ドブネズミは、家の中に棲みついて獣害をもたらす「家ネズミ」の一種です。

同様に民家に獣害をもたらすクマネズミという種もいます。
どちらも家ネズミの代表格で習性も似ているので、敵を知る意味で理解しておきましょう。

ドブネズミの生態・特徴とは

ドブネズミはネズミの一種で、成体で25cm程度となります。
外見としては、頭の大きさに対し耳が小さいという特徴を持ちます。

体はよく肥えており、獰猛な性格の持ち主です。
人間に対して攻撃的な習性はありませんが、家ネズミのヒエラルキーでは頂点に立ちます。

夜行性で、夜、人間が寝静まった頃に活動を始めます。

生命力が高い

ドブネズミは非常に繁殖能力が高い種です。
生後わずか90日で繁殖行動を開始し、1頭が一度に最大9頭のネズミを産みます。

すぐに駆除しなければ、あっという間に増えてしまうネズミです。

かつては寒さに弱い家ネズミで、冬場、外で行動している姿はあまり見られませんでした。
しかし現在は暖かい都市部で繁殖を続けた結果、耐寒性を身につけた進化を遂げています。

ドブネズミとクマネズミは何が違う？

ドブネズミと似た姿を持つものに、クマネズミがいます。
微妙なものではありますが、よく見るとわかる外見の差と、行動にも違いがあります。

クマネズミの外見的特徴

ドブネズミとクマネズミはよく似たネズミです。
しかし、よく見ると、まずドブネズミの方が全体的に大きいという特徴を持ちいます。

ドブネズミの方がよく肥えており、ずんぐりとした体格をしています。

クマネズミはドブネズミに姿は似ていながら、シルエットは細身です。
見た目に「細長い」という感じがすれば、ほとんどクマネズミでしょう。

もちろん個体差があるので、そのような雰囲気だけで種類を断定することはできません。

具体的な違いとして、クマネズミは耳が大きく、尻尾が体より長いという特徴を持ちます。

高い場所に棲みつくクマネズミ

ドブネズミは何かの上に登るのが苦手です。
低い場所を這いまわり、家の中でも戸棚の裏や、シンクの下のスペースに巣を作ります。

対してクマネズミは、天井裏やマンションの高層階の壁の中などに棲みつきます。
壁を登ったり、ジャンプをするという能力に長けているのです。

またクマネズミはドブネズミと比べて寒さに弱く、気温10℃以下では生存できません。
そのため冬場になると家の中に入り込みやすいという厄介な習性を持ちます。

ドブネズミがもたらす被害例とは？

ドブネズミが家に棲みつくと、あらゆる被害が出ます。
個々の生命力も高く、さらに繁殖しやすいので、早めに駆除したいものです。

壁を破ったり天井に糞尿の染みを作ったりするネズミの害は、それだけに収まりません。

衛生面での被害が大きい

ドブネズミは雑菌まみれの生き物です。
感染症を媒介させ、イエダニなどを発生させます。

ドブネズミが触れた食べ物を食べることで、菌が経口感染することもあります。
また糞尿の一部が気化することで、病原菌が空気感染することもあるので手に負えません。

衛生面での問題は非常に大きなものがあり、とうてい見過ごせるものではありません。
有毒の糞尿は、飼い犬や飼い猫が舐めて口にすることも、もちろん危険です。

糞尿の放置はリスクが高いので、そのつどすぐに拭き取って熱湯や薬液で殺菌しましょう。

まとめ

「ドブネズミ」とは道の側溝を這うかのような名称ですが、実は家の中に棲みつく種です。
一度家の中に入り込まれてしまうと厄介なので、何か兆候が見られたら即駆除しましょう。

クマネズミは天井裏など高所に棲みつく種で、ドブネズミは主に低い場所に棲みます。
業者に依頼すればどちらも完全駆除してくれるので、被害が広がる前に相談してください。