害獣対策として網を使用するのは、手軽で効果的な方法のひとつです。農作物の保護や家屋の侵入防止など、さまざまな用途に活用できます。害獣の種類や被害状況に応じた網の選び方や設置方法を詳しく解説します。

害獣対策に適した4つの網の種類

防獣ネット

耐久性が高く、広範囲で使用できます。目の細かさを選べば、小型から大型の害獣まで対応可能です。農地や家庭菜園で特に活躍します。

防鳥ネット

果樹や農作物を鳥害から守るための軽量ネットです。目の細かいタイプを選ぶと、小型の鳥や害獣にも効果を発揮します。軽量で扱いやすいため、家庭菜園にもおすすめです。

金網（メッシュネット）

金属製で耐久性が高く、咬みつきや破損に強いため、ハクビシンやネズミなどの害獣対策に向いています。家屋の隙間を封鎖する用途に最適です。

プラスチック製ネット

安価で軽量なため、短期的な対策に向いています。ただし、耐久性が低いため、強い害獣には向かず、簡易的な使用にとどめるのが無難です。

網を使った害獣対策の設置方法

守りたい範囲を決める

まず、農地や家庭菜園、ゴミ置き場、家屋など、害獣の侵入が懸念される場所を特定します。足跡やフンの有無を確認し、侵入経路を推測すると効果的です。

網の張り方

• 支柱や杭を1～2メートル間隔で設置し、網を結束バンドや紐でしっかり固定します。
• 地面との隙間を防ぐため、網を密着させるかペグで固定します。掘削を得意とする害獣には、網を地中に10～30cmほど埋め込むことで防御力が高まります。

家屋の隙間を封鎖する

ネズミやハクビシンなど小型害獣には、家屋の隙間を金網で封鎖します。屋根裏や通気口、床下の通路などに設置し、侵入を防ぎます。金属製の網は咬みつきにも耐性があり、特におすすめです。

果樹や作物を覆う

果樹や作物全体を網で覆う方法は、鳥害やハクビシン対策に効果的です。支柱を立てて作物から一定の高さを確保し、網が直接触れないよう設置すると、害獣が届きにくくなります。

フェンスと組み合わせる

網だけでは防ぎきれない場合、金属製フェンスや電気柵と組み合わせることで防御力をさらに高められます。特に大型害獣には有効です。

網の設置で注意すべきポイント

網の強度と目の細かさ

害獣の種類に応じて、適切な強度と目の細かさを選ぶことが重要です。

• 小型害獣（ネズミ、ハクビシンなど）：目が1cm以下の網を使用すると侵入を防ぎやすくなります。
• 大型害獣（イノシシ、シカなど）：厚手で耐久性のある素材を選びましょう。

網のメンテナンス

網が破れたりたるんだりすると、害獣に突破される可能性が高まります。定期的に点検し、破損箇所は速やかに修復しましょう。また、設置環境に応じて劣化しやすいため、長期間使用する場合は耐候性の高い素材を選ぶのがポイントです。

環境への配慮

網が周囲の景観や他の動物に影響を与える場合があります。必要以上に広範囲に張り巡らせるのは避け、必要な箇所にだけ設置することで周辺環境への影響を最小限に抑えましょう。

他の対策との併用

網だけで対応できない場合は、忌避剤や超音波装置などの追加対策を取り入れると効果が向上します。例えば、ネズミの場合は超音波装置、ハクビシンには唐辛子スプレーを使用すると、網を補完する役割を果たします。

網を活用した害獣対策の成功事例

1. 鳥害対策で収穫量アップ
   家庭菜園で鳥類に狙われていたトマト畑に防鳥ネットを設置。作物が直接触れないよう高さを調整した結果、被害がゼロになり、収穫量が増加しました。

2. ネズミ侵入の防止
   住宅の床下通気口に金網を設置。隙間を完全にふさぎ、さらに周囲に忌避剤を散布することで、ネズミの侵入が完全に防がれました。

3. イノシシからの農地保護
   農地の周囲に厚手の防獣ネットを地中30cmまで埋め込んで設置。電気柵を併用したことで、イノシシの侵入が防げるようになり、作物への被害がなくなりました。

まとめ

害獣対策における網の活用は、物理的に侵入を防ぐ方法として非常に効果的です。網の種類や強度、目の細かさを害獣の種類に合わせて選び、正しい設置方法を実践することで、農作物や家屋を守ることができます。また、網のメンテナンスや他の対策との併用で、防御力をさらに高められます。適切な対策を行い、安心して生活できる環境を整えましょう。