田舎の家屋や農家の困らせ者のハクビシンは、駆除が大変な生き物です。あまりに憎い存在なので捕まえて処理したくなりますが、実はそれは法律的にNGです。ハクビシンは捕獲せず、忌避剤を使うか、業者に依頼して遠ざけるようにしましょう。

ハクビシンを捕獲するための手段とは

ハクビシンは現れるルートが決まっているので、捕獲することもできます。自作の罠にかけることもできれば、たとえばトリモチを使って捕獲することも可能です。

民間的にハクビシン捕獲方法として知られているのといえば、次のようなものでしょうか。しかしハクビシンの捕獲は法律で禁止されているので、捕獲と処分は基本的にNGです。

くくり罠

輪のワイヤーを土中に隠して、通ったものの重みに反応して捕まえるのがワイヤー罠です。人間が踏まないように注意しながら、基本的に屋外で使います。

吊り餌式罠

釣り針のようなものを使用したのが、吊り餌式罠と呼ばれるものです。針の先端にエサをさしてハクビシンをおびき寄せ、口に刺して捕まえます。

踏み板式罠

いわばハクビシンを落とし穴にはめるような罠です。餌を踏み板の近くに置いておき、そこをハクビシンが通ったときに板が下がります。板が下がった後、再び上がって扉が閉まり、ハクビシンを捕まえます。

ハクビシンを捕獲することは法律で禁止されている

罠の種類は数あれど、ハクビシンを捕まえることは法律的に禁止されています。ハクビシンは「鳥獣保護法」で保護されており、むやみに殺生してはならないのです。

罠にかけることが禁止というわけではありませんが、殺してしまうのは法律違反です。ハクビシンを捕まえたときには、行政に連絡して処分してもらわなければなりません。

イノシシなどと同じで個人での殺処分は、実はやってはいけません。ちなみにカラスもこの取扱の一部に入り、むやみな捕獲や殺生は禁じられています。

ハクビシン対策は忌避が原則

しかし農家を荒らし、民家にも侵入して迷惑をかけるハクビシンを放置しておくわけにもいきません。では、どのようにハクビシンと付き合えばいいのかといえば、忌避してしまうことです。ハクビシンの習性を理解して、なるべく近寄らせないようにしましょう。

また、ハクビシンにはいくつか、異様に嫌うものがあります。たとえば、特定の臭いです。

ハクビシンは辛いものが発する刺激臭や、ピンポイントで「ヒトデの臭い」を嫌います。ハクビシンの忌避剤を自作するときにも、ニンニクや唐辛子などを使ったりします。

ヒトデに含まれる「ヒトデサポニン」という成分も、ハクビシンは大の苦手なようです。実際にヒトデそのものを使った忌避剤も多く、効果絶大だと評判です。

屋根裏に侵入してくるハクビシンには、その場所にヒトデタイプの忌避剤を使いましょう。屋外のハクビシンにも、出没ルートをおさえて忌避剤を撒けばよく効くはずです。

ハクビシンの被害を受けたら専門業者へ依頼しよう！

ハクビシンは鳥獣保護法に守られた生き物で、害獣ではありますが、個人の手で処分することが原則的に禁止されています。もし被害を受けた場合は専門業者に依頼して、しかるべき処置を取ってもらいましょう。

害虫・害獣駆除業者であれば、ハクビシン駆除のマニュアルを持っています。いま現れるハクビシンを忌避するほか、再出現させないための対策も行ってくれます。

そもそもハクビシンはそのすばしっこさから、素人には駆除が難しい生物です。放置しておいてあちこちに被害が広がる前に、業者に依頼して即座に駆除したいものです。

まとめ

ハクビシンは厄介な害獣ではありますが、単純に捕獲して駆除するということが法律的にできません。個人でできるのは忌避剤を撒いて対策する一手しかないようなものですが、それも業者に頼むほうが効果的で確実です。民家や畑に住みつかれる前に、早めに手を打ってしまいましょう。