると疑ってください。

蟻道を発見した

建物に蟻道を見つけたら、シロアリが住み着いている可能性大です。
蟻道とは土を固めた道で、シロアリの通り道になっています。

土のトンネルを作ることで、太陽光を避けながら移動するのです。
たとえ個体の姿が見えなくても、蟻道があればシロアリに狙われていると考えられます。

床に羽が落ちていた

シロアリの羽の特徴として、非常に取れやすいことがあります。
これがクロアリの羽アリですと、ある程度強く引っ張らないと取れません。

シロアリは常に出てくるわけではなく、大量発生する日もあれば、一匹も出てこない日もあります。
たとえ目視で個体を確認していなくても、羽が床に何枚も落ちているようなら要注意です。

壁や床を解体すると、すでに大規模な巣が形成されている可能性大です。
例えば、床下に巣がある場合、床材をはがすと腐食した木材や大量の働きアリ・羽アリなどを確認できるでしょう。

シロアリ被害の初期症状を放置するとリスクが大！

シロアリに侵食された木材が元通りになることはありません。
放置した期間に比例し、建物はダメージを受けていくため、初期症状に気付いたらすぐに対処しましょう。

部材を交換する必要性が出てくる

侵食範囲が広がるにつれて、部材交換が必須になる場合があります。
初期の状態で対処すれば薬剤注入で済んだところを、本格的な部材交換、床下補強などの追加工事が必要になることがあるのです。

放置した期間が長くなるほど、本来は回避できたはずの出費が生まれます。
さらに建て替えを迫られるような状態になっては、目も当てられないでしょう。

建物の強度が低下する

壁や柱を侵食されるとスカスカになり、本来の強度を発揮できなくなります。
すると建物の耐用年数が短くなりますし、地震による倒壊リスクも高まるのです。

本来は震度7に耐えられる建物であっても、震度6で倒壊してしまう可能性すらあります。

応急処置では対応できない

シロアリが発生している隙間に殺虫剤を吹きかければ、個体を全滅させられると考える方は多いでしょう。
しかし撃退できるのはごく一部で、生き残った個体が移動して、そこから侵食を再開する可能性があります。

クロアリやゴキブリなどとは違い、シロアリは自力で全滅させるのが極めて困難です。

まとめ

シロアリが発生すると、目に見える症状が発現します。
単なる気のせいで終わることはまずないため、初期症状を発見したら即対策をしましょう。

特にシロアリの蟻道や羽が見つかった場合は要注意です。
建物の寿命を全うし、地震の被害から守るためにも放置は厳禁です。