防犯ガラスとは、一般的なガラスよりも強度が高く、防犯性に優れたガラスをいいます。
空き巣などの犯罪抑止につながるため、窓の防犯性を高めたい時におすすめです。

本記事では、以下の内容を中心に解説します。

・防犯ガラスの特徴
・防犯ガラスのメリット・デメリット
・防犯ガラスの費用相場・選び方

防犯ガラスの特徴やメリット・デメリット、費用相場などをご紹介します。

防犯ガラスの特徴とは？

防犯ガラスは、割れにくいように特殊な加工が施されているガラスのことです。
2枚のガラスの間に透明なフィルム（中間膜）を入れ、ガラスを重ね合わせた構造になっています。

防犯ガラスは衝撃に非常に強く、ハンマーで叩いたり、バーナーで焼いたりしてもしっかり耐えるほどです。
こじ開けることもほぼ不可能なため、窓の防犯性を高めることが可能です。

防犯ガラスとその他窓ガラスは何が違うの？

防犯ガラスは、一般的な窓ガラスとは異なる特徴があります。

・ガラスを2枚合わせた構造になっている
・一般的な窓ガラスより割れにくい（衝撃・貫通に強い）
・割れても破片が飛散しにくい
・UVカットなどの機能性がある

一般的な窓はガラスが1枚のみですが、防犯ガラスは2枚を重ね合わせています。
また、衝撃や貫通にも強く、中間膜を圧着しているため、ガラスの飛散もほとんどありません。

製品によっては、UVカットなどの機能性も追加されています。
一般的な窓ガラスと比べ、家具や内装の日焼けも抑えられるでしょう。

防犯ガラスを採用することでのメリット

防犯ガラスには、通常のガラスとは違った多くのメリットがあります。
特に住まいの防犯に不安がある場合、防犯ガラスを取り入れるメリットは大きいでしょう。

空き巣の侵入を遅らせられる

防犯ガラスは衝撃・貫通に強いため、空き巣の侵入を遅らせる効果があります。

空き巣の侵入経路は多種多様ですが、大部分を窓が占めています。
通常の窓ガラスは容易に割れるため、空き巣にとって侵入しやすい場所なのです。

しかし、防犯ガラスは強度が高く、強い衝撃にもしっかりと耐えます。
割れるまでに時間がかかりますので、空き巣の侵入を遅らせ、諦めさせる効果が期待できます。

防犯フィルムを採用するよりもコストパフォーマンスが優れている

防犯ガラスは、防犯フィルムと比較してコストパフォーマンスに優れます。
単純な価格ならフィルムのほうが安いですが、長い目で見ると防犯ガラスのほうが安く付くでしょう。

防犯フィルムは、紫外線や熱などの影響で少しずつ劣化が進みます。
防犯性も低下しますので、機能を維持するためには定期的な交換が必要です。

防犯ガラスも徐々に劣化しますが、フィルムよりも長期間機能を維持できます。
また、定期的な貼り替えも不要ですので、ランニングコストも抑制可能です。

紫外線の侵入をカットしてくれる

防犯ガラスは、紫外線（UV）カットが期待できるのも特徴です。
中間膜がUVを抑制しますので、家具や壁紙などの内装の日焼けを防げます。

一方、防犯ガラスは透明なため、通常の太陽光（可視光線）はしっかり透過します。
設置後に部屋が暗くなったり、光が遮られたりする心配はありません。

防犯ガラスを採用することでのデメリット

一方、防犯ガラスには複数のデメリットがあります。
特に費用を抑えたい方は、防犯ガラス以外も選択肢に入れたほうがよいでしょう。

100％防犯できるわけではない

防犯ガラスは衝撃や貫通に強い構造ですが、絶対に割れないわけではありません。
100%防犯できる製品ではないため、過信しないように注意が必要です。

もし防犯性を高めたい場合、窓にシャッターを取り付けるのも一つの手です。
また、防犯カメラやアラームなど、他の防犯グッズと組み合わせるのもよいでしょう。

災害時に避難しにくくなることも

防犯ガラスは割れにくいため、災害時の避難に影響するおそれがあります。
窓ガラスを割って脱出できなくなるため、住まい全体の窓を防犯ガラスにするのは考えものです。

災害時に備えたいなら、普段から自宅内の避難経路を決めておくとよいでしょう。
もし避難経路上の窓の防犯性を高めたい場合、防犯カメラなど他のグッズの使用をおすすめします。

一般的な窓ガラスよりも価格が高め

防犯ガラスは高価な製品が多く、一般的な窓ガラスよりも交換費用がかかります。

一般的な窓ガラスの場合、1枚1〜3万円ほどで交換が可能です。
しかし、防犯ガラスを1〜3万円で交換することは難しく、場合によっては数倍の費用がかかります。

詳しくは後述しますが、できるだけ費用は多めに見積もっておきましょう。

防犯ガラスを導入・交換する際の費用相場はどれくらい？

防犯ガラスの交換費用の相場は、1枚につき4〜5万円ほどです。
安価な製品は3万円台前半で交換できますが、もう少しかかると考えておきましょう。

また、サッシごと交換が必要な場合、費用はさらに高くなります。
5万円を超えることも多いため、業者から見積もりを取って交換するか判断しましょう。

防犯ガラスへの交換はどこで依頼するのがベスト？

防犯ガラスへの交換は、以下の業者に依頼できます。

・ガラスの専門店
・リフォーム会社
・工務店
・サッシ店や建具店

このうち、ガラス専門店やリフォーム会社は取り扱いメーカー・製品が豊富です。
さまざまな防犯ガラスから選べますので、一度相談してみるのもよいでしょう。

一方、交換費用は業者によって大きく異なります。
どこが安い、とは一概にいえませんので、費用を抑えたい方は、複数の業者から見積もりを取りましょう。

防犯ガラスへ交換する際に押さえておきたい選ぶポイント

防犯ガラスへ交換する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
窓の性能に影響しますので、防犯ガラスを選ぶ際はしっかり確認することが重要です。

紫外線カット機能

まずはUVカット機能をチェックしてみましょう。
防犯ガラスのUVカット機能は、製品によって大きく異なっています。

例えば、90%以上のUVをカットする製品もあれば、さほどカットしない防犯ガラスもあります。
窓際に置いた家具や内装の日焼けを防ぎたい場合、UVカット性能が高いものを選びましょう。

防犯ガラスの厚さ

防犯ガラスの厚みも確認が必要です。
防犯性能に関わるほか、サッシ交換の有無にも影響を及ぼします。

防犯ガラスは、基本的に厚みがあるほど防犯性能も高めです。
ただし、サッシ交換が必要になると、費用も高額になるので気を付けましょう。

防火性の高さ

防犯ガラスの防火性もチェックしておきましょう。
防火性が高い製品はバーナーなどの火にも耐えるため、焼き破りにも備えられます。

また、防火性が高い場合、万が一火災が起きた時でも被害を抑止できます。
住まいも災害に強くなりますので、一度確認しておくとよいでしょう。

防犯ガラスに関するよくある質問

ここからは、防犯ガラスのよくある質問と回答をご紹介します。

防犯ガラスを採用しても意味ないと聞く

防犯ガラスを採用すべきかどうかは、窓に求めるニーズによって大きく異なります。
例えば、窓や住まいの防犯性を高めたい場合、防犯ガラスは検討する余地があるでしょう。

一方、窓の防犯以外が目的であれば、防犯ガラスにこだわる必要はありません。
目的に合った機能を持つガラスを選ぶべきでしょう。

防犯ガラスと合わせガラスの違いとは？

防犯ガラスは、2枚のガラスの間に厚みのある中間膜を圧着したガラスです。
一方、合わせガラスも中間膜を圧着していますが、防犯ガラスよりも膜は薄いという違いがあります。

防犯ガラスは高い防犯性を持ちますが、一般的な合わせガラスは防犯ガラスに劣ります。
ただし、合わせガラスは断熱性・気密性、防音性能が高い製品も多いのが特徴です。

防犯ガラス以外で防犯性が高い窓ガラスは？

防犯性が高いとされるガラスは、主に合わせガラスです。
しかし、一般的なガラスより高いというだけで、防犯ガラスほどの性能は期待できません。

また、強化ガラスやペアガラスなどは防犯性が低く、簡単に割れてしまいます。
一見すると防犯性が高く見えますが、強い衝撃に耐えるわけではありません。

窓の防犯性を高めたい場合、最低でも合わせガラスを取り入れるべきでしょう。
ただ、合わせガラスも交換費用が高いため、空き巣対策が必要なら防犯ガラスをおすすめします。

また、防犯対策としてトリプルガラスも有効です。
トリプルガラスについては以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

防犯ガラスへ交換し空き巣対策をおこなおう！

防犯ガラスは、板ガラスの間に中間膜を圧着している点が一般的なガラスと異なります。
衝撃や貫通に強い構造のため、空き巣にも備えることが可能です。

ただし、一般的なガラスよりも費用が高めです。
交換すべきか迷った際は、予算と性能を秤にかけて判断しましょう。