街中や庭先でよく目にするスズメは、日本人にとって親しみ深い存在です。その茶色い羽と愛らしいチュンチュンという鳴き声は、多くの人にとってなじみのある光景でしょう。

しかし、この身近なスズメについて、どれほど詳しく知っているでしょうか。この記事では、スズメの寿命や冬をどう過ごすのかなど、知られざるスズメの生態について詳しく紹介します。

ケース別！スズメの寿命はどれくらい？

スズメの寿命は、野生と飼育により異なります。それぞれの場合の寿命について確認しておきましょう。

野生の場合

野生のスズメの正確な寿命については、実は明確には分かっていません。スズメがあまりにも身近な存在であるため、これまでのところ詳細な調査や研究があまり行われてこなかったのです。

さらに、スズメは巣立ち後に広範囲に分散するため、その追跡が難しく、寿命を把握するのが困難です。しかし、海外の研究によれば、ヒナを含めたスズメの寿命は平均して約半年から1年程度とされています。このように、スズメの寿命についての情報は限られていますが、これからの研究によってより詳しい情報が明らかになることが期待されています。

飼育されている場合

飼育されたスズメの平均寿命は約10年と言われています。野生のスズメと比べて寿命が大幅に長い理由は、飼育環境の違いです。

野生のスズメは、ワシやタカといった大型の野鳥だけでなく、カラスや猫などからも命を狙われます。また、交通事故や自然災害、病気などのリスクも高いです。

一方、飼育されているスズメは、これらの天敵や事故から守られ、必要に応じて適切な医療を受けられます。このため、飼育下ではスズメの平均寿命が長くなるのです。

スズメは人間が飼育するとすぐに死ぬ？

スズメは人間によって飼育されると、野生よりも長く生きられる可能性が高いです。しかし、スズメを個人で捕まえたり飼育することは「鳥獣保護法」で禁じられています。

許可がなくスズメを捕獲したり譲り受けたりすると、鳥獣保護法に違反し、最大100万円以下の罰金または1年以下の懲役が科されることがあります。ただし、負傷したスズメを保護する場合は例外です。

傷ついたスズメを見つけたら、まず動物病院で診察を受け、その後すぐに各自治体の担当部署に保護申請を提出する必要があります。申請をせずに勝手に保護を続けると、善意であっても鳥獣保護法違反となるため注意してください。

不安な場合は、動物病院へ連れて行く前に自治体に連絡しておくと安心です。こうした手続きを踏むことで、法を守りながらスズメを適切に保護できます。

スズメは冬の季節にどう過ごしている？

寒い冬はスズメにとっても厳しい環境ですが、さまざまな工夫をして、冬を乗り切っています。どのように冬の季節を過ごしているのか紹介します。

冬になると大きくなる

スズメは冬の厳しい寒さを乗りこえるため、秋が近づくと脂肪を体に蓄え始めます。これは、食べ物が少なくなる冬に備えて体に栄養を補給するためです。

そのため、冬のスズメは他の季節に比べて大きく、まるで太ったように見えます。また、スズメは羽を立てることで羽毛の間に空気の層を作り、これが断熱材の役割を果たします。

この空気の層が冷たい外気を遮断し、体温を保持するのに役立っているのです。こうした工夫によって、スズメは寒い冬を乗り切り、大きく丸くて可愛らしい姿になります。

群れて暖を取る

スズメは群れを形成する鳥であり、数羽が一緒に行動している光景をよく見かけます。冬になると、その群れの規模はさらに大きくなります。

スズメたちは集団で体を寄せ合うことで暖を取っているのです。このように互いの体温を共有することで、一羽では耐えられない厳しい寒さにも対応できるようになります。

雪浴びをする

スズメの「雪浴び」とは、その名の通り体に雪を浴びることです。これには体を清潔に保つ目的があります。

具体的には、羽の表面や間にたまったゴミや汚れを落とし、ダニや病原菌などの寄生虫を取り除くために行います。夏から秋にかけては水浴びや砂浴びをしますが、冬になると雪を利用して体をきれいにするのです。

もし雪浴びをしなければ、スズメは病気にかかりやすくなり、最悪の場合命を落とすこともあります。そのため、雪浴びはスズメにとって重要な行動なのです。

まとめ

普段は何気なく目にするスズメの寿命は約1年と短命です。天敵が多いため、スズメは警戒心が強く、非常に臆病です。

保護目的で近づく際は、驚かせないように静かに行動しましょう。通常、スズメの捕獲は法律で禁止されていますが、ケガをしている場合には、自治体に許可申請を提出したうえで捕獲や飼育をしてあげましょう。