風呂場に発生するコバエは、室内に発生する4大コバエのひとつです。水回りの中でも風呂場に発生しやすいのは、風呂場特有の環境が関係しています。この記事では、風呂場で見られるコバエの特徴、発生原因と撃退する方法について紹介しています。

お風呂に発生するコバエの正体とは

コバエは食べ物やゴミのあるところに寄ってきますが、実は風呂場にも発生するのです。家庭でよく見られるコバエは4種類で、風呂場で見かけるものは多くがチョウバエです。

風呂場以外では洗面所でも見られます。水回りは湿気が溜まりやすく、チョウバエにとって快適な環境なのです。

チョウバエの意外な正体

チョウバエと聞くと、ハエの仲間だと思うかもしれませんが、近くで見るとハエとは姿形が違うことがわかります。またチョウにも似ておらず、実はハエにもチョウにも属さないのです。最も見た目が似ているのはガですが、分類上はガではなくコバエになります。

日本全国で見られるコバエ

チョウバエは北海道から沖縄まで、日本中に生息するポピュラーなコバエです。人によっては可愛い姿に見えるという声がありますが、害虫のため発生によるメリットは何一つありません。

チョウバエは極めて繁殖力が強く、一生のうちに200個以上の卵を産みます。5～10月は特に活動が盛んになり、これは高温多湿な環境になりやすいからだと言われています。

お風呂にコバエが発生する原因

風呂場は家の中で最も高温多湿になりやすく、チョウバエが好む場所です。また皮脂や石鹸カスなどが流れていき、それが排水管に付着し、そこにコバエが寄ってきます。人間にとっては不潔極まりない物質も、コバエにとっては最高のエサになるのです。

風呂場は決して清潔ではない

風呂場といえばクリーンな場所を連想するかもしれませんが、実は非常に不潔な環境にあります。キッチンでは食材を洗い、洗面所では手や顔などを洗いますが、風呂場は全身を洗う場所です。

それゆえ排出される汚れは多く、大量の皮脂や石鹸カスが排水管に付着するのです。石鹸の成分は汚れを落としてくれるイメージがあるかもしれませんが、排水管を進むにつれて固まっていきます。

そこに皮脂も流れていくことで、ベタベタしたスカム状態になります。また、床にも人間の皮脂や汚れが付着しており、コバエにとって風呂場ほど居心地のよい場所はないのです。

チョウバエはどこからやってくるのか

チョウバエなどのコバエは、窓を閉めていても侵入してくることがあります。そのため、虫が湧くと表現されますが、無の空間から生まれることはありません。

住宅は一戸建てや集合住宅を問わず、実は多くの隙間が存在しています。人間から見れば密閉状態に見えるかもしれませんが、ゴキブリやムカデなどの比較的大きい害虫が侵入してくることからも、実は多くの隙間が存在しています。

例えばコバエの場合、浄化槽や排水管などが発生源になるため、完全に発生をブロックするのは困難です。

お風呂に発生するコバエを駆除・予防する方法

コバエは駆除しても、個体の一部が生き残ればそこから増殖していきます。そのため駆除したあとは、予防対策をしてコバエにとって居心地の悪い環境作りをしていく必要があります。

殺虫剤で撃退する

コバエに効果のある殺虫剤を噴射すれば、個体を駆除できるでしょう。排水口付近など、コバエが発生しやすい場所にスプレーしてください。

燻煙タイプの殺虫剤であれば、目に見えないコバエにも効果を発揮します。コバエは死角に潜んでいることもあり、見えるところだけ対策をしても不十分です。

風呂場は密閉に近い空間で、また窓や換気扇で換気をしやすいので、燻煙剤を試してみる価値は大いにあります。

排水管を定期的に洗浄する

お風呂掃除をこまめに行っている家庭は多いですが、排水管の洗浄となればおろそかになりがちです。そこで、定期的にパイプ洗浄剤を使用し、べたべた・ヌメリなどを除去しておきましょう。

コバエ全般は清潔な環境を嫌うため、排水管の流れが悪くなる前にパイプ洗浄剤を使用して清潔な環境を維持してください。パイプ洗浄剤は詰まりを解消するアイテムですが、詰まりの予防にも効果を発揮します。

まとめ

風呂場で見られるコバエは、ほとんどがチョウバエです。皮脂や石鹸カスなどが蓄積して形成されたスカムを好むため、これらが付着しないよう掃除を徹底しましょう。殺虫剤や燻煙剤で見えている個体を駆除し、その上でパイプ洗浄剤を使用してコバエが生息しにくい環境を維持してください。