朝鮮半島からやってきたチョウセンイタチは、様々な悪さをします。人間や住宅、さらに植物にも害を及ぼすため、見つけた場合は何らかの対策が必要です。この記事では、チョウセンイタチの特徴とよくある被害例、具体的な駆除対策について説明していきます。

チョウセンイタチとは？

チョウセンイタチは、朝鮮半島から移入してきたため、このような名がつきました。シベリアイタチ、タイリクイタチなどの別名もあります。

ニホンイタチが全国に分布しているのに対して、チョウセンイタチの分布は西日本と九州です。害獣に指定されていますが、一部の地域ではドブネズミを駆除するために活用しています。

外来種のイタチ

イタチを間近で見たことのある人は、多くはないでしょう。そのため、在来種であるニホンイタチと混同している方が多いですが、毛色に違いがあります。

ニホンイタチは茶色、チョウセンイタチは黄色と覚えておくと区別しやすいでしょう。また尻尾の長さは、ニホンイタチは太くて短く、チョウセンイタチは細くて長いのが特徴です。

サイズにも違いが見られ、重さはニホンイタチのオスが290～650g、メスは115～175g程度です。これに対して、チョウセンイタチのオスは650～820g、メスは360～430g程度となります。

チョウセンイタチは体が大きいため攻撃力が強く、また優れた繁殖力で個体数を増やします。

チョウセンイタチがもたらす被害例

環境に対する適応力が優れており、人家に棲みつくことも多いです。家畜を飼っている家では、ニワトリが被害を受けるケースが多発しています。

また農作物も食害し、特に甘い果物を好みます。このように多くの被害をもたらしますが、最も深刻なのは屋根裏に棲みつかれることです。

フンのにおいが強烈

チョウセンイタチのフンのにおいは、ニホンイタチのそれと同様に強烈です。また屋根裏を棲み処にし、そこに溜めフンをされると、一箇所にフンが集積していきます。フンのほかに尿もするため、屋根裏の床は次第に腐食して弱くなり、まれに床が抜けることもあるほどです。

人間の身体にも害を与える

チョウセンイタチが棲みつくと、ノミやダニなどが増えてしまいます。これらに敏感な方だと、アレルギー症状を発症する可能性大です。

また攻撃性が高いことから、人間を襲うこともあります。特に小さい子どもが噛まれると、大けがをする危険性があるので注意が必要です。

夜中に屋根裏で騒ぐ

チョウセンイタチは夜行性のため、深夜になってから騒ぎ始めます。ニホンイタチより体が大きいため、走り回るとより響くのです。毎日のように騒がれると、慢性的な寝不足に陥る可能性があります。

チョウセンイタチの駆除方法や対策例

チョウセンイタチは害獣ですが、一般の方が捕獲するのは簡単ではありません。自治体に届け出て、許可を得る必要があるからです。

また、殺傷する駆除方法は鳥獣保護管理法に反するので不可です。そのため人家に侵入させない、また棲みついた個体は追い出す、などの対策が中心になります。

現実的な対策は侵入を阻むこと

家に侵入させなければ、棲みつかれる心配はありません。そこで家を一周するように見て回って、隙間を見つけたらパテや金網で塞いでおきましょう。屋根に関しては、屋根工事をするときに施工業者にチェックしてもらうのがおすすめです。

法律に反さない駆除方法

殺傷を伴う駆除はできないため、あくまでも忌避させる方法で対策します。例えば、忌避剤を使用して追い出す方法なら法律に反しません。

チョウセンイタチが嫌う木酢液やハッカ油、石鹸のにおいも効果的です。これらを含んだ液剤をスプレーボトルに入れて、出没する場所に吹きかけてみましょう。

近年は置くだけで効果を発揮する忌避剤も登場しています。ただし、持続期間は1～3か月程度で、効果が消失すると再び現れる可能性があります。

チョウセンイタチは非常に賢く、学習能力があるので、従来の方法が通用しなくなってきたらプロに駆除を依頼しましょう。

まとめ

チョウセンイタチはニホンイタチよりも大型で、また極めて環境適応力が高いのが特徴です。屋根裏に棲みつかれると、建物にも人間の身体にも害を与えるため、絶対に放置はできません。速やかに侵入口を塞ぎ、また忌避対策などの合法的な方法で駆除してください。