日本で見かけるゴキブリの中で、最もゴキブリらしい性質を備えているのがワモンゴキブリだと言われています。
飲食店によく発生する種で、風評被害や経済的損失、また感染症などの原因になる可能性があります。

そこで被害を未然に防ぐために、正しい駆除方法で絶滅させましょう。

ワモンゴキブリの生態・特徴とは

日本の屋内で見かけるゴキブリでは最大種で、その体長は4～5cmにもなります。
寿命は2～3年もあり、動物に例えるならハムスターと同じくらいです。

かつては九州や沖縄に生息していましたが、近年は他地域でも多くの確認事例があります。
北海道の飲食店でも見られているため、日本全国に分布していると考えられています。

よく見られる時期は

地域によって異なりますが、共通点は暖かい時期であることです。
一般的には5～10月ごろによく発生しますが、近年は暖房設備の完備が進んでいることから、屋外では季節を問わずに出現するケースが増えています。

一般家庭ではあまり見られない

ゴキブリの中でも、特に不衛生な環境を好むのが特徴です。
下水やマンホールの下、生ごみのある場所などに発生するため、非常に不衛生で人間に視覚的・精神的な被害を与えます。

ただし、ワモンゴキブリが一般家庭で見られるケースは比較的少ないです。
よく出現するのは飲食店で、これは高温多湿の環境が生まれやすいからです。

店内では頻繁に火や水を使用するため高温多湿になりやすく、また食材の残りカスなども大量に発生します。
食べるものに困らない快適な場所とあり、ワモンゴキブリにとって天国のような環境なのです。

ワモンゴキブリの駆除方法

毒エサでコロニーごと退治するか、殺虫剤を吹きかける方法が一般的です。
くん煙剤もゴキブリ駆除によく使用されますが、ワモンゴキブリには十分な効果を発揮しないケースがあるため、事前に対象害虫に含まれているか確認しておきましょう。

毒エサで根こそぎ撃退する

ゴキブリはコロニーを形成することがわかっていますが、蟻の巣のように形のあるコロニーではありません。
ゴキブリが一箇所に集まっている状態で、この集合体に対してアプローチしていく必要があります。

毒エサはゴキブリを誘引する働きがあり、エサを見つけると盛んに食べます。
毒を取り込んだゴキブリはやがて絶命しますが、体内やフンに毒の成分を蓄えており、それらを食べた他のゴキブリも絶命するのです。

殺虫剤をスプレーする

ゴキブリ駆除に特化した殺虫剤をスプレーして殺虫する方法もあります。
ピレスロイドが含まれている殺虫剤は特に効果が高いです。

スプレーするときの注意点は、十分な量を噴射することです。
お金をかけずに駆除したいからと、中途半端な量をスプレーすると、一度で殺虫できず逃げられる原因になります。

個体が生き残ると再び増殖するため、いたちごっこになりかねません。

ワモンゴキブリの被害例

ワモンゴキブリは飲食店によく発生し、ときにクレームの原因になることもあります。
また、病原菌やウイルスを有するため、接触した人間への健康被害も懸念されています。

さらに噛まれると相当に痛いという声があり、人間にとってデメリットしかない害虫です。

飲食店にとって大敵となる害虫

ゴキブリのいる場所は、不衛生というイメージを与えてしまいます。
たとえ料理の味が一流であっても、ゴキブリがいると客を逃がす要因になるのです。

ゴキブリの数が増えれば、料理に混入するリスクも高くなります。
SNSが発達している現代は悪評があっという間に広がり、それにより店は甚大な経済的損失を被ることになりかねません。

病原菌やウイルスによる影響が懸念される

ワモンゴキブリは極めて不衛生な場所に生息しています。
こうした場所は、病原菌やウイルスが発生することが多く、そこに集まるゴキブリもその影響を受けています。

病原菌やウイルスの媒介役になるため、人間にも悪影響を与える可能性があるのです。
現時点においては、ワモンゴキブリが人間の身体にどう影響するのかわかっていませんが、害を及ぼす可能性がある以上は接触を避けるべきでしょう。

噛まれると強い痛みを伴う

本来はおとなしい性格をしていますが、過度に触れると噛みつく可能性があります。
噛まれた人からは、相当な痛みを感じる上に、腫れもひどくなるとの声が聞かれています。

ワモンゴキブリはひとたび噛む癖がつくと、繰り返し噛むようになると言われているので、こちらから攻撃しないようにしましょう。

まとめ

暖房設備の完備・普及に伴って、ワモンゴキブリは全国的に見られるようになりました。
ゴキブリの中でもサイズが大きく、飲食店にとって大敵と言える存在です。

また病原菌やウイルスを媒介したり、まれに人間に噛みつく可能性があるため、毒エサや殺虫スプレーで撃退しておきましょう。