インコはペットとして親しまれる一方で、野生化したものが農作物や住宅地で害鳥化することがあります。特に、大群で行動する野生化したインコは、農作物の食害や建物への被害をもたらし、適切な対策が求められます。この記事では、インコが引き起こす問題と、その対策について詳しく解説します。

インコによる被害

農作物への食害

• 果物や野菜：イチゴ、トマト、ナスなどの果実や作物が被害を受けやすい。
• 穀物：稲や麦、トウモロコシを集団で食い荒らします。

騒音問題

• インコは非常に大きな声で鳴くため、大群で行動すると騒音被害につながります。特に住宅地では、鳴き声がストレスの原因になることがあります。

巣作りによる建物被害

• インコは屋根裏や軒下、換気口などに巣を作ることがあります。これにより、建物が損傷するほか、糞害が発生し、衛生面での問題も生じます。

生態系への影響

• 外来種として野生化したインコが在来種と競合し、生態系のバランスを崩す恐れがあります。

インコの害鳥対策

鳥よけネットの設置

特徴
インコの侵入を物理的に防ぐ方法です。網目サイズはインコが通れない1.5cm以下を選びます。

使い方

• 農地や果樹園をネットで覆い、隙間がないように設置します。
• ベランダや建物の換気口にもネットを取り付け、巣作りを防ぎます。

メリット

• 確実にインコの侵入を防ぎ、長期間効果を持続できます。

忌避剤の使用

特徴
インコが嫌がる匂いや味を利用して追い払う方法です。スプレータイプやジェルタイプが一般的です。

使い方

• 作物や巣作りされやすい場所にスプレーします。
• 固形タイプは設置型で巣作り箇所に配置します。

注意点

• 雨天時には効果が薄れるため、定期的に再塗布が必要です。

反射材や吊るし物の活用

特徴
インコは光の反射を嫌うため、CDや反射テープを使用することで驚かせます。

使い方

• 支柱や木の枝に吊るし、風で揺れるように設置します。
• 日光が当たりやすい場所で使用すると効果が高まります。

ポイント

• 設置場所を変えたり、別の素材と組み合わせて使用することで、インコが慣れるのを防ぎます。

音による威嚇

特徴
インコが嫌がる音や天敵の鳴き声を利用する方法です。

使い方

• 鳥の警戒音やフクロウなどの天敵の声を再生する装置を設置します。
• 超音波装置を活用し、インコの聴覚に不快感を与えます。

注意点

• 同じ音を繰り返すとインコが慣れるため、音をランダムに切り替えられる装置がおすすめです。

天敵の模型を設置

特徴
フクロウやタカなど、インコの天敵を模した模型を設置することで、インコに危険を感じさせます。

使い方

• 農地や建物の高い場所に吊るします。
• 定期的に位置を変えて、インコが慣れないようにします。

生態系への配慮をした駆除

外来種として問題がある場合、自治体や専門業者に依頼して適切に対応することが重要です。インコの捕獲や駆除には、鳥獣保護管理法に基づいた手続きが必要な場合があります。

インコ対策を行う際の注意点

法律の遵守

インコは鳥獣保護管理法で保護されている場合があります。駆除や捕獲を行う際は、自治体に相談し、必要な許可を取得しましょう。

周囲への配慮

音や光を利用した対策では、近隣住民への迷惑にならないよう、設置場所や使用時間帯を考慮してください。

複数の対策を組み合わせる

インコは学習能力が高く、1つの対策だけでは効果が薄れる場合があります。複数の方法を併用することで、効果を持続できます。

インコ対策グッズの費用目安

鳥よけネット：1㎡あたり500～1,500円
忌避剤（スプレータイプ）：1,000～3,000円
反射材（CDや専用テープ）：無料～2,000円
超音波装置：5,000～30,000円
天敵模型：1,000～5,000円

まとめ

インコの害鳥化による被害を防ぐためには、ネットや忌避剤、音、光、天敵模型などの方法を組み合わせて使用するのが効果的です。適切な対策を講じることで、農作物や建物への被害を最小限に抑えられます。法律を守りつつ、周囲への配慮を忘れずに、快適な環境を維持しましょう。