新築するならシロアリに強い家にしたいと考える方も多いでしょう。
シロアリは木材を好んでエサにしますが、実は好き嫌いがあります。

この記事では、シロアリが木材をエサにする理由や、好む木材や嫌いな木材、シロアリ被害を防ぐための予防策まで詳しく解説します。

シロアリが木材をエサにする理由とは

シロアリが木材をエサにするのは、その主成分であるセルロースが主な栄養源だからです。
木材に限らず、新聞紙、本、ダンボール、畳、衣類などにもセルロースが含まれています。

シロアリはエサのためなら障害物があっても、頑丈な歯でかみくだいて進んでいくのが特徴です。
そのため、ゴムやプラスチック、コンクリートなどのセルロースを含まない物質でできているものにも穴を開けてしまうことがあります。

シロアリが好む木材・嫌い木材とは？

シロアリには好みがあるため、好んでエサにする木材とそうではない木材があります。
具体的にどのような好みがあるのか確認しておきましょう。

やわらかい木材を好む

シロアリは基本的にどの種類の木材でも食べますが、特に食べやすく柔らかい木材を好む傾向があります。
具体的には以下のような種類です。

・マツ
・モミ
・セン
・ホワイトウッド
・ブナ

これらの木材は細胞の密度が低く、やわらかい特性があります。
やわらかい木材はシロアリによって容易に食害されると、崩れやすくなるため、シロアリ対策には適していません。

湿った木材を好む

シロアリは、木材の種類に関係なく水分を含む、湿った木材を好む傾向があります。
とくに、湿度の高い床下の柱や雨漏りのある屋根裏、水回りの木材などを好んで食べます。

ただし、すべてのシロアリがこの傾向にあてはまるわけではありません。
たとえば、アメリカカンザイシロアリのように、湿気を含まない木材を好むシロアリも存在します。

香りのよい木材や堅い木材が嫌い
シロアリは香りのよい木や堅い木を好まないため、次のような種類の木材を嫌います。

・ヒノキ
・ヒバ
・スギ
・チーク
・イヌマキ

シロアリの主な食べ物は死んだ木や枯れ木であり、生きた木は食べません。
生きた木からは「フィトンチッド」と呼ばれる良い香りが発散されますが、シロアリはこの香りを感知し、食べるべき木を選別します。

また、シロアリは堅い木材を嫌います。
シロアリが被害を与えた木材には、しばしば堅い年輪部分が残っていますが、これはシロアリが食べにくい部分を残した結果です。

シロアリ被害を防ぐためにやるべき予防策

シロアリによる被害は、予防策を徹底することで防げる可能性が高まります。
具体的な対策方法についてご紹介します。

床下を換気し湿気を取り除く

シロアリ被害を予防するための重要な手段の1つは、床下の通気を確保し湿気を除去することです。
これには、換気ファンや調湿剤の設置が有効です。

専用の換気ファンを設置し稼働させると、乾燥した空気が床下全体に循環し湿度が下がります。
また、セラミックや備長竹炭などで作られた専用の調湿剤を設置することで、木材の湿気を抑制できます。

床下の状況に合わせた除湿策は専門業者に相談し、最適な方法を提案・施工してもらうことも重要です。

家の周りに不要な木材やダンボールを放置しない

住宅周辺に不要な角材やダンボールを放置しておくと、シロアリを呼び寄せ、そのまま家に侵入する可能性が高まります。
シロアリを寄せ付けないためにも、庭や玄関先に木材やダンボールを長く置かないように気をつけましょう。

定期的に防蟻処理をおこなう

防蟻処理を専門業者に委託することも予防策として重要です。
一般的な処理方法は、木材表面に薬剤を散布して浸透させることでシロアリを防ぎます。

また、被害を発見した場合は、木材に穴を開けて薬剤を注入し、内部のシロアリを駆除します。
床下の土壌にも薬剤を散布することで、防蟻層を形成し、家への侵入を防ぐことも可能です。

また、一般的な薬剤の効果は5年ほどですので、定期的な防蟻処理を5年ごとに行うことが望ましいです。

まとめ

木材にはシロアリの栄養になる成分が含まれているため、シロアリがエサとして好んで食べます。
ただし、予防策をとることで、シロアリ被害をおさえることも可能です。

大切な住宅を守るためにも、予防策を徹底しシロアリを寄せ付けない環境を整えましょう。