可愛らしい見た目のアライグマですが、見た目に反して、人間や自然にさまざまなトラブルをもたらす害獣として知られています。アライグマから身を守るために、この記事ではアライグマがいつ日本にはいってきたのか、増えている理由や見つけた時の対処法について詳しく紹介します。

アライグマはもともと日本の害獣ではなかった！

アライグマは本来日本に生息している動物ではありません。1970年代にペットとして輸入されたのが始まりです。

しかし、アニメなどで描かれる可愛らしいイメージとは異なり、実際のアライグマは性格が荒く、家庭で飼育するには不向きです。そのため、飼育に困った飼い主がアライグマを自然に放すことが多く、その結果として野生化し、繁殖が広がっていきました。

アメリカやカナダの生息地では、コヨーテやオオヤマネコなどの天敵がアライグマの個体数を抑えていましたが、日本にはこれらの天敵がいないため、急速に増加しました。このような背景から、現在ではアライグマは外来生物法に基づく特定外来生物に指定されています。

日本にアライグマが増えている理由とは

日本でアライグマが増加している理由には、いくつかの要因が挙げられます。アライグマが日本で急速に増加し、結果として人間や自然環境に被害を及ぼすまでに至った理由について確認しておきましょう。

天敵がおらず繁殖力も高い

日本にはアライグマの天敵となる大型の肉食動物がほとんど存在しません。アライグマの天敵として知られるオオカミなどがいないため、アライグマは捕食されずに繁殖を続けることが可能です。

また、アライグマは繁殖力も高いです。一度に5頭ほどの子供を産むため、天敵が少ない環境では子孫を急速に増やしていきます。

雑食性で生息できる場所が多い

アライグマは雑食性であり、食べ物に対する適応力が高い動物です。日本の山や森などには食べ物が豊富に存在するため、アライグマはエサを確保するのに困ることがありません。

また、アライグマは適応力が非常に高く、平地や山間部、温暖地域から寒冷地域まで、さまざまな環境で生存できます。日本の地形は隠れる場所が多く、アライグマにとって生息しやすい環境が整っています。

日本でアライグマを見つけた時の対処法

アライグマは可愛らしい見た目に反し、凶暴で危険な動物です。もしアライグマを見つけたらどうするべきなのか、対処法をご紹介します。

近づかない

アライグマを見かけた場合、まず重要なのは近づかないことです。こちらから手を出さなければ攻撃してくることは少ないですが、自衛のために人を襲う可能性があります。

もしアライグマにかまれたり引っかかれたりすると、狂犬病に感染する危険性があります。また、アライグマの体にはマダニやダニが寄生していることがあり、それらを介して病気にかかる可能性もあります。

興味本位で接近するとケガや病気のリスクが高まるため、見つけたら静かにその場を離れるようにしてください。

フンに触らない

アライグマのフンに触れるのは危険です。フンにはサルモネラ菌やアライグマ回虫などの病原菌や寄生虫が含まれている可能性があります。

これらの病原体に接触すると健康被害を引き起こす恐れがあるため、フンの処理をする際には注意が必要です。素手で触らないようにし、必ず手袋やマスクを着用して対策を講じましょう。

捕獲や駆除をしない

アライグマは特定外来種として規定され、駆除の対象となる害獣の1つです。しかし、鳥獣保護管理法の規定により、無断での捕獲や駆除は禁止されています。

捕獲には行政の許可が必要になるため、見つけても捕獲や駆除をおこなわないでください。捕獲や駆除をする場合は、害獣駆除専門業者に依頼しましょう。

まとめ

もともと日本には生息していなかったアライグマですが、現在ではさまざまな場所で発見されています。見た目は可愛らしいですが、凶暴で攻撃的なため、見かけても近づかないようにしてください。もし、アライグマを家の近くで見つけたり、家に住み着いてしまったりした場合は、専門業者に連絡しましょう。