事故車の定義とは？保持するリスクや処分する手段もご紹介！

 

事故車は、車両のフレームを修復した車のことで、修復歴車とも呼ばれています。
安全性や価値が低いなどの欠点があるため、不要なら処分も検討してみましょう。

本記事で解説する主な内容は次の3つです。

・事故車の定義
・事故車を所有するデメリットやリスク
・事故車を処分する手段について

事故車の定義や所有することのデメリット・リスクをご紹介します。
また、処分方法も解説しますので、事故車の処分でお困りの方はお役立てください。

事故車の定義とは？

事故車とは、フレームを修理・補修した車のことです。
主に以下の部分が破損し、修理をおこなった場合に車が当てはまります。

・フレーム
・ダッシュパネル
・ルームフロアパネル
・ルーフパネル
・フロントインサイドパネル
・トランクフロアパネル
・フロントクロスメンバー
・ラジエーターコアサポート
・ピラー

事故車は、単に物損事故を起こして修理した車を指すわけではありません。
上記のうち、いずれか1箇所以上を修理した車が該当します。

フレームや各種パネルは、車両の安全性に深く関わる骨格部分です。
そのため、これらを破損した事故車は安全性が低下しています。

冒頭で触れたように、事故車は修復歴車とも呼ばれています。
一般的な中古車とは異なる扱いをされており、価値が低く、需要も限られるので注意しましょう。

事故車を保持するデメリット・リスクとは

事故車は中古車としてのニーズが少なく、売却すること自体難しいのが実情です。
一方で安全性も低いため、所有を続けることにもいっさいのメリットがありません。

余程愛着がある車でなければ、処分を検討したほうがよいでしょう。

安全面の問題

事故車はフレームを破損しており、安全性に大きな問題を抱えています。
車を安心して運転したいという方にとっては、大きなリスクとなるでしょう。

一般的な中古車の場合、外装や内装がボロボロであっても、安全面に問題がある車は多くありません。
もちろん個体差はありますが、フレームには問題がないため、安全性はしっかりと担保されています。

一方の事故車は、安全の根幹となるフレームがダメージを受けています。
また、エンジン内部など見えない部分がダメージを受けている可能性も否定できません。

いずれにせよ、通常の中古車より安全性は低いと考えておきましょう。

車としての価値が低下する

事故車は車両価値が低くなる点にも注意が必要です。
先に述べた安全性に対する懸念が大きいため、中古車としてのニーズも限られています。

仮に中古車の価格相場が200万円の車種であっても、事故車は数分の1となるケースがほとんどです。
きれいに修理しても価値が上がることは少なく、買取で相場を下回る場合が少なくありません。

車は高い資産価値がありますが、事故車は例外と考えてよいでしょう。

買取できないケースもある

事故車の状態によっては、買取を断られてしまう場合があります。
事故車の売却を検討中の方は、特に注意しておきましょう。

事故車は中古車としての需要が限られるため、業者も買取には消極的です。
そのため、査定額が0円になったり、処分費用を請求されたりするケースも珍しくありません。

ただ、事故車も資源やホイールなどの部品に価値があります。
業者によっては、リサイクル・部品取り用として事故車を評価し、数千円〜数万円で買取しています。

事故車を処分する際の手段

事故車の取り扱いで困っている方は、以下で挙げる方法で処分を検討してみましょう。
方法によっては、無料で事故車を廃車にしたり、買い取ってもらえたりすることがあります。

廃車手続きをおこなう

まず挙げられる処分方法は廃車手続きです。
普通自動車なら運輸支局、軽自動車なら軽自動車検査協会へ行けば、簡単に事故車を廃車にできます。

自分で廃車手続きをおこなうメリットは以下のとおりです。

・自動車税の課税が止まる
・税金や自賠責保険の還付を受けられる

事故車を廃車にした場合、自動車税の課税が止まります。
廃車にしたタイミングによっては、自動車税や重量税、自賠責保険などの還付を受けることが可能です。

一方、自分で廃車手続きする場合のデメリットもあります。

・窓口が平日しか開いていない
・車の解体に時間がかかる

運輸支局や軽自動車検査協会は、平日しか窓口が開いていません。
また、車の解体にも数週間かかるため、即日の廃車は不可能と考えておきましょう。

廃車・中古買取業者へ依頼する

事故車を処分する場合、廃車買取業者か中古車買取業者へ相談する手もあります。
自分で運輸支局などへ行く時間がない時は、業者に任せたほうがよいでしょう。

廃車・中古買取業者に事故車の処分を依頼するメリットは次のとおりです。

・自分で廃車手続きをせずに済む
・事故車を買い取ってもらえる場合がある
・業者によっては無料で廃車にできる

業者に任せた場合、自分で廃車手続きを進める必要はありません。
廃車買取業者であれば、事故車を買取してもらえる可能性もあります。

また、業者によっては無料で事故車の廃車手続きが可能です。

ただし、廃車・中古買取業者には下記のデメリットもあります。

・廃車完了までにかなり時間がかかる
・手続きが無料とは限らない
・車両の状態によっては引取料が発生する

廃車手続きに時間がかかるほか、無料で手続きしてもらえるとは限りません。
引取料が発生するケースもありますので、依頼前にしっかり確認しておきましょう。

解体業者へ依頼する

廃車・中古車買取業者ではなく、解体業者に事故車の処分を依頼することも可能です。
解体業者へ依頼した場合、以下のメリットを受けられます。

・自分で廃車手続きせずに済む
・解体から手続きまで任せられる

自分で廃車手続きをする必要がないほか、事故車の解体から手続きを任せられます。

しかし、以下のデメリットもあるので注意しましょう。

・廃車費用を請求される
・手続き完了までに時間がかかる
・買取してもらえない

解体業者に事故車の処分を依頼した場合、廃車費用が発生します。
業者によって異なりますが、数万円はかかると考えておきましょう。

また、廃車完了までに時間がかかるほか、事故車を買い取ってもらうことはできません。
もし買取してもらいたい時は、廃車買取業者に相談したほうがよいでしょう。

事故車に関するよくある質問

ここからは、事故車に関するよくある質問と回答をご紹介します。

事故車の買取をしたいがローンが残っている…

ローンが残った車を売りたい場合、車検証の所有者の名義を確認しましょう。
ローン会社やディーラーになっている時は、所有権解除の手続きが必要です。

所有者が自分以外の車は、たとえ事故車であっても勝手に廃車にできません。
先にローンを完済して所有権解除手続きをおこない、自分名義に変更する必要があります。

もしローンの一括返済などが難しい時は、ローン会社などに相談してみましょう。

事故車はなぜ売れる？

事故車が売れる理由は、金属や部品に価値があるためです。

車は鉄やアルミを始め、さまざまな金属が使用されています。
金属は溶かせば再利用できますので、再資源化を目的に買い取っている業者も少なくありません。

また、ホイールやマフラーなどの部品にも価値があります。
業者の中には、こうした部品のリユースを目的として事故車を買取しています。

事故でエアバックが出たら廃車にすべき？

エアバッグが出た場合でも、廃車にするのが最適とは限りません。
保険で修理費用をカバーできるなら、乗り続けるのも一つの手段です。

ただし、エアバッグが出た車は修理費用が高い一方、中古車としての価値は低めです。
こだわりがなければ、買い替えたほうが安く済む場合もあります。

納車日に事故が起きてしまった…

もし納車日に事故を起こしたとしても、新車へ交換してもらうことはできません。
納車後の事故はドライバーの責任で、ディーラーには落ち度がないためです。

ただ、事故の状況によっては、自動車保険や車両保険で損害をいくらかカバーできます。
保険を利用できれば、修理・買い替え費用の負担を抑えることが可能です

事故車は中古車として購入すると安く購入できる？

事故車を選べば車の購入費用は抑えられますが、決しておすすめはできません。
修理費用を考えると、状態のよい中古車を買ったほうが安く済む可能性もあります。

事故車は目に見えない部分に不具合が生じていることも多く、突然故障するケースも少なくありません。
購入費用より修理費用が高く付く場合もあるため、事故車の購入は慎重に検討するべきでしょう。

事故車は保持するだけリスクが高まる！

事故車は安全性の懸念が大きく、車両の価値も高くはありません。
所有することにメリットはないため、早めに処分したほうがよいでしょう。

事故車は自分で廃車手続きするか、業者に依頼すれば簡単に処分できます。
もし処分方法で迷ったら、事故車の買取査定が可能な業者に相談してみましょう。