アシナガバチは、日本全国で見られる一般的な蜂の一種です。庭先や屋根の下などに蜂の巣を作ることがあり、そのままにしておくと刺される危険性が高まります。この記事では、アシナガバチの蜂の巣を安全に駆除する方法や、巣を作らせないための予防策を詳しく解説します。

アシナガバチの巣ができる3つの場所とその特徴

アシナガバチは、春から夏にかけて巣を作り始めます。彼らは特に湿気が少なく、雨風を避けられる場所を好むため、以下のような場所で巣を見つけることが多いです。

屋根の下や軒先

アシナガバチは、屋根の下や軒先など、風雨を避けられる場所に巣を作ることがよくあります。これらの場所は高所にあり、人間の目につきにくいため、巣が大きくなるまで気づかないことが多いです。

ベランダやバルコニー

ベランダの隅やバルコニーの天井など、屋外でありながら人の出入りが少ない場所も、アシナガバチにとって理想的な巣作りの場所です。特に、物置やエアコンの室外機の裏側など、人目に付きにくい場所は要注意です。

木の枝や生垣

庭の木や生垣の枝にも巣を作ることがあります。アシナガバチは自然の枝を利用して、巧みに巣を固定します。これらの場所は庭仕事をする際に気づくことが多く、誤って近づくと刺される危険性があります。

アシナガバチの巣を駆除するタイミングと方法

アシナガバチの巣を見つけたら、早めに駆除することが大切です。しかし、駆除のタイミングや方法を誤ると、危険を伴うことがあります。

駆除に最適な時間帯

アシナガバチは昼間に活発に活動します。そのため、駆除を行う場合は、蜂の活動が鈍る早朝や夜間が適しています。これらの時間帯であれば、巣の中にいる蜂の数が多く、効率的に駆除することができます。

自分で駆除する方法

もしも巣が小さく、手の届く範囲にある場合は、市販の殺虫スプレーを使用して駆除することが可能です。以下の手順を守って、安全に駆除を行いましょう。

• 防護服を着用する：長袖、長ズボン、帽子、手袋を着用して、皮膚が露出しないようにします。
• 殺虫スプレーを使用する：蜂の巣に直接スプレーを吹きかけます。できるだけ巣全体にスプレーが行き渡るようにします。
• 巣を取り除く：蜂の活動が完全に止まったことを確認したら、巣を取り除きます。このときも、防護服を着たまま行ってください。

プロに依頼する場合のメリット

巣が高所にある場合や、蜂の数が多い場合は、専門の駆除業者に依頼するのが最も安全です。業者は専用の装備と薬剤を使用して、確実かつ安全に巣を取り除いてくれます。また、再発防止のアドバイスも受けられるため、長期的に安心です。

アシナガバチの巣作りを予防する3つの方法

アシナガバチの巣ができる前に、予防策を講じることでトラブルを未然に防ぐことができます。

巣ができやすい場所の確認と封鎖

まず、アシナガバチが巣を作りそうな場所を特定し、物理的に対策を講じることが重要です。

• 穴や隙間の封鎖：屋根や壁に小さな隙間がある場合は、シーリング材やテープで塞ぎましょう。
• 網戸やドアの点検：網戸やドアの隙間から蜂が侵入しないよう、破れや隙間をしっかり点検します。

忌避剤の活用

アシナガバチは強い臭いを嫌います。市販の蜂用忌避剤を利用することで、巣作りを防止することが可能です。

• 忌避スプレー：巣ができやすい場所に定期的にスプレーをしておくと効果的です。
• ハーブの利用：ミントやラベンダーなどのハーブを植えることで、蜂が近づきにくくなります。

定期的な見回り

春から夏にかけては、定期的に庭や家の周りを見回ることが大切です。巣が小さいうちに発見できれば、駆除も簡単です。

アシナガバチに刺された場合の応急処置

アシナガバチに刺されると、強い痛みと腫れを伴います。刺された場合の正しい対処法を知っておくことが重要です。

刺された直後の対処法

アシナガバチに刺されたら、まずは落ち着いて以下の対処を行いましょう。

• 毒針を取り除く：毒針が残っている場合は、ピンセットを使って慎重に取り除きます。
• 冷やす：刺された部分を冷やすことで、腫れと痛みを和らげます。冷たい水や氷を使って冷却しましょう。
• 抗ヒスタミン剤の使用：かゆみや腫れがひどい場合は、市販の抗ヒスタミン剤を使用することが有効です。

症状が重い場合の対処法

場合によっては、アシナガバチに刺されることでアナフィラキシーショックを起こす可能性があります。以下の症状が見られたら、すぐに医療機関を受診してください。

• 呼吸困難
• めまいや吐き気
• 全身の蕁麻疹

これらの症状が出た場合は、緊急性が高いため、救急車を呼ぶなど迅速な対応が必要です。

駆除後の後始末と再発防止策

アシナガバチの巣を駆除した後も、再度巣を作られることを防ぐために、しっかりと後始末をすることが大切です。

駆除後の巣の跡の処理

巣を取り除いた後、跡が残る場合があります。蜂は過去に巣を作った場所を再び使うことがあるため、跡をきれいに掃除し、消毒することが推奨されます。

• 洗剤で洗い流す：巣の跡を洗剤で洗い流し、残ったフェロモンを除去します。
• 再封鎖：巣を作られた場所に再び隙間がないか確認し、しっかりと封鎖します。

再発防止のための定期的なチェック

駆除後も、定期的に巣が再び作られていないかチェックする習慣をつけましょう。特に、春から夏にかけては毎月1回程度、周辺の点検を行うと効果的です。

まとめ

アシナガバチの巣は放置すると危険ですが、早期発見と正しい駆除方法で対処することができます。また、巣を作らせないための予防策を講じることで、安心して暮らせる環境を保つことができます。刺されるリスクを減らすためにも、日頃から蜂の活動に注意し、適切な対策を心がけましょう。