ゴキブリは昆虫の中でも、類まれなる生命力を有しています。
ただし、すべての環境で強い生命力や繁殖力を発揮できるわけではないので、ゴキブリの特性に応じた対策をすれば駆除は可能です。

この記事では、ゴキブリの生命力の秘密、弱点と寿命について説明していきます。

ゴキブリの生命力が高い理由とは？

ゴキブリの生命力の秘密は、劣悪な環境で生きられることにあります。
さらに身体が丈夫で繁殖力が高いことも一因です。

強力な外骨格を備えている

昆虫には骨がないと思われがちですが、実は外骨格に囲まれています。
人間の骨とは形状が異なりますが、骨のようなものです。

この外骨格が硬ければ硬いほど、外敵から身を守る防御力が高くなります。
事実、雑誌で叩いたはずなのに、逃げて行ったという事例は数多く存在しています。

劣悪な環境でも生きられる

下水で生きることなど、人間には到底不可能でしょうが、ゴキブリにとっては最適な環境です。
もともと不潔な環境で生きている昆虫のため、抵抗力が極めて強いのです。

また何でも食べるほどの雑食性で、ほこりや人間の頭髪、フンなどもエサになります。
食べるものに困らないからこそ、高い生命力を発揮できるわけです。

極めて繁殖力が強い

ゴキブリは加速度的に増殖していきますが、その秘密が繁殖力です。
ゴキブリは一生において15回以上産卵し、1回あたりの産卵で20個近くの卵が産み落とされます。

孵化したメスのゴキブリは、成長すると自らも産卵するようになり、ねずみ算的に激増していきます。
ゴキブリを一匹見つけたら、数十匹いるという話は決して大げさではないのです。

生命力の強いゴキブリの弱点とは？

強靭で生命力に富んだゴキブリですが、弱点がないわけではありません。
それは生息する地域から読み解くことができます。

ゴキブリは寒さに弱い

北海道や東北では、あまりゴキブリが見られません。
冬の寒さが厳しいこれらの地域では、ゴキブリが冬を越せないためです。

20度未満の気温になると、ゴキブリの活動は鈍くなってきます。
北海道や東北以外の地域でも、暖房の温度設定を低くしている住宅では、ゴキブリが寄り付きにくいです。

乾燥しているところは苦手

ゴキブリは乾燥を苦手とするため、寄せ付けないためにも部屋の湿度は40～60％程度に抑えておきましょう。
本格的なゴキブリ対策を意識するなら、50％以下に抑えるのがおすすめです。

湿度が80％くらいになると、まさにゴキブリにとって天国のような環境になります。

洗剤はゴキブリの大敵

界面活性剤入りの洗剤は、ゴキブリの気門を塞いで窒息させられます。
ゴキブリの身体は油を帯びており、普通の水だと弾いてしまいますが、洗剤だと弾かれることなく気門を塞げるのです。

洗剤以外では、アルコールでも同様の働きを期待できます。

意外にもゴキブリの寿命は短い

生命力に富んだゴキブリですが、寿命はそれほど長くはありません。
ゴキブリの寿命が長いと感じられるのは、優れた繁殖力がもたらす人間の錯覚と言えるのです。

ゴキブリの寿命は長くて2年くらい

ゴキブリの種類や個体にもよりますが、寿命は1～2年ほどです。
ゴキブリは卵から幼虫までの期間が長く、寿命の3分の2程度を占めています。

成虫になってからの寿命は半年ほどしかありません。
そのため、私達がいつも見かけているゴキブリには、個体が入れ替わった別のゴキブリも含まれているわけです。

寿命が著しく短くなる環境とは

ゴキブリは何も食べなくても生きられると言われていますが、もちろん限界があります。
一般的に水とエサをまったく取らない状態だと、2週間ほどで寿命を迎えます。

生ごみを片付けるとゴキブリが減ると言われる理由は、生ごみというエサへの接触を遮断できるからです。

寒いとゴキブリは絶命するのか

ゴキブリは寒い環境を嫌いますが、寒さで絶命するケースはそれほどありません。
ただし、活動が低下して繁殖できなくなるため、寒冷地の冬ではゴキブリがあまり見られないのです。

まとめ

硬い外骨格に身を包んだゴキブリは、圧倒的な繁殖力を秘めており、それが生命力の根源となっています。
その一方で、寒さや乾燥には弱いため、ゴキブリが嫌がる環境を整えて遠ざけましょう。

ゴキブリの寿命は2年ほどと短いので、駆除と忌避対策を続ければ個体を減らせます。