水没車って？廃車方法や買取方法をマスターして効率よく対処しよう！

 

水没車とは、洪水など災害の影響などで冠水してしまった車をいいます。
通常の車より腐食が進みやすいため、可能なら早めに処分しましょう。

本記事で解説する内容は以下のとおりです。

・水没車の特徴・定義
・水没車になった時の悪影響について
・水没車になった時の対処法
・水没車の保険利用について

水没車の特長や悪影響のほか、水没車になってしまった際の対処法を紹介します。
また、保険利用の可否についても合わせて解説します。

水没車とは？

水没車は、台風や洪水、津波などの災害によって水に浸かってしまった車を指す言葉です。
冠水車と呼ばれることもあり、通常の車とは区別されています。

一般的な水没車は、以下のような特徴があります。

・中古車と比較して車両価値が低い
・エンジンや電装系の故障リスクが高い
・修理が困難な個体も多い

水没車は車両の価値が低く、査定時に値段が付かないケースも珍しくありません。
資源としての価値はあるものの、中古車としての価値は低いのが実情です。

また、水没によってエンジンや電装系が錆びている場合もあります。
修理が難しいケースも多いため、廃車にしたり買い替えたりする方も少なくありません。

水没車の定義とは？

水没車は、主に下記の定義を満たす車両が該当します。

・台風・洪水などの災害で水に浸かった
・室内フロアよりも上まで浸水した
・浸水により、車の商品価値の低下が見込まれる

災害で室内フロアより上まで浸水した車や、その影響で価値が下落した車が水没車です。
単にタイヤやホイールが水に浸かった程度であれば、水没車には当てはまりません。

上記の条件を満たす水没車は故障リスクが高く、内部にサビが発生している可能性もあります。
安全性や通常使用に多くの問題を抱えており、中古車としての価値も著しく低いのが一般的です。

水没車になるとどのような悪影響が及ぼす？

もし車が水没車になった場合、さまざまな悪影響が及びます。
そのままでは運転も困難ですので、修理または処分を検討しましょう。

車内のパーツが腐食する

水没車になると、車のパーツの腐食が進むおそれがあります。
外装はもちろん、内装も腐食が進みますので、突然故障する可能性も否定できません。

特に海水に浸かった場合、車の腐食は急速に進んでいきます。
内部がボロボロになりますので、修理が不可能になってしまうことも珍しくありません。

いずれにせよ、車が冠水した際は腐食による故障に注意しましょう。

エンジンが故障しやすくなる

水没車はエンジンの故障リスクも高めです。

車のエンジンは丈夫にできており、若干水に濡れた程度では故障しません。
しかし、内部に浸水した場合は別で、突然エンストするなどの不調が発生します。

また、最終的にエンジンが故障し、車が動かなくなることも少なくありません。
突然故障する場合もありますので、水没車の運転を続けるのはリスキーといえます。

異臭が発生する

水没車は独特の異臭も放ちます。
車内で泥臭さやカビ臭が発生しますので、運転中は不快な思いをすることになるでしょう。

内装にこびりついた異臭は、シートなどの内装を丸ごと交換するほかありません。
ただ、内装の交換費用は高額で、買い替えたほうが安く済む場合もあります。

なお、消臭剤を使っても一時しのぎにしかなりません。
悪臭の元は消えませんので、根本的な解決にならないと考えておきましょう。

電装品が悪くなる

水の影響によって電装品の状態も悪化します。
エアコンやカーナビ、カーオーディオなどが動かなくなることも少なくありません。

電装品の内部に水が入り込むと、サビが動作に影響を及ぼし、基板や配線が故障する場合もあります。
また、水没した電装品は修理も難しく、丸ごと交換になるのが一般的です。

水没車になったら？自分で対処する手段

もし車が水没車になってしまった時は、以下の手段で対処しましょう。
ただし、いずれもメリット・デメリットがあります。

廃車手続きをおこなう

水没車の処分方法で迷ったら、廃車手続きをおこなうのもよいでしょう。
廃車にすれば、以下のようなメリットを受けられます。

・翌年度の自動車税を支払わずに済む
・自動車税や自賠責保険などの還付を受けられる
・水没車の維持管理の手間を省ける

廃車にした場合、翌年から自動車税を支払う必要はありません。
また、廃車にしたタイミングによっては、自動車税や自賠責保険の還付金も受け取れます。

水没車の維持管理の手間を省ける点も魅力です。
保管スペースで悩むこともなくなるでしょう。

水没車を買い取ってもらう

業者に水没車を買取してもらう手もあります。

水没車は、廃車買取業者などが部品や資源の再利用を目的に買取しています。
下記のようなメリットがありますので、一度相談してみましょう。

・自分で廃車手続きをせずに済む
・無料で手続きしてくれる業者もある
・水没車に値段が付く

自分での廃車手続きが不要になるほか、業者によっては無料で廃車手続きを代行しています。
また、車両の状態によっては買取可能なため、現金化できる点も魅力といえるでしょう。

押さえておきたい！水没車は保険で修理対応は可能？

もし車両保険に加入している場合、水没車の修理時に保険金が下りる可能性があります。
ただし、ケースバイケースですので、利用可否は慎重に判断しましょう。

水没車の場合はケースバイケース

水没車を保険で保険で修理すべきかどうかは、ケースによりけりです。
必ずしも修理が正解とは限らないため、場合によっては処分も検討すべきでしょう。

下記に当てはまる場合、保険で水没車を修理するのも一つの方法です。

・フロアまで浸水していない
・保険で修理費用の大部分をカバーできる

フロアまで浸水していない（水没車ではない）時は、修理して乗るのもよいでしょう。
また、保険で修理費用の大半をカバーできる場合も処分は不要といえます。

一方、以下に当てはまる時は廃車や処分がおすすめです。

・フロア上まで水没した
・修理より買い替えのほうが安く済む
・車内の異臭・悪臭がきつい
・突然の故障は避けたい（安全に運転したい）

いずれかに該当する時は、水没車を廃車にして買い替えましょう。

保険を利用するか否かの判断を慎重に

もし水没車を修理する場合でも、保険の利用可否は慎重な判断が必要です。
車両保険にも以下のデメリットがあるため、必ずしも修理がよいとはいえません。

・翌年の等級がダウンする
・修理費用を全額カバーできるとは限らない
・地震が原因の津波による水没は対象外

車両保険を使った場合、翌年の保険の等級がダウンします。
損害を全額保険で賄えるとも限らないため、自己負担も考慮しておきましょう。

また、地震の津波によって車が水没した場合、車両保険は適用されません。
保険金が下りませんので、廃車も検討したほうがよいでしょう。

水没車に関するよくある質問

以下では、水没車の査定への影響や買取可能な理由などをご紹介します。

水没車を売却する際にどれくらい査定に影響する？

水没車は、状態によっては査定額が0円になるほど査定に影響します。
もちろん車種や車の状態によりますが、相場より大幅に安くなるのが一般的です。

水没車は腐食や故障のリスクが高く、中古車の買取業者は買いたがらないのが実情です。
需要も非常に少ないため、中古車の買取相場は当てにならないと考えておきましょう。

水没車を少しでも高く売却する方法とは？

水没車を少しでも高く売りたい場合、廃車買取業者に相談しましょう。

廃車買取業者は、水没車や事故車、不動車などの買取に特化している業者です。
中古車の買取業者が査定を断るような車も積極的に買取しています。

もし中古車買取業者で査定額が0円でも、数千円〜数万円の値が付くことがあります。
また、引き取りや廃車手続きが無料の業者も多いため、一度相談してみるのもおすすめです。

なぜ水没車でも廃車買取が可能なのか？

水没車が廃車買取可能な理由は、部品や金属に価値があるためです。

水没車はエンジンや電装系が駄目になる場合も多いですが、使える部品も少なくありません。
廃車買取業者は、そうした使える部品を取り外し、再販することで利益を得ています。

また、車は鉄やアルミ、レアメタルなどの固まりです。
いずれも再利用できるため、リサイクルを目的に買い取っている業者も多数あります。

水没車になっても適切な処理をおこなおう！

水没車は故障リスクが大きく、安全性にも問題を抱えています。
中古車市場では価値が低いため、処分する方も少なくありません。

一方、水没車を修理する手段もありますが、ケースバイケースといえます。
保険を使って修理すべきかどうかは慎重に判断しましょう。