車のフロントガラスは、極端な温度変化や傷などによって突然熱割れすることがあります。
もし熱割れしてしまったら、できるだけ早めに交換しましょう。

本記事で解説する内容は以下のとおりです。

・車のフロントガラスが熱割れする理由・原因
・フロントガラスが熱割れした時の対処法
・フロントガラスの熱割れ時に避けるべき行動
・フロントガラスの熱割れを予防する方法
・フロントガラスの熱割れ修理の保険利用について

熱割れする原因や対処法、避けるべき行動のほか、予防法や保険利用について解説します。

車のフロントガラスに熱割れが発生する原因

車のフロントガラスが熱割れする原因は多岐にわたります。
主な原因は温度変化ですが、ガラスの傷が熱割れを起こす場合もあるので注意しましょう。

急激な温度変化

熱割れの大きな原因の一つが急激な温度変化です。
車内と車外の温度が極端に変化した結果、フロントガラスに突然ヒビが入ることがあります。

ガラスは急な温度変化に弱く、熱膨張して割れるケースも珍しくありません。
特にエアコンで車内を一気に冷やす（暖める）と、フロントガラスが熱割れしやすくなります。

真夏や真冬にエアコンを使う際は、少しずつ車内の温度を変えるようにしましょう。

ガラスの傷

フロントガラスに付いた傷も熱割れを引き起こす要因の一つです。

車のフロントガラスに小石や砂が飛んでくると、小さい傷が付いてしまうこともあります。
こうした傷は決して珍しくありませんが、ガラスの耐久性を下げるので注意が必要です。

フロントガラスの耐久性が下がると、わずかな温度変化でヒビが入る場合もあります。
もしフロントガラスの細かい傷が目立つ時は、熱割れしないよう日頃から気を付けておきましょう。

直射日光

フロントガラスやフィルム・シートの色によっては、直射日光が熱割れの引き金になります。

ガラスは色によって熱の吸収率が変わりますが、黒やグレーなどの暗色系は多くの熱を吸収します。
ガラスやフィルムが熱を吸収すると温度が上がるため、熱割れにつながることも珍しくありません。

特に遮熱効果のあるフィルムやシートは熱を吸収します。
熱割れリスクを抑えたい方は、できるだけ使用を控えたほうがよいでしょう。

車のフロントガラスが熱割れした時の対処法

もし車のフロントガラスが熱割れしてしまったら、絶対に放置してはいけません。
できるだけ早く下記の対処をおこないましょう。

車の安全を確保する

運転中にフロントガラスが熱割れした時は、車の安全確保に努めましょう。
ヒビの入り方や大きさによっては、運転席の視界を遮ってしまう可能性があります。

突然割れた時は慌てず、ミラーで周囲を確認しながら路肩に停車しましょう。
ハザードを出して付近の車に周知し、安全を確保したうえでフロントガラスの状態を確認することが重要です。

ただし、高速道路で停車する際は注意が必要です。
後続車に状況を知らせ、安全を確保するためにも、車両の後方に三角表示板を設置しましょう。

フロントガラスを交換する

フロントガラスの熱割れを確認したら、できるだけ早めに交換しましょう。

フロントガラスの熱割れは補修が難しく、新品への交換が必要です。
特に運転席の視界を遮るヒビが入っている場合、車検にも通らないのですぐ交換しましょう。

フロントガラスの交換費用は車種によりますが。10万円程度かかることも珍しくありません。
少しでも費用を抑えたい方は、複数の業者に見積もりを依頼してみましょう。

ガラスの専門業者へ依頼する

フロントガラスが熱割れした時は、ガラスの専門業者に交換を依頼しましょう。
ディーラーや自動車整備業者などにも依頼できますが、クオリティ重視なら専門業者がおすすめです。

また、専門業者は価格も手頃で、ディーラーなどより安価なところも少なくありません。
交換作業もスピーディですので、一度相談してみましょう。

押さえておきたい！フロントガラスの熱割れ時にやってはいけないこと

一方、フロントガラスが熱割れした時は、以下の行動をおこなってはいけません。
状況がかえって悪化しますので、余程のことがない限りは避けましょう。

熱割れ部分を押さえない

フロントガラスの状態を確認する際に、熱割れした部分を押さえてはいけません。
力加減によっては余計にヒビが入ったり、割れて破片が飛散したりするおそれがあります。

また、熱割れしたガラスは見た目以上に鋭利です。
安易に触ってしまうと、手を怪我してしまう可能性も否定できません。

ヒビの大きさに関わらず、熱割れしたフロントガラスには触れないようにしましょう。

フロントガラスが割れている状態で走行しない

また、フロントガラスが破損した状態で車を運転してはいけません。
ディーラーやガラス専門業者へ車を運ぶ際は、レッカーを手配しましょう。

フロントガラスが割れた状態は非常に危険で、運転席の視界を遮ってしまいます。
事故につながるリスクもあるため、運転は絶対に避けましょう。

エアコンや暖房機能を使わない

フロントガラスが熱割れした時は、車のエアコンや暖房機能の利用も控えましょう。

ガラスの熱割れは温度変化によって起こるため、エアコンなどを動かすと状態が悪化するおそれがあります。
余計にヒビが大きくなったり、破片が飛び散ったりすることも考えられます。

こうしたトラブルを防ぐためにも、エアコン・暖房機能のスイッチはオフにしておきましょう。

フロントガラスの熱割れを予防する方法

運転方法や車の使い方を工夫すれば、フロントガラスの熱割れは予防可能です。
少しでも熱割れを予防したい方は、以下の点を押さえておきましょう。

遮熱シートを貼らないようにする

フロントガラスに遮熱シートを貼っている場合、剥がすことをおすすめします。

遮熱シートは強い日差しを遮る反面、熱を吸収しやすい性質があります。
そして熱がフロントガラスを温めるため、熱割れのリスクも高まってしまうのです。

真夏の強い日差しを遮りたい時は、他のグッズを使うか、窓を開けて熱を逃すなどの工夫をおこないましょう。

冷水をかけない

フロントガラスに冷水を直接かけることも避けましょう。
急激な温度変化が起こり、ヒビが入ってしまうおそれがあります。

同様の理由で、フロントガラスが凍った際に熱湯・温水をかけることも止めましょう。
沸かしたお湯をかける方は多いかもしれませんが、温度変化によってフロントガラスが熱割れする危険があります。

車間距離を空ける

車を運転する際は車間距離を開けて走行しましょう。
熱割れ予防に直接関係するわけではありませんが、飛び石による傷防止につながります。

先に触れたとおり、飛び石などによってフロントガラスが傷つくと耐久性が下がります。
そして耐久性が下がると、結果的に熱割れのリスクが高まるので注意しましょう。

一方で車間距離が十分にあれば、飛び石によるガラスの傷を抑止できます。
特に車の走行速度が速い高速道路は、飛び石の速度も速いです。

しっかりと車間距離を空け、飛び石のリスクを抑えましょう。

熱割れが原因の修理は保険の適用は可能？

フロントガラスが熱割れした場合、修理時に保険を利用できる可能性があります。
少しでも修理費用を抑えたい方は、利用できないか保険会社に相談してみましょう。

熱割れ修理に利用できる保険は主に車両保険です。
契約している方は、補償条件や契約内容をチェックしてみましょう。

保険を利用する際の注意点

フロントガラスの熱割れ修理に保険を利用する際は、以下の点に注意しましょう。

・免責金額があると自己負担が生じる
・保険会社への事前連絡が必要
・保険金支払いまでに時間がかかる

保険に免責金額が設定されている場合、保険金を満額受けとることはできません。
免責金額分は自己負担となるため、一度確認しておきましょう。

また、フロントガラスの熱割れを修理する前に保険会社への連絡が必要です。
修理した後では保険金を請求できないので気を付けましょう。

保険金が支払われるまでには、ある程度の時間がかかります。
審査や手続きがありますので、保険会社に支払いまでの目安を聞いておきましょう。

フロントガラスが熱割れしたら早急の対処が必要不可欠！

フロントガラスが熱割れする原因はさまざまですが、割れた時は早急な対処が必要です。
周囲の安全を確保すると同時に、専門業者などへ連絡して修理・交換しましょう。

フロントガラスが熱割れした場合、車両保険が利用できる可能性もあります。
契約内容次第ですが、保険会社に相談してみるとよいでしょう。