蚊のような虫が室内に大量発生したら、クロバネキノコバエかもしれません。一般的なハエよりも小さいため、室内に侵入しやすいのが特徴です。この記事では、クロバネキノコバエの生態、発生リスクと予防する必要性について説明しています。

クロバネキノコバエの生態

体長は1～2mmほどで、網戸を通過してくるほど小さいです。突発的に大量発生することがあり、蚊とよく間違われますが、人を刺すことはありません。

その生態については謎に包まれている部分が多いですが、植物から発生するという説が有力です。畑やプランターの腐葉土に卵を産み付け、3週間ほどで成虫になると言われています。

発生する時間帯は朝方が多く、これは高温の環境が苦手なためです。虫の中でも非常に脆いのが特徴で、猛暑日の過酷な暑さの中では生きられません。

発生しやすい時期は梅雨

年間を通して発生しますが、特に梅雨に大量発生する傾向があります。不思議なことに雨天の翌日が晴天になると、発生する確率が高いです。気候条件によって発生率が変わるため、人為的に発生を抑えるのは困難です。

寿命は短い

成虫の寿命は4～10日ほどと短いですが、産卵期は60個以上の卵が放たれます。それらは3～4日で孵化するため、個体を目にすることがなくとも、どこかに隠れていると考えていいでしょう。

クロバネキノコバエを放置した際のリスク

クロバネキノコバエは人間を刺すことはなく、痛み・かゆみを引き起こすリスクはゼロです。また、キッチンや生ゴミに発生するコバエと違って不衛生でもなく、気にしなければ人間に害はないです。その一方で、不快に感じるという人は一定数おり、特に大量発生したときに嫌悪感を覚える人が目立ちます。

数が増えすぎると部屋を汚す

網戸をすり抜けてくるため、いつの間にか室内に侵入してきます。特に換気扇やエアコンが作動していると、引き寄せられてくるのです。大量に侵入すると部屋が汚れ、掃除が必要になることもあります。

意外と知られていないリスクとは

人間には直接的な害を与えませんが、その一方で農業害虫としての側面があります。やっかいなのは根を中心に食害するため、枯れてしまうケースがあることです。シイタケやニンジン、ネギなどの農作物の食害事例が確認されています。

大量発生時の弊害

室内に数匹程度が侵入しても特に問題はありませんが、膨大な数になれば話は変わってきます。深刻なケースでは、大量発生時に給食に混入し、給食の提供が止まった事例もあるほどです。また、家庭のキッチンや食卓などに大量発生するケースもあり、突発的に発生するため忌み嫌われています。

クロバネキノコバエの駆除・予防方法

クロバネキノコバエの発生源を明確に把握するのは困難であり、完璧に発生を抑えることはできません。それでも、室内への侵入を減らす対策はあるため、室内でクロバネキノコバエをよく見かけるようになったら実践してみましょう。

なるべく窓を開けないようにする

窓からよく侵入してくるため、できれば閉めたいものです。エアコンを稼働させるとクロバネキノコバエを吸引させますが、窓を閉めていれば侵入を最小限に抑えられます。

窓を開けてエアコンを止めるより、窓を閉めてエアコンを稼働させたほうが効果的です。対策を徹底して熱中症になっては元も子もないので、ここは臨機応変に対応してください。

殺虫剤を使用する

殺虫剤は虫に直接噴射するだけでなく、忌避剤としても機能します。例えば、網戸に噴射しておくだけでも、クロバネキノコバエを忌避させられるのです。殺虫剤の使用に抵抗がある方は、粘着トラップを活用しましょう。

室内の観葉植物に注意

観葉植物に寄ってくる性質があるため、できれば室内に置かないようにするのが得策です。因果関係を自己で判断するのは難しいですが、観葉植物を室内に置くようになって個体が増えたと感じるのであれば、実際に誘引しているのかもしれません。

まとめ

クロバネキノコバエは、突如大量に発生することがあります。人間に害はありませんが、大量発生すると食事に混入しますし、また農作物を食害する問題もあります。雨天の翌日に晴れると発生率が高くなるため、窓を閉める、殺虫剤や粘着トラップを使用するなどの方法で対策しましょう。