ヤモリは「家守」と書いて縁起のよい生き物とも言われますが、見た目が苦手な人もいるでしょう。しかしヤモリはゴキブリを食べるなど、人間にとって利益をもたらす生き物でもあります。この記事では、ヤモリの生態や住み着いた際のデメリットまで詳しく紹介します。

ヤモリはゴキブリを食べる？

家の中で見かけるヤモリは、主にエサを求めてやってきます。好物は小さな動く虫で、とくにゴキブリやシロアリなどを食べてくれます。

このため古くから「家守」と称され、益獣として歓迎されてきました。家の中に侵入するのは主にニホンヤモリで、成長しても10cmから14cmほどにしかなりません。

このため、大きなクロゴキブリは捕食できないことがあります。

ゴキブリに強いヤモリが住み着いているデメリット

ヤモリはゴキブリやシロアリなどの害虫を食べてくれるメリットがある一方、住み着くことによるデメリットがある点も考慮しておかなければなりません。ヤモリは害虫を食べるためフンを出します。

そのフンが乾燥して細かくなったものを吸い込むと、ぜんそくなどの健康被害を引き起こす可能性が考えられます。とくにヤモリが大量に発生している場合は要注意です。

被害を最小限にするためにも、早めに対策をとる必要があります。具体的にどのような対策があるのか確認しておきましょう。

大きな音で威嚇する

ヤモリは臆病なため大声を出したり、新聞紙を丸めて周囲をたたいたりすると、驚いて素早く逃げ出します。ヤモリの後ろ側からたたきながら音を出して外に誘導すると効果的です。

虫捕り網を使う

効率的にヤモリを捕獲するには、虫捕り網を使うのがおすすめです。虫捕り網は柄が長いため、ヤモリに近づかずに捕まえられます。は虫類などに抵抗感がある方でも使いやすいです。

粘着シートを使う

ネズミ捕りなどの粘着シートを利用して捕獲することも可能です。設置するだけで簡単にヤモリを捕らえられますが、捕獲したヤモリを処理する必要があります。

ヤモリのエサとなる虫を駆除する

ヤモリが家の中に侵入する主な目的は、エサとなるゴキブリやシロアリなどを捕食することです。したがって、これらの害虫を駆除すれば、ヤモリも自然に去るでしょう。駆除剤や殺虫剤を利用して、害虫を排除しましょう。

ゴキブリはヤモリ以外にも天敵が存在する！

家の中を堂々と歩き回るゴキブリは、自然界では捕食される側で、食物連鎖の最下層に位置しています。ヤモリ以外にも、ゴキブリの天敵はさまざま存在するので、把握しておきましょう

アシダカグモ

アシダカグモは、ゴキブリの天敵としてよく知られています。全長が10cmにも及ぶ巨大な体が特徴で、その姿は恐ろしく見えますが、実際には毒も持たず病原菌も媒介しません。

1日に10匹以上ものゴキブリを捕食するため、非常に有益な存在です。はいかい型のクモで巣を作らず、積極的に獲物を捕らえるため、効果的にゴキブリの数を減らしてくれます。

ネズミ

ネズミは雑食性で、特に栄養価の高い昆虫を好んで食べます。下水道に住むドブネズミや、屋根裏に潜むクマネズミは、ゴキブリにとっては特に恐れる存在です。

しかし、ネズミも家に侵入されると困る害獣です。ネズミを発見したら速やかに駆除しましょう。

猫

ゴキブリは素早く動く黒い虫で、猫の狩猟本能を刺激します。好奇心が旺盛な猫にとっては、ゴキブリはまさにオモチャのような存在で、死ぬまで追いかけ回すでしょう。ただし、猫は本来雑食動物であるため、ゴキブリを追いかけるだけでなく、食べてしまう可能性もあるため注意が必要です。

ムカデ/ゲジゲジ

ムカデとゲジゲジはどちらもゴキブリを好物としており、ゴキブリ駆除には頼りになります。ただし、その外見から多くの人々が嫌悪感を抱くことも事実です。

とくにムカデは毒を持っているため、ゴキブリ以上に警戒すべき存在です。ムカデは蛇のようにくねくねと動き、攻撃的なうえ、強力な毒を持っています。

かまれると激痛を伴うため、対処する際には十分な注意が必要です。一方、ゲジゲジは攻撃性も毒もなく、全くの無害です。

見た目は恐ろしいですが、ゴキブリの減少に貢献するため、むしろ益虫とされることもあります。

まとめ

ヤモリはゴキブリを食べてくれるため益獣とされていますが、そのフンによって健康被害が起こる可能性がある点も考慮しておく必要があります。ヤモリだけでなくゴキブリの天敵はたくさん存在しますが、ゴキブリを寄せ付けない環境を保てるように心掛けましょう。