スズメバチは危険な昆虫として知られていますが、天敵も存在します。
この天敵を活用できれば、スズメバチを撃退できるかもしれないと考える方もいるでしょう。

この記事では、スズメバチを天敵で駆除できるか、さらにはスズメバチが嫌がるものまで詳しく解説します。

種類別！スズメバチの天敵とは？

スズメバチを捕って食べる動物や昆虫、体内に寄生する虫など、意外にも天敵はたくさん存在します。
ここでは種類別に天敵を紹介します。

クマ

クマは成虫だけでなく、幼虫やさなぎ、そして巣そのものも食べてしまいます。
とくに巣はクマにとって栄養が豊富に詰まっているため、冬眠前のエサとして好まれています。

さらにクマは厚い皮膚と体毛により守られているため、スズメバチからの攻撃にもダメージを受けません。

野生のニワトリ

野生のニワトリは昆虫を主なエサとしておりスズメバチも捕食対象ですが、高い場所を飛ばれると捕らえられません。
また、家畜として飼育されているニワトリはエサを与えられているため、スズメバチを食べる必要がありません。

ハチクマ

ハチクマはその名前から蜂やクマの仲間と思われがちですが、実際にはタカの一種です。
ハチクマは硬い羽毛を持ち、スズメバチの針を貫通させず、鋭い爪で巣を破壊して中の蜂を捕って食べます。

また、ハチクマはヒナを育てる際に蜂のさなぎや幼虫だけでなく、巣自体まで食べさせます。

カマキリ

カマキリは大きな鎌で獲物を素早く捕らえる能力を持ち、スズメバチも同様の手法で捕食します。
しかし、スズメバチもカマキリをエサにするため、カマキリの弱点である空中から攻撃されると、逆に食べられてしまうかもしれません。

オニヤンマ

オニヤンマなどのトンボは、優れた飛行能力を持つ昆虫です。
とくに大型のオニヤンマは、スピードではスズメバチを上回り、捕らえて食べることがあります。

ただし、スズメバチもオニヤンマを食べるため、一方的に食べられる関係ではありません。

ネジレバネ

ネジレバネのメスは成長しても姿は幼虫のままで、スズメバチの体内で一生を過ごします。
この寄生虫は主に働きバチに寄生し、その働きを停止させるのが特徴です。

働きバチが活動しなくなると、巣が崩壊するため天敵といえるでしょう。

センチュウ

センチュウに寄生されると、スズメバチは不妊になり繁殖できなくなります。
寄生虫は捕食こそしないものの、根本的に活動できなくさせるため、捕食する動物や昆虫よりも強敵といえるかもしれません。

スズメバチ駆除で天敵は活用できるのか？

スズメバチ被害をおさえるために、天敵とされる動物や昆虫、寄生虫などを利用できると考える方も多いでしょう。
しかし、天敵でスズメバチを撃退するのは現実的ではありません。

天敵として利用するためには、人工的にコントロールする必要があります。
しかし、天敵とされる生き物は言葉が通じないため、命令したり誘導したりするのが困難です。

さらに、クマは危険で飼育が難しく、ハチクマに至っては飼育自体が法律で禁止されています。
カマキリやニワトリは飼育できてもスズメバチを意図的に捕食させることはできません。

あくまでも自然界の中でのみ攻撃し食べるため、駆除に使うのは難しいでしょう。

天敵を使わずともスズメバチが嫌な匂いを活用することも有効！

スズメバチは強い匂いに反応します。
この特性を利用して、追い払うことも可能です。

たとえば、スズメバチが嫌う木酢液やハッカ油などの刺激臭を利用できます。
これらの匂いを事前に巣ができそうな場所にまいておくと、スズメバチを寄せ付けない効果が期待できます。

逆に、スズメバチは甘いニオイや食べ物の残りカスのニオイにも引き寄せられるため、家の周りにゴミを保管する習慣がある方は注意が必要です。
ベランダなどにごみ袋を置く場合には、フタ付きのゴミ箱を使用するなどの対策をしましょう。

まとめ

スズメバチにはさまざまな天敵がいますが、どれも人間がコントロールできないため駆除に活用するのは難しいです。
ただし、スズメバチが嫌がる匂いで対策することは可能なので、被害をおさえたい方はぜひ試してみてください。