可愛らしい見た目とは裏腹に、イタチは家屋などに深刻な被害をもたらす可能性があります。
住み着かれる前に、その被害を防ぐ方法を知ることが重要です。

この記事では、日本に生息するイタチの種類や、自ら対策を講じる方法について解説します。
また、イタチに似た他の害獣についても触れているので、イタチ対策の参考にしてください。

日本にいるイタチの種類

「イタチ」は、ネコ目イタチ科イタチ属に分類される哺乳類で、日本では以下の7種類が確認されています。

・ニホンイタチ
・チョウセンイタチ
・ニホンイイズナ
・キタイイズナ
・ホンドオコジョ
・エゾオコジョ
・アメリカンミンク（ミンク）

イイズナとオコジョは寒冷地帯に特化しており、北海道や東北地方で見られます。
本州では、ニホンイタチとチョウセンイタチが主に生息しているため、ここではこの2種類について詳しく確認しておきましょう。

ニホンイタチ

本州から四国、九州、南西諸島に広く生息しています。
かつては日本における最も一般的なイタチとされていましたが、現在ではチョウセンイタチに生息域を侵され生息数が減少し、絶滅危惧種に指定されています。

見た目は一般的なイタチのイメージに近く、茶褐色から黄褐色の毛並みを持っているのが特徴です。
成獣のオスは約30cm、メスは約20cmほどの大きさで、野山などで生息し、あまり人前に姿を現しません。

冬眠はせず、暖かい季節に子育てを行います。

チョウセンイタチ

チョウセンイタチは本州の西側から四国、九州、そして対馬に生息しています。
1949年ごろ、朝鮮半島から船で渡来したとされています。

この種は害獣として知られる一方で、その毛は古くから筆の毛として使用され、高級品として取引されていました。
強力な繁殖力を持つため、在来種であるニホンイタチを追いやり、生息数を増やしています。

体長はニホンイタチよりも大きく、オスは30cm〜40cm弱、メスは25cm〜30cm超に達します。
農村や住宅街など人が住む地域を好んで活動し、住宅街にも適応して住み着くため、イタチ被害の主な原因となっているのがチョウセンイタチです。

イタチに似た害獣も存在する！

害獣被害をもたらすのはイタチだけではありません。
イタチに似た害獣も存在するため、適切に対処するためにも特徴を把握しておきましょう。

テン

テンはイタチと同じく、ネコ目イタチ科に属する動物です。
日本国内では一般的に「テン」といえば、日本固有種であるホンドテンを指します。

主に本州、四国、九州に生息しており、低山地から高山域まで広い範囲で見られ、夜行性の生活を送ります。
木に登ったり泳いだりするのが得意で、時には樹上で暮らすこともあるようです。

また、夏と冬で体毛の色が変化するのが特徴で、体長は40〜45cmほどとイタチよりも大きな体を持っています。

ハクビシン

ハクビシンは、ネコ目ジャコウネコ科に分類される動物で、外来種として日本に生息しています。
主に東日本や中部、四国地方で見られます。

見た目は、額から鼻にかけて白い線が通っており、目の下と耳元に白い斑点があるのが特徴です。
体長は約45〜50cmほどで、そのうち4割以上が長いしっぽです。

イタチよりも大きく、猫に似た体つきをしています。
家屋の屋根裏や倉庫に住み着き、農作物に被害を与えることもあります。

イタチを自分で駆除する方法とは？

イタチは愛らしい外見にもかかわらず、人々の生活を脅かす害獣です。
家屋への侵入経路は壁の穴や軒下など多岐にわたり、被害を防ぐためには発見次第駆除が必要です。

ただし、イタチの捕獲は基本的に禁止されているため、捕獲をせず以下の方法で追い払いましょう。

強力な照明を使用する

イタチは夜行性であり、光を嫌います。
そのため、強力な光を当てるとイタチは驚いて逃げ出す可能性があります。

人感センサーライトや光力の強いLEDライトなどを設置することで、イタチの活動を制限し、駆除効果を高めることが可能です。

嗅覚を刺激する

イタチは嗅覚が発達しており、刺激が強い臭いを嫌います。
そのため、木酢液や竹酢液、漂白剤など、イタチが嫌う臭いを発生させることで、駆除できるかもしれません。

また、市販されている忌避剤を活用するのもおすすめです。

まとめ

日本ではさまざまな種類のイタチが生息していますが、主に害獣として扱われているのはチョウセンイタチです。
イタチは外見はかわいらしいですが、性格は凶暴であり、家に侵入されると深刻な被害が起こる可能性があります。

自宅の敷地内でイタチなどの動物を目撃した場合は、イタチが避ける対策を施して追い払うようにしましょう。