ハトが可愛いからといって、エサをあげるのは避けましょう。
その行為が回り回って、人間社会に実害を与えることになりかねないからです。

この記事では、ハトが好む食べ物と与えると危険な食べ物、毒餌による駆除が禁止されている理由について説明していきます。

ハトが好む食べものとは

ハトが地面をつついている様子を見たことのある人は多いでしょう。 しかし、よく見ると地面に食べ物らしきものがないこともあり、不思議に感じているかもしれません。

これに関しては、実は食べ物を食べているのです。人間が想像しているよりハトは視覚が優れており、人間が何もないと考えているところにエサがあり、それを食べているわけです。

植物を好んで食べている

細くて小さい草や種、穀物などをよく食べています。また「鳩が豆鉄砲を食ったよう」という諺があるように、豆類も食べます。

ハトは世界中に生息しており、過酷な環境に耐えられるのが特徴です。そのため、人間が生活できる場所なら、問題なくハトも生息できるのです。

都市部で見られるハトに関しては、人間の食べ物の残りなどを食すことがあります。例えば、床に落としてしまったおかず、スナック菓子の破片なども狙います。

カラスとは好みが違う

カラスは生ごみをつつきますが、ハトに関してはカラスほど雑食ではありません。ヒマワリの種、トウモロコシなどは好んで食べる一方で、動物性の食べ物はあまり好まないのです。

ハトにあげてはいけない2つの食べ物

できれば、ハトには食べ物全般を与えないほうがいいでしょう。人間が何かを与えなくても、ハトは自分でエサを見つけられるからです。

動物はエサを得られる場所に棲みつく性質があり、その一帯にフンをするようになります。エサを与えることで、人間社会に迷惑をかけるようになるわけです。

人間の食べ物全般を避ける

人間の食事は塩分量が多く、ハトには適しません。また、油分や糖質なども合わせて大量に摂取することになり、健康を害する要因になります。

人間の主食であるパンも、ハトは十分に消化できません。人間と鳥類では、そもそも胃腸の機能がまったく異なるのです。

チョコレートやネギ類は有害

犬や猫にとって有害となる食べ物が、チョコレートやネギ類です。これはハトにも共通しているため、チョコレート菓子やおかずのネギ類などは与えないようにしてください。

ハトは野菜なら何でも食べる印象があるかもしれませんが、アボカドやほうれん草なども害になります。庭で栽培している野菜を食べられてしまった場合は仕方ありませんが、自分からこれらの野菜を与えないようにしましょう。

ハトに毒餌で駆除することは禁止されている

平和の象徴とされるハトですが、実は害獣としての側面があります。あたりにフンをして汚したり、フン由来のアレルギー疾患、また寄生虫への感染リスクなどを生み出すからです。

そこで毒餌での駆除を考える方がいますが、ハトは鳥獣保護法によって保護されており、傷つける行為は禁止されています。毒餌で駆除するのは当然のこと、ヒナや卵を他の場所に移したり、捕獲したりするだけでも不可です。罰則は大変厳しく、100万円以下の罰金または1年以下の懲役となっています。

過去に逮捕事例もある

エサに農薬を混ぜて、それを公園にまいてハトを駆除するのは違法です。鳥獣保護法違反により逮捕される可能性があり、実際に過去逮捕者が出ています。

当然ながら、ハト用の毒餌は鳥獣保護法に接触するため、ホームセンターやネット通販などでは販売していません。毒餌は入手できるものではなく、毒餌に関する事件においては当事者が自分で手作りした毒餌が使用されています。

違法にならない駆除方法

ハトを傷つけない駆除方法ならば認められています。ハトが寄りつきにくい環境作りをする、忌避剤で敬遠させる、鳥よけスパイクを活用するなどの方法が一般的です。

まとめ

ハトは本来、自然界に存在する植物をエサにしていますが、人間がエサを与えることで雑食化が進行してきています。また、人間が与える食べ物の種類によっては、ハトの命を奪うことになりかねません。毒餌を与えるのはもちろんのこと、ハトを故意に傷つけると鳥獣保護法に接触するので注意が必要です。