蜂は暖かい季節になると見かけるようになりますが「そのうち寿命を迎えるだろう」と駆除せず放っておく方も多いかもしれません。
果たしてその実態はどうなのでしょうか。

この記事では蜂の一般的な寿命や警戒すべき時期、巣を放置した場合のリスクについて詳しく解説します。

蜂の一般的な寿命とは

蜂の寿命は種類によって異なります。
日本でも見かけることが多いのは以下の種類です。

・スズメバチ
・ミツバチ
・アシナガバチ

それぞれの蜂は一般的にどのくらいの寿命なのか確認していきましょう。

スズメバチ

スズメバチの働きバチは、卵から成虫になるまで約1ヵ月かかり、その後は4～5週間ほど生存します。
一方、女王蜂の寿命は1年から2年で、まれに3年生きることもあります。

この種の蜂は毒を持つのは雌のみであり、働きバチも雌です。
雄バチは冬の到来前に女王と交尾し、その後寿命を迎えます。

冬が訪れると、女王蜂以外の個体は寿命を終えます。
女王蜂は越冬しますが巣の外で冬眠するため、冬の間、スズメバチの巣は空の状態です。

空になった巣は、アシナガバチなどが住処にすることもあるようです。

ミツバチ

ミツバチの女王蜂は働きバチとともに冬を過ごします。
寿命は役割によって異なります。

働きバチは、生まれてから巣の掃除や警備、巣作り、そして花粉や蜜の採取を行い、約1ヵ月ほどで寿命を迎えます。
冬には活動量が減るため、寿命がやや延びることもあるようです。

オスのミツバチは働かず、女王蜂との交尾後に寿命を終えます。
交尾ができなかったオスはそのまま巣の中で暮らし続けますが、冬になると巣から追い出され寿命を迎えるようです。

また、女王蜂は春に新しい女王が誕生し、1週間後にオスと交尾をします。
夏には大量に産卵し、翌春に新しい女王が生まれると、古い女王は巣を出ていきます。

ミツバチの女王蜂は冬をこえられるため、寿命は3～4年と長いです。

アシナガバチ

アシナガバチはスズメバチと同じく、冬を女王蜂だけが越冬する種類です。
活動期間は8月から10月にかけてで、寿命は他の蜂よりやや短く、10月になると姿を消すようです。

働きバチは卵が約3週間でふ化し、その後約20日で成虫になります。
成虫になってからは約1ヵ月で寿命を迎えるようです。

9月には働きバチの数が最も増え、新女王蜂とともに巣を出ますが、寒さにより徐々に寿命を終えます。
女王蜂は4月に冬眠から目覚め、単独で巣を作り幼虫を育てます。

幼虫が成長して働きバチになると、巣作りやエサ集めを任せ、自らは卵を産むことに専念するようです。
9月に新しい女王蜂を育て、寿命を迎えます。

新女王蜂は冬眠し、次の春を迎えます。
オスバチもほとんどは10月に寿命を迎えますが、アシナガバチの種類によっては女王蜂とともに越冬する場合もあるようです。

蜂トラブルに警戒すべき時期とは

夏の終わりから秋にかけては、一般的に穏やかなミツバチやアシナガバチも注意が必要です。
この時期、ミツバチはスズメバチの攻撃を受けやすくなり、巣を守るために攻撃性が高まります。

同様に、アシナガバチの働きバチも仲間や巣を守るために攻撃的になります。
普段は攻撃性が高いスズメバチも、夏の間は働きバチの数が最も多いため、非常に危険です。

蜂の寿命を待つ前に初期段階の巣を駆除するのがベスト！

蜂の駆除を大がかりで危険な作業と考える人が多いため、自然にいなくなるのを待つ人もいるかもしれません。
蜂は個体数が多いため、寿命が短くても次々と新たに誕生する命も多く、次の年に再び巣を作る可能性があります。

そのため、蜂が自然に去ることは期待しない方がよいでしょう。
万が一、自分が住んでいる家や家の近くに蜂の巣を見つけた場合、放置すると以下のようにさまざまなリスクがあります。

・攻撃的になる夏などに襲われてケガをする可能性がある
・繁殖して新たな巣を作られる
・冬になって蜂がいなくなった巣に害鳥が住み着く

蜂の巣は大きくなると蜂の数も増えるため、駆除が難しくなります。
初期段階のうちに早めに駆除しておくと安心です。

まとめ

蜂の寿命は、蜂の種類によってそれぞれに異なります。
どの種類も暖かい季節になると活動が活発になり、秋にかけて攻撃性が増すため、蜂を見かけた際には注意が必要です。

蜂の巣を見つけた場合は、巣が大きくなる前に駆除するようにしましょう。