「車の鍵が折れた！？　まさか、そんなことがおきるなんて……」

硬い車の鍵が折れてしまう。
そんな思いがけない事態に遭遇してしまうとビックリしてしまいますよね。

最近こそリモコンキーが主流でシリンダーキーは減ってきていますが、車のカギを刺したときに中で折れてしまったら大変です。
ドアの中で折れてしまえば、エンジンがかけられませんし、破片を取り出すのは素人では困難を極めます。

スペアキーがあれば、とりあえずエンジンをかけられますが、なければそれすら叶いません。

今回は「車の鍵が折れてしまった場合」をテーマとして、

・車の鍵が折れてしまう時のよくある原因
・車の鍵が折れた時にやってはいけない注意点
・車の鍵が折れた時の対処法

以上の3つの項目について掘り下げて解説しますので、皆さんもぜひご一読ください。

車の鍵が折れてしまう時のよくある原因

さて車の鍵はどうして折れてしまうのでしょうか。
鍵が折れる原因は主に二つあります。
順に紹介しますので、参考にしてみてください。

鍵の劣化や金属疲労

鍵は基本的に丈夫にできていますし、折ろうと思っても簡単に折ることはできません。
しかしながら長年使用していると、鍵自体が劣化してしまったり鍵山部分が少しづつ削れてきて鍵が薄くなり折れる原因になり得ます。

また刺したり抜いたりと、何回も繰り返していると、金属疲労を起こして劣化が起こり限界が来ると急に折れることもあります。

シリンダー内部の異常

鍵に付いている汚れやほこりなどが鍵を差し込んだ際に徐々に蓄積されていき、鍵が中でスムーズに回せなくなることも鍵折れの原因となります。

シリンダー内の鍵穴に汚れなどが蓄積されて、鍵山がシリンダー内部の奥まで刺さらなくなり差し込みが甘くなると鍵がうまく回せなくなり、そこに力が加わって鍵が折れてしまうケースもあります。

鍵を雑に扱う

車の鍵を雑に取り扱ってしまうことも鍵が折れる原因の一つです。

鍵を抜き挿しする際、力を入れたり、勢いを付けたりしてはいないでしょうか。
いずれも鍵に強い負荷がかかりますので、場合によっては折れてしまいます。

また、力を入れて抜き挿しすると、鍵穴そのものを傷付けてしまう可能性があります。
鍵は丁寧に扱い、ゆっくりと抜き挿ししましょう。

車の鍵が折れた時の対処法

鍵が折れてしまった時は、慌てずに以下で挙げる方法で対処しましょう。
もし自分では対処できなかった場合、プロに相談してみるのもおすすめです。

ピンセットやペンチで折れた鍵を抜き出す

鍵穴の中に折れた鍵が残ってしまった時は、ピンセットやペンチで抜き出しましょう。
手では中々抜けない可能性があるほか、折れた部分が鋭利になっていると、怪我をする危険があります。

折れた鍵を抜く際は、ピンセット・ペンチを真っ直ぐに挟みましょう。
しっかり挟んだのを確認したら、そのままゆっくり引き抜いていきます。

ただし、鍵が変形している場合、途中で引っかかってしまう可能性があります。
無理に引き抜くと鍵が途中で折れるリスクがあるため、プロに任せましょう。

予備キーがない場合は早めにディーラーへ相談する

手元にスペアキーがない場合、車を購入したディーラーに相談してみましょう。
そのままでは車を運転できませんので、新たな鍵を作成する必要があります。

ディーラーなら、スペアなしの状態から新しい鍵の作成が可能です。
事情を説明し、純正キーを取り寄せてもらいましょう。

ただし、鍵が完成するまでに1週間程度の時間を要します。
イモビライザーキーの場合は、新たに登録が必要ですので、さらに時間がかかります。

なお、鍵の作成費用は車種・グレードによって変わりますので、必ず聞いておきましょう。

鍵屋に依頼するのも一手

鍵が抜けない時や、近くにディーラーがない場合などは、鍵屋へ相談するのも手です。
すぐに来てくれますので、自力での対応が困難な時はプロに依頼しましょう。

鍵屋は、折れた鍵の引き抜きだけでなく、鍵の作成にも対応しています。
スペアキーがない時でも、車種やグレードを伝えれば一から作成してもらえます。

ただし、鍵なしの状態から作成する分、費用が高くなるので注意が必要です。
不安がある方は見積もりを取り、費用を聞いたうえで依頼可否を決めましょう。

車の鍵が折れた時にやってはいけない注意点

いざ車の鍵が折れてしまったときに何とかしようと慌ててしまい、やると事態が悪化するようなことをやってしまう可能性があります。
ここでは鍵が折れてもやってはいけないことをご紹介していきますので、皆さんも充分に注意しましょう。

折れた状態でエンジンをかける

もし車の鍵が折れてしまったとしても、そのままの状態でエンジンをかけてはいけません。
鍵が取れなくなったり、鍵穴が破損したりするおそれがあります。

また、仮にエンジンがかかったとしても、今度はエンジンをオフにできなくなります。
いずれにせよ、車の鍵が折れた時は安易に触らないようにしましょう。

中の折れた鍵を無理やり引き抜く

中に残った鍵を無理やり取り出そうとするのは危険です。
シリンダー側まで傷つけてしまうと鍵穴のほうまで修理しなくてはいけなくなる可能性も出てきます。

また、折れた鍵が鍵穴の途中で引っ掛かり、抜けなくなる可能性も否定はできません。
かえって修理・交換費用が高くなりますので、鍵が折れた時点で適切に対処することが重要です。

アロンアルフアなどの接着剤を使う

折れた鍵の割れた部分にアロンアルフアなどの接着剤をつけて、それを入れて中でくっつけようとすると接着剤がシリンダー内に垂れてしまうことがあります。
万が一、接着剤がシリンダー内で固まってしまうと、中でつまってしまい事態が悪化してしまう危険性が生じます。

応急処置のためであっても接着剤を鍵穴に入れて取ろうとするのは危険ですので、やめておきましょう。

また、折れた鍵にアロアルファなどを使用することでのトラブルについて、こちらの記事で詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。

鍵穴用でない潤滑油を使用する

折れた鍵穴を取り出すために、サラダ油などの食用油を鍵穴に流すと粘度が高いためにシリンダー内で固まってしまいます。
鍵穴用の潤滑油がなければ、鍵穴用の潤滑油をホームセンターなどで購入して使用するようにしましょう。

車の鍵が折れた時の対処法

鍵が折れてしまったら、その状況によって対処方法があります。

もし鍵穴から折れた鍵が出ているのなら、ペンチなどでつまんで引っ張り出すことができるかもしれません。

ただシリンダー内部で鍵が歪んで変形してしまっていると、引っ張っても出てこないので無理矢理引っ張らないようにしなくてはいけません。
ホームセンターなどで購入することができる、鍵穴専用の潤滑油を使用して取り出しやすくするとよいかもしれません。

その他にも、ピンバイスを使う方法もあります。
中の鍵穴のある場所をライトなどを使って、場所がわかればシリンダー内に残った鍵にピンバイスで穴を開け、ピンバイスが鍵に刺さればそのままゆっくりと引き出します。

上記の方法で鍵を取り出せない場合は無理に取り出したりしようとせずに、鍵の専門業者に依頼することをオススメ致します。
鍵の専門業者なら10,000円から20,000円程度が修理の相場です。

もしも車の鍵が折れてしまったのなら、誤った方法で無理矢理取り出そうとせずに対処することをオススメしますので、お近くの確かな技術も兼ね備えた業者に相談してみてはいかがでしょうか。

車の鍵が折れないための予防策

鍵が折れるトラブルは決して多くありませんが、突然折れてしまうリスクも潜んでいます。
少しでもリスクを減らしたい方は、日頃から鍵を掃除したり、丁寧に取り扱ったりすることを心がけましょう。

車の鍵を定期的に掃除する

車の鍵が折れないようにするためには、定期的な掃除が必要です。
汚れが鍵穴に詰まると、鍵が引っかかってしまう危険があります。

ウエスやきれいな布を使い、こまめにゴミやホコリ、油などを拭き取っておきましょう。
簡単に汚れを取り除くだけでも、鍵が抜けなくなるリスクを低減できます。

くぼみの汚れがひどい時は、歯ブラシなど毛先の柔らかいブラシで掃除しましょう。
なお、真鍮ブラシなど毛先が固いものは、鍵を傷つけてしまうので使ってはいけません。

鍵を掃除したら、鍵穴に専用の潤滑油を使い、鍵を抜き挿しして滑り具合をチェックするとよいでしょう。

車の鍵の利用時は丁寧に扱う

車の鍵を抜き挿ししたり、回したりする際は、丁寧に取り扱いましょう。
力を入れてしまうと鍵が変形し、最悪抜けなくなってしまいます。

もし鍵を使用した時に引っかかりや違和感がある場合、鍵穴に汚れやサビが詰まっている可能性があります。
鍵穴用の潤滑油を使用し、鍵の滑りをスムーズにしてみましょう。

スペアキーを作っておく

車の鍵が折れてしまった時に備えて、スペアキーを作っておくのもよいでしょう。
折れた鍵を抜く作業は必要ですが、スペアキーがあればエンジンを始動できます。

なお、車のスペアキーは以下の場所で作成可能です。

・ディーラー
・カー用品店
・鍵の専門店
・車の整備工場
・ホームセンター

上記のうち、作成費用が安価なのはホームセンターやカー用品店です。
ディーラーは費用が高く付きますが、純正キーを入手することができます。

ただ、スペアキーの作成にはマスターキー（元鍵）が必要です。
マスターキーがない場合はディーラーへ相談してみるとよいでしょう。

動きが変だと感じたら点検してもらう

もし鍵の動きに異変を感じた時は、ディーラーや整備工場で点検してもらいましょう。
特に以下の症状がある場合、プロに相談することをおすすめします。

・鍵を回す時に引っかかりを感じる
・鍵が入りにくい・力を込めないと入らない
・鍵が抜けにくい・力を込めないと抜けない

鍵が引っかかる、入りにくい・抜けにくいなどの症状が出た時は、鍵の劣化や鍵穴の異常が疑われます。
放置すると鍵が折れる可能性もありますので、異変を見逃さないようにしましょう。

キーレスエントリーの後付けもおすすめ

もし車の鍵トラブルを防ぎたいのであれば、キーレスエントリーの後付けも検討しましょう。

遠隔でドアやエンジンを操作できるキーレスエントリーは、後付けすることが可能なシステムです。
リモコンキーで車を操作できますので、車の鍵の変形や破損で悩む必要がなくなります。

キーレスエントリーの後付けはカーショップに相談可能です。
費用がかかりますので、しっかりと見積もりを取っておきましょう。

車の鍵トラブルに関するよくある質問

以下では、車の鍵のトラブルに関する質問と回答をご紹介します。
鍵が抜けない、全部交換したいなどの疑問や悩みが発生した際は参考にしてください。

車の鍵が抜けない時はどうすればいい？

車の鍵が抜けない時は、以下の状態になっていないか確認しましょう。

・シフトレバーの位置は正常か（PまたはN）
・ハンドルロックをかけていないか
・鍵を抜く際のボタンを押し忘れていないか（一部の車種）

AT車はP（パーキング）、MT車はN（ニュートラル）にシフトレバーを動かしましょう。
それでも抜けない時は、ハンドルロックの確認をおすすめします。

また、一部の車種では鍵を抜く際にボタンを押す必要があります。
ボタンをしっかり押し、ゆっくりと鍵を引き抜いてみましょう。

上記のいずれにも該当しない場合、鍵が変形しているか、鍵穴にゴミが詰まっている可能性があります。
鍵が折れないようゆっくり抜くか、鍵屋に相談してみるとよいでしょう。

車の鍵は全部交換できる？

車の鍵は全て交換することが可能です。
もし折れた鍵が取れず、鍵屋でも対処してもらえない時は、丸ごと交換を検討したほうがよいでしょう。

車の鍵交換は、ディーラーや整備工場などに相談できます。
鍵が折れてしまった旨を伝え、新しいものに交換してもらいましょう。

車の鍵を全部交換した時の費用目安は？

車の鍵（シリンダーキー）の交換費用は、およそ5〜10万円です。
車種によって異なりますが、最低でも5万円程度はかかると考えておきましょう。

ただし、イモビライザー付きのものは費用が高額になります。
外国車も費用が高めですので、ディーラーなどで見積もりを出してもらいましょう。

【まとめ】車の鍵が折れた時は適切な対応をしよう！

車の鍵が折れてしまう原因は、鍵の劣化や金属疲労、不適切な取り扱いなどさまざまです。
もし鍵が折れた時は慌てず、適切な方法で対応するか、鍵屋に相談してみましょう。

また、鍵の破損を予防するための対処も重要です。
車の鍵は定期的に掃除して汚れを取り、使用時は丁寧な扱いを心がけましょう。

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