コガタスズメバチはおとなしい種ですが、被害件数は決して少なくはありません。
日常生活に密着した場所に営巣するため、甘く見ていると大事故につながる可能性があります。

ここでは、コガタスズメバチの性質と巣の特徴、生息場所などについて説明していきます。

コガタスズメバチの生態・特徴

コガタスズメバチは、スズメバチの中でもおとなしく、攻撃性が低いのが特徴です。
ただしサイズはオオスズメバチ、ヒメスズメバチに次ぐ大きさで、決して小型のハチではありません。

攻撃性は夏から秋にかけて高くなるため、巣の近くを通るときはできるだけ距離を取りましょう。
怒らせると集団で攻撃してくることがあり、そうなれば何度も刺されることになりかねません。

痛みと毒性は？

刺されるとかなりの痛みを伴い、また毒性もあるので注意が必要です。
刺された場所は腫れますし、腫れが引くと今度はかゆみを感じるようになります。

ハチアレルギーの方は特に注意が必要で、じんましんや呼吸障害などが起こるリスクがあります。
最悪のケースでは命を落とすことも考えられるため、刺されたら毒を絞ってから冷やし、速やかに医療機関で処置を受けてください。

どんなときに刺される？

庭で作業をしているとき、知らず知らずのうちに巣を刺激して刺されるというケースが多いです。
草木に営巣することもあるので、草刈りや果物の収穫をするときなどは、巣がないか事前に確認しておきましょう。

コガタスズメバチの巣の特徴

4～5月に作られる巣は逆トックリ型で、この時期はまだハチが少ないです。
6月からは巣が丸型のマーブル状になり、スズメバチの巣だとすぐに判別できます。

巣のサイズは小さく、最大でも30cm程度です。
一般的には20cmサイズが多く、個体数は多くても100匹程度です。

どのような場所に巣を作る？

開放的な場所に巣を作る性質があり、特に樹木がよく狙われます。
注意したいのは生垣など、背の低い茂みに巣を作られるケースです。

茂みの中に巣があると発見が難しく、草木の手入れをしているときなどに刺されやすいです。
コガタスズメバチの姿を発見したら、付近に巣がないか少し離れた場所から観察してみましょう。

巣は自分で駆除できる？

スズメバチ専用の殺虫剤を使用すれば自分で駆除できます。
ただし、自力で安全に駆除できるのは、10cm未満のサイズの巣に限られます。

夏になると働きバチの動きが活発化し、また巣が大きくなって個体数が増えてくるので、プロに駆除を任せましょう。
ハチの巣のサイズと、駆除の難易度・危険性は比例します。

コガタスズメバチは都市部に大量発生している？

コガタスズメバチが発生するのは野山だけではありません。
都市部にも生息しており、地域によってはスズメバチの中で最も被害件数の多い種となっています。

天井裏や床下などの閉鎖的な場所には巣を作らず、庭に植えてある樹木、生垣などに巣作りをすることが多いです。
そのため人と接触する機会が多く、子供が木の枝で茂みを叩いて遊んでいたら、ハチが怒って一斉に攻撃してきたという事例もあります。

庭や公園などに生息している

都市部の環境に適応しており、草木のある場所に営巣します。
昔であれば都市部では、スズメバチを見つけることすら困難でしたが、近年は都市化が加速しているので住宅街でも安心できません。

庭や公園で子供が遊んでいるときに刺されるケースも多いので、ハチを見つけたら近寄らないように教えてあげてください。
コガタスズメバチはおとなしく、何もしなければ巣から2m以内にまで接近しても攻撃されないことがあります。

ただし、活動時期や個体によって攻撃性は異なるので、近づかないに越したことはありません。

まとめ

開放的な空間に営巣するコガタスズメバチは、人と接触する機会が多いハチです。
近年は都市部でもよく見られており、背の低い樹木や茂みなどによく巣を作ります。

性格はおとなしいですが、刺されたときの痛みは強く、また毒性もあるので油断は禁物です。