農作物を荒らすことで有名な害獣・ハクビシンの脅威は甚大です。ハクビシンがもたらす害は、農家だけでなく、一般の民家にも及びます。

天井裏に住み着いて家を荒らしたり、時に人を襲うこともあります。攻撃的な性格の獣でもあるので、正面から駆除するのでなく、そもそも寄り付かないように対策したいものです。

ハクビシンの被害例・危険性とは

ハクビシンは日本に生息する唯一のジャコウネコ科の一種で、もとは外来種です。それが今では日本全土に広がって、群れをなし、農家や民家に被害を与えています。

ハクビシンが日本に侵入してきた時期がいつかは、実はよくわかっていません。しかし古くから忌み嫌われている生物であり、現在でも各地で被害例も数多くあります。

ハクビシンによる農家・民家の被害

ハクビシンは雑食性で、果樹、野菜の類はほとんど何でも食べてしまいます。農家の近くに住み着いては、夜ごと畑を荒らしにくる、たいへん厄介な存在です。

人家の天井裏に住み着くことも、珍しい話ではありません。天井裏に糞尿を残し、それが染みになることもあります。

糞尿の染みは悪習を放ち、また、他のノミやダニなどの害虫を呼び寄せてしまいます。ハクビシンを一尾でも見かけたら、必ず駆除しなければなりません。

人を攻撃することもある

ハクビシンはもともと臆病な性格だといわれますが、人への攻撃例も多数あります。発達した牙を持つ口で噛んだり、爪で引っかいたりという攻撃です。

ほとんどはハクビシンを退治しようとするときに「反撃」として仕掛けてくる行動です。軽い傷が残るだけならいいですが、重大な感染症を引き起こす危険があります。

ペットを攻撃すれば狂犬病を発症させる可能性もあります。疥癬・皮膚糸状菌症などをうつされることもあるようです。

ハクビシンの被害を抑える方法

ハクビシンは鳥獣保護法で守られた生物で、本来、個人の手で殺してはいけません。確実な駆除のためには、罠で捕獲して、行政に突き出してやる必要があります。

しかしハクビシンの捕獲には、攻撃されるかもしれないというリスクがつきまといます。よって駆除というよりは、ハクビシンを遠ざける「忌避」を優先して考えるべきです。

ハクビシンは聴覚と嗅覚が発達しているので、そこを突いてやると、うまく忌避できます。

超音波装置と忌避剤で近寄らせない

ハクビシンの被害を防ぐためには、まず、超音波装置を用いましょう。ハクビシンが嫌がる超音波を出す装置を設置し、近寄らないようにするのです。

二つ目の手として、忌避剤を撒くのも効果的ですハクビシンは特定の臭いと、ニンニクや唐辛子などの刺激臭を嫌います。

何よりもハクビシンが苦手とするのはヒトデの臭いです。ヒトデに含まれる「ヒトデサポニン」という成分はその他多くの害獣に有効で、ヒトデそのものを使った忌避剤も市販されています。

ハクビシンを寄せ付けない環境にするポイント

野山や市街地でも、地上の生物では、ハクビシンは食物連鎖の上位に立つ生き物です。天敵はカラスなどの鳥類ですが、カラスがハクビシンを狙って襲うことはまれです。

よって、ハクビシンが身の回りに見られたら、人間の手で被害を防ぐほかありません。ハクビシンが嫌がる超音波と忌避剤を、まず使いましょう。

それだけでもハクビシン忌避には効果的ですが、別の手段もあります。それが、ハクビシンの天敵であるカラスの死骸を吊るしておくという方法です。

とはいえ、カラスも鳥獣保護法で殺してはいけない決まりになっているので、まさか実物を置くわけにはいきません。カラスの死骸を模した罠を置いて、ハクビシンへの警告とするのです。

まとめ

ハクビシンは一匹現れるだけでわれわれの生活に大きな脅威をもたらします。忌避剤を撒き、超音波装置を設置して、まず寄せ付けないように工夫しましょう。もし住み着かれてしまった場合には、速やかに業者に駆除を依頼してください。